べっかん

ヤマグチジロウの諸々の別館。長文を書きたいお年頃。

合ってると売れる売れないのお話。

 

アメトーーク』で「悲しきチャンピオン芸人」という括りの回が放送されるということでね。

賞レースで優勝したのにいまいち人気のない芸人を集めた回で、以前メンツは違えど『ナカイの窓』で似たような企画をやってましたね。

同じ賞レースで優勝したのに、なぜこんなに差が生まれてしまうのか。チャンピオンとか関係なく、むしろチャンピオンになれなかった人がなりがちな一発屋と、その一発屋では終わらなかった芸人との違い。そういう売れる売れない問題について、ホットな話題になるであろうこの機会にまとめておきたくてね。

 

とはいえ、「これが売れる芸人の方程式だ!」とか、熱い展開を期待されても困るのでね。「こんな共通点あるんじゃな~い?」くらいで見ておいてもらえると助かります。「そういう目線で見たらなんか面白くな~い?」とか。そういうブログです。

 

まず一つ目に「イメージに合ってるか」。

今年の初めに千鳥がオールナイトニッポンを務めた回があって、その放送のネタメールから囲碁将棋の話題になった時にノブが言っていた「見た目合ってる説」と共通する部分が多々あるんですが、むしろ聴いた時に「それじゃー!」と、「それじゃノブー!」と叫んだほどですが。叫んではいませんが。

その「見た目合ってる説」に沿ってお話すると、ノブ自身だと昔は「ワシは浜田さんじゃー」くらいの雰囲気でツッコミをやっていて、それが自分の顔と合っておらずスベり散らしていてやがて自分の情けない顔に合ったスタイルを見つけて世に出て行ったとのこと。それが囲碁将棋だと背が高いのに細かいお笑いをやってるからなかなかイメージに合っていないと。大悟も「あれくらいでかかったらとんねるずさんくらいやらんと」と話していた。

そういう、見た目のイメージとやっている芸風が合っているかというのは割と重要だと思います。

 

二つ目「自分に合っているか」。

一つ目と同じようなことになるのですが今度は内面ですね。性格とでも言いましょうか。要は無理をせずにやっているかってことですね。意外とそういうのって気がついたりするもんね。

おぎやはぎなんかがその最たる例でしょうか。落ち着き払った無理のない芸風は、デビュー1年目から夏休みを取っていたというマイペースさあふれるエピソードとも合致しますね。

 

三つ目「キャラとのギャップ」。

これなんかはもう先の二つの合わせ技一本って感じですが、ある程度世間に認知されるにはキャラ付けみたいなものがやっぱり手っ取り早いものだけど、そこに上記の二つとのギャップがあればやっぱり違和感というのが感じられる。

例えば平成ノブシコブシの吉村がブレイク前に破天荒なキャラクターを前面に押し出した漫才をやっていて、それはそれで面白かったのですが、吉村が頭角を現したのはもう少し後で「こいつ破天荒なんてキャラでやってるけどホントは真面目なヤツ」みたいなイジられ方をされ始めた頃だと思うんですよ。

正直、そういうイジられ方をされるまでに破天荒漫才をテレビで見ることはほぼ無かったし、破天荒キャラが定着していたとは言い難かったのに、そこをすっ飛ばして受け入れられたのは「破天荒なキャラクター」よりも「どこか無理をして破天荒というキャラを演じている」というのが見た目と性格にガッチリハマったからではないでしょうか。

 

以上の3つを踏まえて。そう、いつもだったらこれで適当にまとめて「ほなねん」と去るところですがこのお話はここからが長い*1

 

 

ここで冒頭の「同じ賞レースを制したのになぜ差が生まれるのか」、「一発屋と生き残る芸人の差は何なのか」に戻ります。

まず簡単にイメージから入るのですが、同じ賞レースでも『キングオブコント』、『R-1ぐらんぷり』で優勝した芸人よりも『M-1グランプリ』で優勝した芸人のほうがブレイクする傾向があるとは思いませんか。

今回の「悲しきチャンピオン芸人」に銀シャリパンクブーブー。以前の『ナカイの窓』の「チャンピオンなのにSP」に笑い飯とこちらにもパンクブーブーが出てますがその3組でさえ(他のチャンピオンなのに人気のない芸人よりも)それなりに顔は知れているように思える。

 

ではなぜそんなイメージ、もしくは事実として差があるのか。それは漫才とコント・ピン芸というものの特性にあると思うんですよ。

バカリズム原案・主演・一部脚本のドラマ『住住』の収録前、バカリズムに同じく主演のオードリー若林が「演技ができるか不安」と打ち開けたところ「漫才師は自分という人間を演じている。若林くんはそれが極めて上手いから大丈夫」……みたいな、だいたいそんなことを言われて「なるほどな」と思ったということをラジオで喋っていたんですね(うろ覚えだけど)。

つまり、コントよりも漫才のほうが「自分の濃度」みたいなものが多いと思うんですよ。コントだとどこか「お芝居を見ている」というような壁を1枚隔てている分、ネタ見せではないバラエティ番組に出てきた際に漫才のほうがネタと素の自分とのギャップが少なく一歩二歩早くお茶の間に受け入れられるのではないでしょうか。

加えて、クセツッコミパンデミックの回*2でも言った通り、クセのあるツッコミを持っているとフォーマットが完成されているので平場で重宝される。そういうツッコミはやっぱり漫才から生まれることが多いというのもあるでしょう。

そこで出てくるのがキングオブコントの優勝者の中で1番の出世頭であるバイきんぐ。それをここに当てはめると、小峠の「なんて日だ」というキラーワードツッコミがあって世の中に浸透していったのがひとつ。ネタの面でもバイきんぐのコントの基本フォーマットは奇怪な行動は言動をとる西村とそれを大声で怒鳴り散らす小峠という、本来の2人の性質を活かしたネタである。という、実は彼らはキングオブコント優勝者としては奇跡的なベストマッチで生まれたブレイク芸人なんですよ。

 

そして一発屋問題。これもこれまでのあれこれに当てはめていきましょう。

多くの一発屋髭男爵やHG、ギター侍などキャラもので出てくることが多く、やはりコントの場合ようにキャラクターとしての壁みたいなものがバラエティに出演するたびに出てくる。

そういう中でブレイクした当初から「一発屋一発屋だ」と言われていた小島よしおや、ホスト風一人コントで出てきた狩野英孝が、バラエティで一皮二皮剥いていくと意外とそのまんまのキャラクターだったり、意外とキャラクターが邪魔しなかったり、キャラクターとかそういうレベルじゃないくらいのものが出てきたりしてなんだかんだで生き残っているのを見るとあながち的外れでもないような気がしませんか。どうですか。オードリーの春日なんかも出てきた当初はとんでもないキャラクターが出てきたなというような感じだったけどラジオなんかを聴いていると、多少のデフォルメはされているものの、案外ああいう人だったりするもんね。

 

さあさてさて、書くのが億劫だった話題だけにやっぱり長々と書いてしまいましたが、「こんな目線で見てみたら面白くな~い?」とか言ったもののこんなのは寝る前の導入に考える程度にしといて売れる売れないに関係なく、テレビに出て賞レースに出て一定の評価を得るというのは並大抵の努力が必要なのは間違いないのでリスペクトしつつエンジョイしながら観るのが一番幸せだと、そんな落としどころに、してみたり。僕もキャラに合ったものを描いたり書いたりできてるか分かんねえもんな! ガハハ!

 

それでは。

 

*1:だからまとめるのが億劫だったんだわこれー。

*2:今考えてもとんでもないタイトルだな

colapoly.hatenablog.jp