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べっかん

ヤマグチジロウの諸々の別館。長文を書きたいお年頃。

最敬礼と継投のお話。

野球

 

やあ、ヤマグチジロウだよ。

プレミア12の初代王者という夢が途絶えて一晩が過ぎたね。過ぎてしまったね。やっぱり悔しいものは悔しいです。中日ファンの僕としても、そして何より大の平田ファンの僕としても、今回のプレミア12は非常に楽しんで見ていました。
しかし、しかしね、あの幕切れを見せられてはヘラヘラと楽しんで見ていたこのクチでも何か言わずにはいられない。言わせてよ! だってここは僕のブログだろう?

さてさて、もはやなんといいますか、周知の事実とでも言いましょうか、完全に投手の継投が裏目に出てしまいましたね。
ここまではっきり継投が悪いと言い切れる試合は、今年のドラゴンズの試合を見てきた僕でも割と少ないですよ。悲しいことに割とね!
振り返って見てみれば、その兆候は以前から出ていたように思えます。まずは初戦の同じく韓国戦。結果的に無失点で終わることができたものの、最終回を投げた松井裕樹が満塁まで追い込まれながらなんとかといった試合から始まり、同じく最終回にマウンドに上がった澤村拓一が同点に追いつかれた第二戦。同じく同じく9回に逆転を許した第五戦。決勝トーナメントに入っても点差がある中でありながら増井浩俊が3ランホームランを浴びるなど、一貫してクローザーというポジションに不安を抱えた状態で今回の日韓戦を迎えてしまったのですよ。
だからこそ、そこそこの野球ファンであれば大谷翔平が7回85球という、余力を残してマウンドを降りた瞬間に何か嫌な予感がしたのではないでしょうか。
悲しいことに、こういう時ってそういう予感ってその通りになってしまうんですよね、野球ってね……。

話がちょっとそれるけども、継投の大切さ、奥深さを語る上で切っても切れないお話があるんですよね。
その名も『2007年日本シリーズにおける完全試合目前の継投』(Wikipediaの項目そのまま)!!
簡単に説明すれば、2007年の日本シリーズ第五戦。勝てば中日ドラゴンズの日本一が決まるといった試合で先発山井大介が8回まで一人のランナーも許さない完全試合ペースで試合を進めていたのだが、監督である落合博満が9回のマウンドにその歴史的な記録のかかった山井ではなく、クローザーである岩瀬仁紀を送る、非情とも言える継投だったということ。
最終的に、岩瀬が三人でピシャリと抑え、ドラゴンズは見事日本一の栄冠を手にすることができたのですが、この采配が当時大きな波紋を呼び、賛否が入り乱れ2015年の今でも語り草になるほどにプロ野球の歴史的にも大きな事件だったということです。

 


この継投に関して、当時僕は自宅のテレビで生中継を見ていたのですが、6回を過ぎた辺りで「もしこのまま山井が完全試合しそうになっても、落合だったら最後に岩瀬を送るんだろうな」と、薄々考えていたんですよ。実際に岩瀬が送られた時点で、その予想の当たった僕は相当ニヤニヤしてましたけども。
それほどに、当時のクローザーとしての岩瀬への信頼感は確固たるものであり、同時に落合監督の采配も当時のドラゴンズファンであれば想定の範囲内だったということです。
もちろん、その采配に至るまでにはベンチの中での様々な葛藤や裏話等々あるのですが、そちらはWikipediaに詳しく書いてあるのでそちらを見ていただくとして、僕自身の考え方としてはこの試合には『すごい人』が4人挙げられるということです。
まずはもちろん8回までパーフェクトピッチングを見せた山井、そしてその選手をマウンドから降ろす決断をした落合監督、さらにそのマウンドを引き継ぐというプレッシャーの中きっちり完全試合を引き継ぐ形で終わらせたクローザー岩瀬の3人。
それに加えてもう一人。たとえ勝利に貪欲な落合監督とあれど、大きく点差が開いた場面であれば9回のマウンドに山井を向かわせ、ヒット1本打たれたら「残念だったね」と岩瀬に代える、という考えもあったと思うんですよ。そうすれば、皆納得せざるを得ないだろうしね。しかしながらこの試合は8回まで1対0で進んでおり、そのヒット1本がもしホームランだったら……ということを考えるとなるとそんな少しの余裕も見当たらない緊迫した試合であり、その試合で中日打線を犠牲フライによる1点のみに抑えていた投手というのが今やメジャーリーガーとして活躍するダルビッシュ有だったのですね(ちなみにその犠牲フライを打ったのは僕の大好きな平田良介平田良介でございます)。
だから、あの非情とも言える世紀の継投は、少しの余裕も無い緊迫した試合を展開してくれた相手投手であるダルビッシュへの、ある意味での最敬礼だったと言えるのではないでしょうか。

……というように、投手の継投というものは試合の行方を左右する大事な作戦であり、特にトーナメントのような負けられない試合にとっては磐石の態勢で行わなければならないということですよ。
もちろん、昨日の試合で例えば大谷を最後まで投げさせておけば勝てていたとは言い切れないけれど、果たしてあの継投が磐石な投手リレーだったのかといえば、そうは思うことができなかったからこんな長文を書いてしまったわけなのですよ。

ともあれ、プレミア12はこれで終わったわけでありません。決勝戦はもちろんのこと、日本にも3位決定戦という試合がまだ残っています。
その3位決定戦を制し、なんとか後味の悪くない形で大会を終えてもらいたいですね。

それでは。