べっかん

ヤマグチジロウの諸々の別館。

オススメと漫画2019冬のお話。

 

桜、咲いてんとちゃいまっか。

さて、お馴染みのオススメ漫画列挙シリーズです。これをやると季節の変わり目って感じがしてくるほどお馴染みになりましたね。僕の中で。今シーズンはなんだかいろいろ出たしいろいろ買ったので5個に絞るのが難しかったです。

そんなわけで2019年1~3月に新刊が発売された漫画の中からピックアップ。最近新しい本棚を買ったのでほんの少し余裕ができました。毎度の如く面白い順とかではなく、打順みたいなものです。

 

サマータイムレンダ

幼馴染である潮の死の報せを受けて2年ぶりに地元・和歌山の日都ヶ島に帰って来た慎平。家族や友人との再会、潮の葬儀と忙しく時間が過ぎていく中で起こる島の異変、潮の死の謎、そして島に古くから伝わる影の病の話。様々な謎が複雑に絡まりあったホラーサスペンス漫画。

そんなホラーサスペンス要素にミステリー、怪異、タイムループなど、その手の物が好きな人にはたまらない要素がてんこ盛りの作品です。

 
サマータイムレンダ 1 (ジャンプコミックス)

 

ブルーピリオド

傍から見ればただの不良だが世渡り上手で成績優秀、スクールカースト上位という所謂リア充の矢口八虎がふとしたきっかけで美術に目覚め、本気で美大を目指す熱血スポ根美術漫画。

もう、美大受験をスポ根形式で(実際そうらしいが)描くというストーリーだけでもかなりの高揚感にかられるわけなんですが、それだけに飽き足らず主人公やその周りの人物が生み出す作品を本物の美術学生の作品を用いているというリアルさと、その表現を実現させる最新の印刷技術が圧倒的な熱量を演出していてあらゆる部分からビリビリとパワーを感じる作品です。

 
ブルーピリオド(1) (アフタヌーンコミックス)

 

天国大魔境

それでも町は廻っている』の作者・石黒正数さんの最新作。

『この漫画がすごい2019』のオトコ編第一位なので、今さら言立ててオススメするものでもないのですが、僕自身が石黒正数さんが大好きなので仕方がないのです。

未曾有の大災害で文明が崩壊して15年が経った世界が舞台。外の世界から隔離された孤児院のような施設で不自由なく暮らすトキオと、外の世界で荒廃した町を渡り歩くマルとキルコの二つの視点で描かれる物語。

石黒さん曰く「どうしても紺先輩(それ町に出てくるキャラクター。石黒さんの他の作品にも似たようなキャラクターが多く存在する)顔のキャラを出してしまう」、「大友克洋の影響を多大に受けているので、どうしてもその影響が作品に出てしまう」などといったものを逆手にとって「ならば隠さずに大々的にやってしまおう」といった世界観がこの『天国大魔境』。なので、その趣味・嗜好が存分に発揮された濃度の高い作品です。

 
天国大魔境(1) (アフタヌーンコミックス)

 

ジーノイズ

住み込みでマンションの管理人として働き、それ以外は趣味で音楽を奏でるだけのシンプルな生活の繰り返しに生きる清澄。そんな清澄の生活にバンドマンに恋する女・潮が現れたことにより、清澄のシンプルな生活は激変する。

「すきなもんいっこあればいい」という清澄の性格やPCとスピーカーだけで作る音楽スタイル、演奏動画がTwitterで拡散されて物語が動き出すといった現代的な要素が散りばめられた新しい音楽漫画です。

 

 
バジーノイズ(1) (ビッグコミックス)

 

空電ノイズの姫君

イエスタデイをうたって』などの冬目景の最新作。

ミュージシャンの父親と二人暮らしで凄腕ながらずっとひとりでギターを弾いていた磨音。転校生の夜祈子、プロを目指してギターを探している大学生バンドと立て続けに出会うことで新たな世界へ飛び出していく。上記の『バジーノイズ』とは打って変わって人間臭さあふれる音楽漫画。

実は最新巻の3巻で一旦終了なんですが、紙媒体での掲載にこだわって新たに『空電の姫君』としてイブニングに移籍するとのこと。その辺もなんだか人間臭さを感じますね。 

 
空電ノイズの姫君 (1) (バーズコミックス)

 

以上です。なんだか縦軸として潮というキャラクターとか濃度の高い作品とかノイズとかいろいろと共通箇所がありますね。そんな冬だったってことですよ。よ?

 

それでは。