べっかん

ヤマグチジロウの諸々の別館。

枠とM-1グランプリのお話。

 

やあ、ヤマグチジロウだよ。

5年の空白期間を経て復活したM-1グランプリから一日が過ぎましたね。
復活という一報があった時は「いやいや、5年じゃ早すぎでしょ」と口では言っておきながら、それはそれとしていざやるとなれば楽しみにもなりますよ。仕方ない。ああ仕方ない。
さて、優勝は敗者復活枠で勝ち上がったトレンディエンジェルでしたが、皆さんどうですか? まあこればかりは人の好みで別れるところだし、もう決まったことだしガタガタ言うのもアレなんでね、今回はトレンディエンジェルがなぜ優勝できたのか、他の決勝進出者がなぜ優勝できなかったのかというところを、考えてみようと思うよ。

まず、なぜトレンディエンジェルは優勝できるような実力を持っていたのにストレートに決勝進出ができなかったのか。
これにはいろいろと理由もあるでしょうし、実際に準決勝を全て見たわけではないので真意は分かりませんが、何度も言う通りここは僕のブログなんで僕の想像、考えで進めさせていただきますよ。

以前のM-1から思っていたことだし、ある程度分かってる人も多いと思いますが、決勝進出者8組の中にも枠というものがあります。
例えば「麒麟枠」。これは第一回のM-1で当時全く無名、吉本の社員にも知られていなかったようなコンビ・麒麟が、決勝進出者に選ばれたことからついた名前で、「ダークホース」だとか「謎のコンビ」などという触れ込みでも出てくる人達の枠です。
過去にはこの枠から麒麟はもちろん、南海キャンディーズ笑い飯なんかが世に出たわけで、この枠の存在がM-1のガチンコ感を演出してると言っても過言ではないでしょう
それと同じように、明言はされていないながらもその他にもちゃんと決勝に選ばれるにあたっての意味のある、役割のある枠というのがあると思うのですよ。
賞レースといえど、ひとつのテレビ番組です。Mステのような音楽番組に(特集や特番ではない限り)GLAYラルクコブクロとゆず、女性アイドル2組やジャニーズ2組が同時に出ないように、ある程度はネタの傾向や漫才の趣向が被らない人達を選出すると考えるのが自然だと言うことです。

 


その中で今回、トレンディエンジェルとハライチが「バラエティ番組やネタ番組でもお馴染みの人気芸人」という枠を取り合ったのではないでしょうか。

そうなれば今回の敗者復活戦は視聴者投票。テレビ番組で馴染みのある人気芸人に票が集まって然るべき、という風に勝ち上がり、それまで大きな爆発のなかった大会の流れの中に入っていったというわけです(ちなみに僕は東京ダイナマイトに入れました)。
そうなれば昨年のTHE MANZAIでもそうだったように、一度調子に乗ると手がつけられない、一度ハマるとそこに畳み掛けるように進行するトレンディエンジェルお馴染みのネタで、その勢いのまま優勝をかっさらっていったという訳ですね。

ではもしトレンディエンジェルがはじめから決勝に進出していたら優勝できたのだろうか。
まあ、ifの世界のことを書くなんてものは無粋なのは分かりきっておりますが、それほどに今回の大会は誰が優勝してもおかしくない大会だったと思うんです。
M-1には最終決戦に残る確率が高いネタ順というものがあり、それが5番目と9番目なんですね。9番目はもちろん敗者復活枠で、決勝進出者8組のネタが終わり、会場の空気的にも一区切りついたところで何十組の中から勝ち上がってきた勢いで、しかも緊張する間もなくネタをするわけですからベストパフォーマンスを決められる確率が高いのではないでしょうか。特にサンドウィッチマンが勝ち上がり優勝した第七回からは毎回最終決戦に残ってるという実はとてもいいネタ順なんですね。もう一方の5番目というのも会場が温まり、その日のピークだと言われている順番で、過去最多のコンビがここから最終決戦に勝ち上がっているのも決して偶然ではないでしょう。
今回もそんな曰く付きのネタ順でネタを披露した両方のコンビ(ジャルジャルトレンディエンジェル)ともが最終決戦に残っている、というジンクス通りの勝ち上がりかたをしてる訳なんですよ。
そうなってくるとやっぱりネタ順って大事だな~と改めて感じるとともに、もしここに他のコンビが入れば結果が違ったものになったのではないかも思うのです。
というのも、今回のトレンディエンジェルは特に新しいことをしたというわけではないんですよね。良くも悪くもトレンディエンジェルだった。といった印象で、さらに印象を重ねれば圧倒的優勝というよりかは周りが勝手にコケていった感じでした。
例えば今回のスタートを飾った二組、メイプル超合金と馬鹿よ貴方はという終始バカバカしい展開の漫才や、いわゆるシュール系の漫才をするコンビでは、特にスタート直後の空気では受け入れられにくいとされています(その割には結構ウケてたよね)。
だからもしこのバカバカしい二組が先に述べたネタ順で披露していたら、ピリピリしたカッチリとした空気で進んでいく中、突然あのインパクトの強いネタを披露したら……なんて考えるともうキリがないなんてことは分かっていながら考えずにはいられない僕がいるんですよ。
とにかくネタ順は大事だよねっていうことと、今回のスタートを務めた二組にはこれからに期待しちゃうぞということだけでも覚えて帰ってくださいね。どうも、ありがとうございましたー!
しかし、M-1が終わったのに年末までまだ結構期間があるってちょっとした違和感だよね。

それでは。