べっかん

ヤマグチジロウの諸々の別館。

ワールドカップともうひとつの敗退のお話。

 

ロシアワールドカップ決勝トーナメント 日本対ベルギー。

午前3時という早い時間の中、多くの日本人がその行方を見守った。

前半、ベルギー攻撃をなんとかしのぎつつ攻撃の形も見せ0ー0で折り返すと、後半には柴崎のロングパスから原口元気のゴールでなんと先制。それからまもなく香川が落ち着いて捌いたボールを乾が今大会2得点目となるゴールで2点差をつける押せ押せムード。しかし、それまで昌子と吉田を中心としたディフェンス陣が塞いできたシュートコースの上を越えていくヘディングシュート2発で同点に追いつかれる中、なおも粘るもラストプレーと思われたアディショナルタイムの際の際で鮮やか過ぎるカウンターを決められ、悔しすぎる敗退を喫した。

しかし下馬評を覆し、多くの喜びや悔しさを感じさせる素晴らしい試合だった。

 

そんな日本サッカー史上に残る戦いの裏で、人知れずもうひとつの敗退劇が起こっていたのだ。

人知れずなのも仕方あるまい、当事者である僕本人でさえ、ついさっき気付くまで忘れていたことなのだから。

 

その敗退とはいったい何なのか。それは「燃えるごみを出し忘れた」ということだ。

痛い。痛すぎる敗戦だ。夏というこの時期に生ゴミを伴うゴミを出し忘れるとは痛すぎる敗戦であることは想像するに難くないであろう。素早い選手(小バエ)による執拗なゾーンプレス(たかる)はフィジカルに勝る我々にとってもやっかいな相手である。

今日はその敗戦がいかにして起こったのかを、サッカーよりも詳しく解説していこうと思う。だってサッカーあんまり詳しくないんだもん。

 

まず、前段階ではちゃんと準備はできていた。前日に玄関の前までまとめたゴミ袋を用意し、出かける際に気付いてついでにゴミ捨て場まで捨てにいける段取りはできていたのだ。

そんな中、僕が家に戻ってきたのは外も暗くなった夜だった。この時点でエアコンを切り忘れていたというプチ敗退に気付き、ちょっとしょんぼりした身体をしばらくゴロゴロすることで癒し、日課であるウォーキング(※1)に出掛けた。

ウォーキングから帰ってきた時点で0時を回っており、ここで仮眠などを取ってしまったら最悪の悲劇が待っていると思い、3時のキックオフまで起きていることを決断した。

 

ここがまず最初のゴミを出してしまうこともできたであろうポイントである。1時前であれば少し早い人たちは起き始めている頃で、感覚的には朝と言ってもいいだろう。そもそもそこまで厳格なゴミ捨て場じゃないし。

しかし、ウォーキングから帰ってきてすぐに玄関にあるゴミの存在に気付けていない時点でなんだかお察しな気もする。

ともあれ、そこで何かしら手持ち無沙汰になって玄関に近づくこともあれば敗退することもなかったであろう時間帯に、僕が手に取ったのはPS4のコントローラー。最近始めたFallout Shelter(※2)を機動してしまったのである。

 

Fallout Shelterとは、ゲームシリーズFalloutのスピンオフ作品。元々アプリ用としてリリースされたものを最近移植してきたもので、シェルターに住む人々を安定した生活に導くのが目的のゲームである。

とはいえ、僕はこのFalloutシリーズを全くやったことがない。ヌカコーラというコーラが出てくるという情報くらいしか知らない。じゃあなぜこれを始めたのかというと、友人に「釣りができるゲームだぞ」と(※2)FF14を勧められ「ふ」のタイトルを検索していたらミスターミニットみたいなアイコンに目を引かれたからである。しかもタダだし。あとFF14は結局やっていない。

 

そんな感じでゆるっと始めたものの、どっぷりとハマってしまった。あまりよく知らないので強くは言えないが、本編と世界観は同じなのだろうが、ミスターミニットのマークのようなキャラクターデザインのせいかものすごくゆるい。生活がメインのゲームなのでそういうキャラクターたちがせこせこと働いているのを見ているだけでも楽しい。

いわゆる放置ゲーなのだろうが、働いているのを見ているだけという時間はほとんどない。住民たちが作った資源の回収やクエストの遂行、アクシデントが起こった際の支持、謎の男の出現など、やることが多いのでちょっと覗くつもりがついついのめり込んでしまうのだ。

 

他の暇つぶしであればトイレに行く際にゴミ袋に気がつくチャンスもあったろうが、片手間で少し作業もしていたせいかノンストップでキックオフを迎えてしまったのだ。いやむしろキックオフに合わせて止めることができたことを褒めてもらいたいくらいだ。

そうしたらあの最後までたっぷり詰まった試合内容。玄関に置かれたゴミ袋は記憶の彼方へと消えていき、観戦し疲れで眠くなった身体がゴミ収集の時間までにゴミ置き場のネットを揺らすことはなく、これを書いているということだ。

 

……次はちゃんと決められるようにしっかり意識を変えていきたいですね(試合後のインタビューが如き息の上がりようで)。

 

それでは。

 

(※1) 城めぐりを始めた頃に、険しい山城攻めにも耐えられる体力作りを目標として始めたもの。気が乗らない日はやらなくていいという緩い設定を設けて日常化を図ったが、そんなことをしなくてもタイムフリーのラジオを聴きながら歩いているせいで「1週間のうちに○日サボると自動的に聴きたいラジオが聴けなくなる」という強迫観念が生まれ、結果としてほぼ日課になってしまっている。ポケモンGOもついでにやっているのでログインボーナスも関係して、もはや体力作りとかではなく呪いに縛られてウォーキングしているようなものである。

 

(※2) 僕がゲームを選ぶ際に信頼できる要素のひとつ。ペルソナ4・5や、ポケモン妖怪ウォッチゼルダ、ニーアオートマタなど、列挙に暇がない。