べっかん

ヤマグチジロウの諸々の別館。

結局と終わっちゃった漫画のお話。

 

もう回りまわってですよ。そういう人間です。

以前*1「最終巻が出たり連載が終了したり終了がアナウンスされたりの情報が多かったので年末にまとめてもいいかもね」と言いつつ、その後*2あまりにも増えすぎたから無理だわと一旦諦めていたのですが、「条件を狭めればいけるんじゃないか」と思い立ったので「じゃあ5巻以内で終わっちゃったのを」というのが今というわけです。

いわゆる短命というやつでしょうか。その中でも「面白かったのになあ~」という気持ちが濃いものをセレクトしましたよっと。

 

CICADA

漫画が取り締まられ、見つかり次第燃やされてしまう世界を描いたディストピアSF作品。主人公が初めて漫画を読んだことで物語が大きく動くお話です。

うる星やつら』や『ケロロ軍曹』などの実在の漫画作品が多数登場するのが特徴で、その漫画の内容に勇気付けられたり、なぞらえた行動をとるのが痛快な作品。

尖がった設定と内容に荒々しい作画で楽しみにしていたのですが、多くの伏線を残したまま第一部完。といいつつも慌ててしまいこんだような幕引きで、第二部があるのかどうかがビミョウなところなんですよね……。

 
CICADA(1) (ビッグコミックス)

 

BLACK TORCH

昨年末のオススメ*3でも取り上げたいかにも王道といったストロングスタイルのアクション作品。

バチボコに絵が上手くて「勉強になるなあ」と楽しみにしていたのですが、一つの山場を乗り越えたところでこれからも物語は続く……的に終了。この辺り膨らんでいきそうだなあとか、この辺の深いところなんかありそうだなあとか、いろいろと未消化のままのものもあったので残念でした。

 
BLACK TORCH 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)

 

ジガ-ZIGA-

少年ジャンプには珍しい巨大怪獣もの。作品の連載立ち上げも「今までなかったよね?」的な感じで進められたっぽいですね。その際に「怪獣ものならこの人!」ということでできあがったのがこの作品というわけらしいです。

その言葉通り、怪獣が迫り来るところや攻撃の迫力は凄まじいものがあります。

残念ながらジャンプでいうところの短期打ち切りになってしまったのですが、後半にかけての追い込みと一瞬だけ巷で人気を集めた「命令者」ちゃんをはじめとしたクセのあるキャラクターが多くいただけに、こんなに早く終わってしまうのはすごく惜しい作品でした。

 
ジガ -ZIGA- 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)

 

アヤナシ

地上に蔓延る化け物のせいで人間が地下での生活を余儀なくされている世界で、唯一その化け物に対抗できる術を持っている「アヤナシ」。その「アヤナシ」の中でもはぐれ者な少年・ホロが主人公のダークファンタジー

こちらもまぁー絵がバチボコに上手い。なんか今回そんなのばっかし。でもまぁー上手い。

『ジガ-ZIGA-』でもそうだったんですが、少年誌でこういうダークヒーロー的な作品はウケにくいんですかね。

 
アヤナシ(1) (月刊少年マガジンコミックス)

 

TAMATA

カフェ・夕飯をひとりで切り盛りするウェイトレス田俣澄がカフェに起こる様々な問題をちぎっては投げちぎっては投げを繰り広げるドタバタコメディ。

……のはずだったのですが、早々と路線変更をして謎の組織に立ち向かうことに。その後もなんだか迷走している間に終わってしまった。といった印象の強い作品になってしまいました。

 
TAMATA 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)

 

たのしいたのししま

デビュー前から大好きでもはや名前で買っている作家さんのひとり、大沖さんの初少年誌作品。

お馴染みのシュールな内容に、自身の島育ちの経験が交じり合った妙なほんわか感がたまらないほんわか作品。広島の島がモデルになっているので随所に広島弁が出てきて個人的にもほんわかです。広島弁漫画でも括れそうな。

そんな感じでほんわかしながらも山場をほんわか乗り越えてほんわか終わっていった感じです。大沖さんのテイストで島暮らしをどんな風に表現するのかが楽しみだっただけにもう少し見たかったなあ、といった感じです。

 
たのしいたのししま(1) (週刊少年マガジンコミックス)

 

以上です。なんだか身につまされる感じもしますが、絵の上手い人も多いので次回作に期待大ですね。

 

それでは。