べっかん

ヤマグチジロウの諸々の別館。

床とM-1グランプリ2021のお話。

 

皆さんどうですか、年末してますか。それより僕とM-1グランプリ2021、振り返りませんか。

さてさて、僕はというと今回のM-1は永遠の大好きお笑い、マヂカルラブリーが優勝したお陰で去年までとはまたちょっと違う雰囲気で「マヂラブ頑張れ!」「ウケてくれ……!」「えみちゃん待っててねー!」みたいな変な緊張感はなく、それでも本番が近づくとやっぱりそわそわする。そんな感じ。特別感はありながらも割とフラットな目線で笑えた大会でしたね。

なのでフラットに振り返っていこうと思います。よろしくどうぞ。

 

「治安が悪い」(ユウキロック)

「全員曲者」(クイック・ジャパン)

「地下のカリスマが全員出てきたみたいな」(アルコ&ピース酒井健太)

という今までに例を見ない言葉で表されるほど変わり種のコンビが勝ち上がり、大荒れの気配をお笑いファンの誰もが感じていたであろう今回大会。

参加総数は過去最多、去年よりも1000組ほど上乗せした6017組。これは地下ライブから這い上がって優勝を果たしたマヂカルラブリーと、ピン芸人同士のユニットとして最終決戦まで勝ち上がったおいでやすこがの影響が強かったからでしょう。その結果「地下のカリスマが全員出てきた」と評される決勝メンバーが出揃ったわけですから、地下芸人たちそれぞれが奮起した結果とも考えられますね。


そんなこんなで始まった本番。オープニングの煽りVでは滝音のさすけが首をクイッとさせながら真剣な表情カメラを横切っていく姿がかっこよかったので、煽りV-1グランプリはさすけの優勝です。

 

1組目 モグライダー

三連単の一着に選んでいたので正直「うわ〜〜〜」となってしまいましたね。フラットな目線とは。

いやいや、でもモグライダーは割と早いうちからライブシーンでは実力が認められていたコンビで、それが前評判も良く念願の決勝進出なのだから期待せざるを得ないというものですよ。そうでしょうよ。

あ、内容ですね。めちゃめちゃ面白かったです。審査員のコメントでも言っていた通り、ちゃんとした実力の上にしっかりとした構成のネタをやり始めた。それでもともしげのバカさ加減は失われず、芝のツッコミとモノマネ(?)のマルチタスクでありながらもトチったともしげを的確にツッコめる進化したモグライダーが見れた気がします。

 

2組目 ランジャタイ

今回のM-1で放送前から一番話題を呼んだのは間違いなく彼らでしょう。決勝進出者発表の際に「M-1グランプリ」を押しのけて「ランジャタイ」がトレンド1位になるなど、お笑いファンからの期待と不安と「マジかよw」という笑いを巻き起こすほどの珍事。ランジャタイ単独でも記事も一番多かったんじゃないですかね。

内容、日和らず完璧にやりきったの一言でしょう。ちゃんと笑いはあった上で、ちゃんと低評価での最下位。出番二番目は当初早すぎると思ってましたが、振り返ってみれば暫定ボックスで巨人師匠のパネル芸を披露できて話題を呼んだうえでの貫禄の最下位という結果だったのでこれをするには1、2、3番目でしかできなかったというプチ奇跡が起こしたランジャタイにとってのベストパフォーマンスだったと思っておきましょう。
しかしながら去年の敗者復活戦といい、ランジャタイが真剣に優勝を取りに分かりやすいネタを選んでるのが分かりますね。風が強い日に猫が飛んできて、その猫が耳から頭に入ってきて操られて将棋ロボになる、分かりやすい。ラーメンの寸胴からT.M.Revolutionが出てくるよりもよっぽど分かりやすい。


3組目 ゆにばーす

正直、個人的にM-1の舞台でどういう姿を見せてくれるのかと期待していた二組が早々に終わってしまったので拍子抜けしながら観てました。

審査員の言うとおり技術的に発展したゆにばーすの漫才で、ランジャタイが散らかした流れをキュッと締めてくれた印象ですね。ただまあやっぱりかなりの散らかりようだったのでこじんまりと見えてしまったのが敗因ですかね。本人たちもなんでハネなかったのか分からないって(打ち上げ生配信で)言ってましたもんね。

 

4組目 ハライチ

敗者復活戦から勝ち上がったハライチ。4年ぶりのM-1参戦、ラストイヤーで注目されていたので有終の美と言ってもいいでしょう。敗者復活戦でも全体的に飛び抜けるコンビがいない中、安定感を見せつけていました。

内容は今までのイメージにない岩井が暴れまわる漫才。今回の出場を決めたのもも、もちろんネタ作成も岩井でしょうからこれを決勝の舞台で最後にやりたかったんだなあと。審査を受けている時点でやりきった感はありましたね。

 

5組目 真空ジェシカ

東京のライブシーンでは前々から鋭いボケのセンスのあるネタで有名だったのですが、個人的には見た感じ鋭すぎていたり扱う題材がニッチだったりとウケる範囲が狭い印象だったんですね。

決勝のネタは鋭いボケはそのままにシチュエーションも分かりやすく、ツッコミのフォローも的確でかなりブラッシュアップされてるのを感じました。手の内がバレると……みたいな漫才ではないので今後のM-1での活躍が期待できるコンビですよね。

 

6組目 オズワルド

今大会の大本命。笑御籤で引かれた時点で出番順も相まって「あ、決まったわ」と思わせるほどの大本命。

内容はボケの畠中の淡々と繰り出される狂気じみたボケを主体にしつつ、「これがゼロか……」のようなオズワルドらしいツッコミも健在で爆発を待っていた会場の空気を一気に持っていきましたね。

 

7組目 ロングコートダディ

独特ながらとっつきやすい世界観は漫才でも発揮されつつ「肉うどん」をキラーワードに持ってくるのは面白かったです。

オズワルドの波に乗ったものの、審査員からの指摘もあった通り無駄にあっちこっちいったりする感じがコントっぽかったというのは感じましたね。それでも2本目をやるならばまた違った世界観を出してきたでしょうから、それは見てみたかったですね。あと最後のワードが「ワゴンR」に決まるまでの変遷は打ち上げ配信でも言ってましたが、それを考えるのは楽しかっただろうなと思いますね。

 

8組目 錦鯉

正直、昨年の決勝はメイプル超合金やトム・ブラウンみたいな枠だと思っていたので、2年連続は驚きましたね。逆に言えばその時点で目をつけておくべきでしたね。ダブルで申し訳ない。

この1年で露出も増え、二人の(主にまさのりさんの)キャラクターを理解したうえでのひたすらバカなネタはもう笑うしかないですよ。そう考えると手の内晒して新鮮味が薄れるよりも、むしろキャラクターが分かったからこそ深みが増した感じがしますね。

 

9組目 インディアンス

今回の10組の中では一番思い入れのあるコンビ。いつぞや記事も書いたので*1ね。

4分間の中に「東京行ったんだってな」と「楽天モバイル」という2つのキラーワードを入れ込む強さはやっぱりインディアンスの手数の多さならではだと思います。

『くりぃむナンタラ』での「型を破りたい相方たち」で田渕をボケさせないように強く出たはずが余計に調子付かせてしまって企画としては変な雰囲気になってしまったくらい、ツッコミのきむが調子がいいと田渕もノッてくるらしく、それを踏まえて見ると今回は特にきむの本気で止めにかかってるような場面が多かったように思えます。

 

10組目 もも

三連単ではインディアンス、モグライダーとこのももを選んだんですよ。去年か一昨年の準々決勝動画を見て気になるコンビだったので期待も込めて。

振り切ったテンポのいい行ったり来たりのボケとツッコミは癖になります。〇〇顔以外にも面白い漫才をしてるので今後意識して追っていきたいコンビですね。

 

そんな死闘の中ファイナルラウンドに進んだのはいずれも連続出場の3組。

インディアンスは1回目に比べてちょっとぎこちなかった感じはありましたかね。手数の多いネタをこんなに短いスパンで全力でやるのはさすがにねぇといった感じ。

錦鯉はさらにパワフルに。隆さんのセンスも光りつつ、バナナの罠に3回も引っかかるのはまさのりさんにしかできないボケでした。

オズワルドは、インディアンスの手数の多さと錦鯉の一撃のでかいボケの後としてもその日の13本目のネタとしても少し小難しいネタだったのかなと。これまでの対策材料もたくさんある中でそれでも上手くいかないというのは、改めて1本目と2本目の兼ね合いって難しいんだなと。

 

そして優勝は錦鯉。THE WのオダウエダやR-1のゆりやんの優勝を見ると「今、バカがきてる」!?

まさのりさんの前コンビのマッサジルなんてオンバトで見てたくらいですからね。その影に隠れてるけど隆さんも東京NSC5期生でピース、大阪校ではキングコング山里亮太、ダイアンという旧M-1を沸かせた人たちと同期なんですよね。それでいて去年よりもしっかりネタを鍛えてやってきて最前線で戦って優勝というのはものすごい偉業だし、最年長記録はほぼアンタッチャブルレコードでしょう。

 

という感動と祝福がいつもより多く感じた今回のM-1グランプリ。やるごとに新たな一面がありますねぇ。

それにしても、2位通過のボケが床に寝たら優勝する流れもきてますね? きてませんかね?

それでは。

 

 

*1:いつぞやとは3年前のことである。

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オススメ漫画と2021年夏のお話。

 

 

個人的にいろいろあった2021年夏。今回もオススメしていきたいと思います。

というわけで、2021年7~9月に新刊が発売された作品の中からピックアップしてオススメしていきます。

毎度のことですが、面白い順とかではなくて打順みたいなものです。

 

ジャンボマックス

小田原で薬局を営み、美人の妻とその連れ子である娘と共に幸せな日常を送っていた主人公の曽根建男。しかしある日妻から妊娠を打ち明けられ、今まで一度も下半身が機能したことがないという秘密を抱えている建夫は妻の子は自分の子ではないと絶望してしまう。
そんな時、須磨岡という男から謎のED薬を貰い受け、衝動的にその薬を飲むと下半身に今までの人生にないような衝撃を受ける。建男は残り少ないこの薬を自分が再現し、自分と同じ境遇の人のために増産していくと宣言。それは建男の人生を大きく変える危険な日々の入り口だった……。

ラジオパーソナリティーが「主人公が自分に似てるし面白い」と取り上げていたことから手に取ったのですが、思った以上に似ている……。高橋ツトム作品は『スカイハイ』シリーズ以来(『ギターショップロージー』を先に紹介してしまいましたが……)なので「そうそうこんな感じ」と楽しんでいます。他作品を知ってるからこそ、とんでもないところに転がっていってしまうのではとワクワク半分ハラハラ半分で読み進めてしまいますね。既にもう一段階転がり始めてるし。あ、アメトーークでも大々的に取り上げられましたね。

 
JUMBO MAX (1) (ビッグコミックス)

 

アイテルシー

主人公の女性刑事・相生りさはある事件をきっかけに、犯罪者に対して恋愛感情を抱くようになってしまう。そんな愛し犯人のためならどんな危険な、時には犯罪的行為をも厭わずに接近し事件を解決していく……。

なんで僕が少年誌作品を手に取るとすぐに終わってしまうんだろう……。愛で事件を解決というあらすじだけ聞くと某氏の忌まわしき某作に似てるように思えますが、こちらの相生りさはかなりオフェンス系の愛で攻めてるのが面白いですね。犯人のキャラも過去の因縁なんかも垣間見えてたのでもう少し見てみたい作品でした。

 

アイテルシー 1 (ジャンプコミックス)


炎上ヒーローアコ

ストーカー、パワハラ、やらせ、パクリ、裏アカ……大炎上時代の世の中で、世を騒がす不届き者たちを罰する配信者"炎上ヒーローアコ"。彼女の洞察力やリスナーの協力で様々なケースの悪者を"炎上"させていく……。

勧善懲悪、とは少し違いますかね。毒を持って毒を〜って感じで、いわゆるメシウマな逆転劇を現代的な方法で展開していくストーリー。鼻持ちならない感じもありつつ、なにか裏もある描写もあって続きの気になる作品ですね。

 
炎上ヒーローアコ 1 (ヤングジャンプコミックス)


いいからしばらく黙ってろ

婚約者も、就職先も、住む場所さえなくなった主人公・富士。卒業直後の飲み会で見かけたチラシに誘われるように彼女がたどり着いたのはオンボロ劇場。開演間もなく起きたトラブルがきっかけで、社会のはみ出し者が集う小さな劇団"バーバリアン・スキル"と運命を変える関わりを持ってしまう。

いつぞや紹介した「まくむすび」が終わってしまって演劇モノの漫画を求めて彷徨った先がここでした。もう一つあるのでそれはまたいつか。演劇メインではなく裏側メインって感じですかね。そもそも崩壊寸前で舞台どころではないので。それでも原作の小説的な心情描写も含めてのめり込んでしまう作品です。

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いいからしばらく黙ってろ! 1 (BRIDGE COMICS)

 

地図にない場所

中1にして「人生終わった」と絶望する少年・土屋悠人。留守気味だった隣人の天才バレリーナ・宮本琥珀が怪我で引退、母親も亡くしたばかりで天涯孤独の帰国というニュースに「俺より終わってそうなやつが見たい」と回覧板を口実に訪ねる。思ったよりも絶望感はなく、むしろ天才バレリーナの影のない天然っぷりでバレエ以外はてんでダメ。生活のあれこれを手伝ってるうちに懐かれてしまい……。

こちらものめり込み度ではかなりのもの。何かを失ってしまった二人が何物でもないものを探しに行くという掴みどころのないものですが、それでも面白いのは漫画的表現や心情描写が綺麗だからなんだと思いますね。


地図にない場所 (1) (ビッグコミックス)

 

以上です。なんか縦軸探してみたら人生どん底の人だったり、どん底に落としたり、どん底に落ちていく人だったりの、別にそういうのが好みっていう意識はないんですがそうなっちゃいましたね。心象風景? いやいやそんなそんな。

最近眠れない時間を利用して積まれていた漫画をどっさり読むみたいな、いいのやら悪いのやらっていう感じでいろいろ読んでいるのでまだまだ面白いものに出会ってオススメすることができそうですね。

それでは。

 

オススメ漫画と2021年春のお話。

 

 

いやはや、「例の音楽談義を書き起こしてるからちょっとくらい遅れたっていいよね☆」とかまけていたら2ヶ月遅れですよ。1ヶ月後には次回更新が待ってますよ。どうするんですかこの机に積まれた漫画の山は。……まあ何とかなるでしょう。

それほど遅れても守っていきたいオススメ漫画を列挙するいつものやつです。今回は2021年4~6月に新刊が発売された作品からのピックアップです。

毎度のごとく面白い順とかではなくて打順みたいな感じです。

 

 

フランケン・ふらん Frantic

生物学者によって作られ、天才的な外科技術を持つ斑木ふらん。彼女の元には問題を抱えた依頼人が次々と現れ、現実離れした手術……と言うよりもはや改造で解決していくメディカルホラー作品。
このオススメ漫画の記事は基本5巻以内で選んでいるんですね。んでこれ、前作から数えると11巻目なのでアレなのですが、新シリーズでは3巻なので。木々津さんは名探偵マーニーを読んでからのファンなので旧シリーズは後追いだったんですが、リアルタイムで追えて嬉しい。前シリーズ同様、かなりスプラッタな話ばかりですが、時事などを織り交ぜて彼女らなりに解決していくのは読んでいて楽しいのでグロ系OKな人は是非。

 
フランケン・ふらん Frantic 1 (チャンピオンREDコミックス)

 

茨城ごじゃっぺカルテット

東京育ちの猿山ノブエは家庭の事情で茨城県坂東市に引っ越すことに。「茨城でナメられたら人生終わる」という勘違いから髪を明るく染めて新しい学校に登校したら逆に同級生たちにイジられてしまう。
茨城の魅力再発見というキャッチフレーズさながらに、茨城初心者(?)の主人公に地元同級生たちが茨城を紹介していくストーリー。ゆるくもありためになる話もありの楽しい漫画です。

 
茨城ごじゃっぺカルテット (1) (裏少年サンデーコミックス)

 

ショートショートショートさん

ショートさんは彼氏なし、仕事はまあまあ、趣味の小説投稿で一喜一憂。黒歴史やイタイ一面を抱えながら生きる日常漫画。
感情表現(顔芸)がエグく、創作やってる人は共感できたりできなかったりの爽快な作品ですね。一本一本が短いのでいろいろと勢いがすごい。


ショートショートショートさん (ビームコミックス) 

 

交換漫画日記

アイコとユーカは教室の隅で覗き込む一冊のノート。それは二人が交互に描き合う交換漫画。次々と新キャラが登場したり急展開の連続を起こしたり沈めたりの二人だけの世界を中心に揺れ動く二人の日常を描く青春作品。
「これこれ、こういうのよ!」と、1巻を手に取った時点でかなり湧き上がったものです。お互いに内心を漫画に込めて戦わせるかのような演出は最高に楽しく、めちゃめちゃ絵の上手い第三者の乱入もあって最高の展開だなと。えっ?2巻で終わりなんすか?なんで!?

 
交換漫画日記(1) (シリウスKC)

 

ギターショップ・ロージー

金儲けは苦手だが、AC/DCとロックをこよなく愛し、お互いをアンガスとマルコムと呼び合う兄弟が営む店『ギターショップ・ロージー』。この店には名品珍品初心者向けまで様々な事情と背景を持ったギターが持ち込まれ、二人によって修理されていく。それぞれ一本のギターを中心に紡がれるヒューマンドラマ作品。
くぅ〜、イカす!主人公がお互いをマルコムとヤンガスと呼び合ってるだけでイカす!上記の通り、お客からの無理難題に確かな腕と義理と人情で立ち向かう職人気質なところがたまらなく熱い作品です。

 
ギターショップ・ロージー (1) (ビッグコミックス)

 

以上です。依頼人に応える漫画2作品に味の違う日常的な漫画3作品が挟まれるという構成になりましたね。仕方ないよそういう打線なんだもん。

しかしながら「交換漫画日記」が終わってしまったのはかなりガックシきましたね。こうなったら2巻完結で面白いのになー!っていう漫画を集めてみたいですね。言うだけなら何とかなるでしょうね。何とかなるでしょうで挟んじゃいましたね。

それでは。

 

【後半】2000~2021年僕らの邦楽アルバムベスト20のお話。

※この記事は僕らの「僕らの邦楽アルバムベスト20」の後半になります。前半はこちら。

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レギュレーション等については前半をどうぞ。それでは後半と言う名のトップ10の始まりです。

 

 

 

こばやん 10~6位

10位 見っけ/スピッツ

こばやんスピッツは本当に迷って、彼らは最新アルバムがベストなんだよ。このアルバムに関していうと、まず50代の人が作ったと思えない。悲壮感もあれば初期衝動みたいなものも感じるんだけど、ここで取り上げたいのは『ありがとさん』で。

これは死者への弔いの曲なのかなと個人的には解釈してるんだけど。死ぬっていうことってスピッツの中では結構テーマのひとつになってるんだけど、表現力がすごいなと思ったのが「いつか常識的な形を失ったら」っていう喩えで=死っていうことを表現してるっていうのが、この人は天才だなって。死をそんな風に表現できるってすごいなという風に思うし。この曲聴いてて、基本的には夫婦なのか長年連れ添った人なのか彼女なのか分からないけど、そういう人が亡くなった時の曲なのかなと取ることもできるし、聞き手によっては例えば親を亡くした人の曲にも聞こえるし、子供を亡くしてしまった親の曲にも聞こえるし。っていう聴く人を限定しないっていうところにスピッツのすごさ、草野マサムネの作詞家としてのすごさが表れてるのかなという。この『ありがとさん』だけはどうしても語りたかった。

あとアルバム通してで言うと一曲目ってすごく大事だと思ってるんだけど、スピッツの『見っけ』って曲はまるでエレクトリカルパレードが始まったのかみたいなイントロから始まって『優しいあの子』っていう、その入り口っていうアルバムの世界観を表してる一曲目っていうのがすごくいいのかなって。スピッツはいろいろ迷ったけど『見っけ』でしたと。

 

9位 星の出来事/メレンゲ

こばやん:これに関してはのすけに託されてるのかなと思うけど、このアルバムはもう初恋というか、アルバムを通して人が恋を覚えてからの成長していく過程っていう世界観が出ているのかなと。

この中で取り上げたい曲だと『すみか』。この前(名曲ベスト30)では『君に春を思う』を入れて『すみか』と迷ったって話をしたと思うんだけど。この『すみか』って曲は今付き合ってる彼女とドライブに出かけて海辺で穴を掘って砂の城を建てたっていう、砂場とかで子供の頃みんなやったんじゃないかと思うんだけど。サビ前で「向こう側とつながる手に触れて僕はいま気づく」っていう詞があるんだけど、この穴が繋がって手が触れたことで愛が生まれたよっていう表現のしかたがグッとくる。「あなたの事が好きで そう言える僕が好きで」っていうのは恋から愛に変わったっていう瞬間をこの『すみか』って曲はうまく表現できているっていう風に思っていて、これはトップ10以内には入れたいなと思いました。

『8月、落雷のストーリー』なんかもビビッときたのを落雷に喩えてたりね。

 

8位 スポーツ/東京事変

こばやん:これもすべては一曲目。アルバムって僕ら2010年くらいはまだまだ配信じゃなくてCDで聴いてたと思うんだけど、それって失敗できないからタワレコとか行って視聴するじゃない。視聴して、一曲目が良ければ買うのよ絶対に。

で、『生きる』は一曲目の大正解じゃないかなと思っていて、解散ライブの「Bon Voyage」のツアーの一曲目が『生きる』だったんだけど、ずっとこれでいいと思ってたもんね。一曲目は。もう東京事変のライブじゃなくても『生きる』が一曲目だったらいいじゃんっていう。それくらい一曲目の正解を出したんじゃないかなと思って『スポーツ』はやっぱり順位も高くしちゃったかな。あと『閃光少女』で締めないっていうのもいいよね。

きょろ:わかる。

にっしー:あれだけ走りきったのにっていうね。

 

7位 女優姉妹/吉澤嘉代子

こばやん:これは夫婦で見せ合ってなくて、被った。吉澤嘉代子って、ずっとすごい不思議なシンガー、歌声で演技ができる人だなって思っていて。この『女優姉妹』っていうタイトルが出てきた時にこれは吉澤嘉代子を表してるなと思ってこれを選びました。俺は男だから分からないところもあるだろうけど、女性が何かしら経験したことのあるだろうなと。それを一曲一曲歌声で演じてるような感じがしてひとつのコンセプトとしてアルバムのまとまりが良いなと思って順位を高くした。

にっしー:『月曜日戦争』が「架空OL日記」の主題歌やったっけ。

きょろ:そうそうそう。

 

6位 風景描写/音速ライン

こばやん:これは俺が選ばなきゃ誰も選ばないだろうなと。『our song』の疾走感から始まって、『街風』あたりからの郷愁感。俺、ロックで郷愁感って出せないものだと思っていたけどこのアルバム聴いてガラッと意識が変わったというか。すごく懐かしい風景が聴いていて目に浮かんだっていうのがあって。この1曲目の『39』と12曲目の『×2×2』っていうのはほぼインストみたいな曲だから、まあ10曲くらいなんだけど何回でもリピートできちゃうなと。あと個人的な思い出を語るとすれば受験中ずっと勉強しながらこのアルバムを聴いてたんで、数式を覚えるよりもこのアルバムが身に沁みちゃってるくらい。

 

ジロウ 10~6位

10位 GANG AGE/PEOPLE 1

ジロウ:去年今年で一番聴いてたってのは間違いないバンドで。特にこのセカンドは『常夜燈』と『フロップニク』っていう2曲がYouTubeでも1、2番で回ってるっていうハネたアルバムだし。僕は『フロップニク』がおちゃらけてて好きなんだけど『常夜燈』のほうも途中、拍が意識的に足りなかったり、音がセオリーと違くない?っていうところがあったり、さっきのじゃないけど意識的に違和感を作り出せてる音楽的なバランス感覚が優れてるバンドなんだろうなと思って、これから成長にも、どんなことやってくるんだろうっていうのもものすごく期待できるバンドなので今のうちにチェックしといてください。

にっしー:面白い人たちよね。ほんと。

 

9位 シフクノオト/Mr.Children

ジロウミスチルで選ぶとしたらこれかな。この時期の『IT'S A WONDERFUL WORLD』、『I ♥ U』あたりを一番聴いてたっていうのもあるけど、でも『シフクノオト』が一番際立っているし、聴いてもいるし、印象にも残ってるし、『PADDLE』が一番好きだしで。

やっぱり最後の『タガタメ』『HERO』。あの2曲は最後にとんでもないものを残してくれたなって感じで、言ってみれば理想と現実みたいなメッセージ。それでいえばこの『シフクノオト』っていうタイトル自体も「至福」と「私服」、「の音」と「ノート」でかけてあって、「どっちを選んでもいいよ」っていうメッセージにも見えてくる。アルバム全体で君のやりたいようにっていうメッセージが詰め込められてるのを感じるアルバムです。

にっしー:軽さと重さのバランスがすごいというか、どっちもできるよね~。

 

8位 愛にのぼせろ/ミドリカワ書房

ジロウミドリカワ書房は『みんなのうた』っていうアルバムのシリーズがあったんだけど、それから脱却してここからコミックさを薄めてストーリーテリングみたいな曲をガンガン作っていく1枚目のアルバムで。この中では『銭湯の思い出』っていう曲がめちゃめちゃ好きで、「子供の頃行った銭湯で背中に刺青の入ったおじさんに絡まれて~」っていう展開の曲なんだけど、それが今までのコミカルなミドシンには無かった新たな境地なのかなというのを感じて、どれを一個一個聴いても面白いしどこかほんわかする。っていうのを感じる一枚です。

のすけ:うわ~、明日ミドシン聴こう。

 

7位 とげまる/スピッツ

ジロウ:やっぱり前回の『恋する凡人』がナンバーワンっていうのもあるんだけど。スピッツっていうバンド名自体が「小さいくせによく吠える」っていう意味がある。ってことは『とげまる』っていうのはほとんどセルフタイトルだなって思って。内容もその通りで『幻のドラゴン』『えにし』みたいなとげもいっぱいあるし、『若葉』みたいなまるもいっぱいあるし。これぞスピッツというか、とげとまるの差がある攻められたアルバムだなっていうのを感じた7位です。

にっしー:『えにし』ええよなぁ。

こばやん:とげまるもいいアルバムなんだよな~。LP買っちゃったもんね。

 

6位 ねむらない/髭(HiGE)

ジロウ:2015年のアルバムで、やっぱり髭っていうとさっきのこばやんも言ってたけどガレージのイメージが強いと思うんだけど、これを出す前の2014年にピロウズのトリビュートで『ストレンジカメレオン』をカバーしてて、「『ストレンジカメレオン』をやります」ってピロウズのメンバーに伝えた時ピロウズ側は「髭が歌モノやるの?」って思ったらしいんだけど、それで実際に聴いてみたら「これはすごいぞ」ってインタビューで言ってて。ドリーミーというか、浮遊感のある音でものすごく『ストレンジカメレオン』に合ってるアレンジをしてきた。その次の年にこの『ねむらない』を出したんだけど、それがここでも出ていて。

僕が一番好きなのは『闇をひとつまみ』っていう曲なんだけど、エコーとかコーラスの効いたふわふわしたケミカルな音作りがされていて、ガレージとかグランジとかの時代しか聴いてなかったら「今髭ちゃんこんなことやってるんだ」っていうのを恐らく感じるであろう、僕の今回のセレクトの縦軸である攻められたアルバムでいったらこの位置だなと。

こばやん:髭はめっちゃ迷ってた時期があったじゃん。バンドの表記をコロコロ変えたり。そのくらいからちょっと聴かなくちゃったんだよね~。

ジロウ:僕も正直離れてた時期はあったんだけど、アルバムくらいはさらっておこうかな~って聴いてみたらこういうのが出てきて。面白いことやってんじゃんっていう。結局今この感じには定着してないんだけど、こういうこともできるんだぜっていう幅の広さは感じたよね。

にっしー:『サンシャイン』とかも幅広かったけどそこからはあんまり掘れてなかったね。

ジロウ:改めて聴いてあげてください。

 

 

にっしー 10~6位

10位 FAB BOX/フジファブリック

にっしー:2004年からドラムを始めまして、やっぱりドラムの主張が強いアルバムが好きだなっていうのが20位からずっとだけど、ございます。『FAB FOX』は全体的な足立くんの活躍をもっと、彼は頑張ってたよということを言いたいというのと。

『モノノケハカランダ』を初めて聴いたのが髭とフジファブリックの対バンで、一曲目が『モノノケハカランダ』で。やっぱりつんざく山内総一郎ギターはかっこいいというのと、『地平線をこえて』とかのギャップかな。「どっちもできるな~」っていうのと。

前にバンプの『プラネタリウム』の時に「四畳半と宇宙を繋げる」みたいなのが好きって言ったけど、この中では『唇のソレ』でほくろについて歌って『虹』についても歌うこのレンジの広さが、やっぱり志村正彦は天才的で変態的だなっていうのが今でも聴いてて感動するなぁ。本当好きだなぁというところですね。

『環状七号線』の頃のおどろおどろしさというか、何をしでかすか分からん感じをセカンドでもキープし続けるっていう。怪しいバンドやなっていうのがずっとある。その怪しさが多分『CHRONICLE』までは引っ張れなかったんやろうなってのがあるんやけど、あの怪しさが今のフジファブリックにも欲しいなぁってところかな。何をしでかすか分からない正体不明なバンドって感じが好きですねぇ。

こばやんプログレを2000年代にこれだけやってそれなりにフィーチャーされるのはすごいことよね。

 

9位 ユグドラシルBUMP OF CHICKEN

にっしー:それで、ごめんなさい。アラサー殺し(笑)。このアラサー殺しはですねえ、最初に言った没入感、違う世界に連れて行ってくれる感じっていうのがアタマと締めでアコギのテーマがあって、そして3曲目に『乗車権』があって、やっぱあの曲で連れてかれるんすわ。バンプの世界に乗車してしまうんですよ。あのリズムが4/4拍子と2/4拍子を冒頭で繰り返して変則的なリズムで来るんやけど、あれがもう完全に電車の揺れに近いというか。それで完全に乗っからせるっていうテクニックがかっこいい。「異世界へのいざない」としては素晴らしい3曲目だなと。

 

8位 サンボマスターは君に語りかける/サンボマスター

にっしーサンボマスターもそれでいうと木内泰史もっと評価されろという。ドラマー木内泰史が実はサンボマスターの心臓なんじゃないかという説をここのみんなにも言いたくて。荒れてるバンドみたいなイメージがサンボマスターにはあるし。初期衝動、初期暴動ぐらいのイメージだと思うんやけど、実はその根っこにあるのは木内さんの正確無比な、どんだけ客が暴れようとも崩れない強固なリズムがあるからこそ山口さんが暴れられるというところにもっと注目して欲しい。

それで、サンボマスターのベストの話になっちゃうんだけど、その時に『そのぬくもりに用がある』をいろんな各地で10年分集めたらテンポがぴったり揃っちゃいますっていうのがあって、同期なしであれができるって異常者(笑)。フェスだろうがクアトロだろうがフジロックROOKIE A GO-GOだろうが、あれができちゃうって木内さんは実はとんでもないテクニシャンなんだっていうことがもっともっと伝わればいいなぁってとこですね。

のすけ:生のドラムでBPMがズレないってえげつないっすね。

 

7位 ファンファーレと熱狂/andymori

にっしー:これはもう、後藤大樹天才!ってところですね。セカンドで燃え尽きてしまったなというとこもあるんやけど、やっぱサードが聴けない(笑)。後藤大樹すげぇなということですね。

きょろ:それな!(「後藤大樹天才!」あたりからずっと「それな!」を連発していた人)その観点はまったく一緒。

にっしー:『Transit in Thailand』とか『SAWASDEECLAP YOUR HANDS』とかのあのドラムは他の人がやったら冷めちゃうんよね。で、木内さんにも近いんやけど、ものすごい正確なことを全身全霊を込めて叩いてるからこそフェスだライブだで盛り上がる。逆に『FOLLOW ME』とかはあえてBPMを上げで崩すということもできるのはちょっともったいないなっていう。

こばやん:『革命』もいいアルバムよ!

にっしー:いいんやけど!分かるんですよ!もうちょっと聴きたかったなっていうね。

きょろ:わかる(「わかる」を連発してた人)

 

6位 スポーツ/東京事変

にっしー:今度は刃田綴色です。

こばやん:好きなドラマートップ10だっけ?

にっしー:それでもいいと思う(笑)。この中で僕が語れるといったらドラムなのかなって。

で、やっぱ『電波通信』を生で聴いちゃうとね、エグい。バンドの五角形っていうのがあるとするとこの5人は上手いんやけど上手さよりもかっこいいが勝つ。プロのミュージシャン、プレイヤーの最たるものが『電波通信』なのかなと。「お前がキーボード弾くんかい」「ギター弾くんかい」みたいな、ライブでの魅せ方。

あとこばやんが言ってないとこで言うと、最後の『極まる』っていう曲が去年のオンラインライブでも最後の曲になってて、あのアウトロでスモークを焚いて、焚いてるうちに彼らがフェードアウトしていくっていうのを「ウルトラC」っていうアルバムツアーでもやってたんやけど、あの去り方ができて様になるのは東京事変しかいないのかなって。

こばやん:『スポーツ』が被ったのは嬉しい。

 

きょろ 10~6位

10位 ぶっ生き返す/マキシマムザホルモン

きょろ:このアルバムの何がすごいって、皆さんマキシマムザホルモンって何歌ってるか分からん、歌詞が分からないなどの感想をお持ちだと思いますが。まさかそんな訳の分からないバンドのこのアルバムにタイアップ曲が3曲も入ってるというのが世間的に面白いということ。『恋のメガラバ』からマキシマムザホルモンは転換期というか、マキシマムザ亮君のメロディ力というか作曲力、構成のすごさが世間に知れ渡った一枚。

 

9位 Lives By The Sea/Gotch

きょろ:今年の3月発売なんですこのアルバム。ゴッチは常々「バンドはラップには敵わない」というようなことを公言してるんですけど、このアルバムの中ではラッパーの方とコラボをしているというとこだったり。今の世の中にもっと希望持っていいんだよということを言っていたり。

そしてこの中に、これを広げだしてしまうと朝になってしまうからやめとくんやけど、相関図というのが入ってて。その中にアジカンからの矢印の先にくるりがいてて、その矢印に例えばドラマの相関図とかだと「恋仲」とか「親子」とか書いてるけど、このくるりへの矢印には「同期の誇り」って書いてある。ゴッチにとってはくるりってそれだけでかい存在なんやなって。

他にもELLEGARDENとかストレイテナーとかが「こことここがコラボしてる」みたいなのがあって、もう一日中見てられる相関図が入っててっていうのも楽しめる一枚。

こばやん:買いたくなってきた(笑)

 

8位 I ♥ U/Mr.Children

きょろ:これは高校生の俺には刺さりすぎるMr.Childrenだったと思う。さっきのこばやんの『生きる』じゃないけど、オープニングがただただオープニング過ぎる。それしか言われへん。『Worlds end』、endとつきながらオープニングに持ってきつつあの曲の壮大な始まり。そこから始まってどう展開していくんだろうってところで、Mr.Childrenのアルバムの中に1曲はあるエグい曲がすぐに来たりとか。面白みがすごく詰まってるアルバム。中でも『ランニングハイ』を音博の会場で聴けたのがすごく、すっごぉく嬉しかったですね。

にっしー:音博で『僕らの音』が聴けたのは僕も良かった。

 

7位 初恋/宇多田ヒカル

きょろ:暗いとこもありつつ。着目したのが『あなた』で、その年一番すごい曲だなって。歌詞を読んでて共感する部分ももちろんあり「ようでけたぁるこの歌詞」って。

こばやん:新しい薬の名前?

きょろ:ヨウデケタールが配合されているので(笑)。

こばやん:俺もこれその年の1位に選んだんだよな(こばやんはTwitterで毎年その年のランキングを年末に発表してくれます)

きょろ:そう、こばやんのそれを見て同じこと思ってる人、やっぱりいると思って。やっぱり間違いないなこの曲はと。すごく刺さる曲でした。

 

6位 POP VIRUS/星野源

きょろ:これはねー、星野源最強って。

ギャラリー:はいはいはいはい。

きょろ:意外とこの『Pop Virus』っていう曲が短い。っていう部分と、一回聴いただけではピンと来んかったけど二回三回と繰り返すと、ぐっとくるものが多い。曲の流れが素敵。で、最後の曲やのに『Hello Song』を「こんにちは!」っていうのを持ってくる。それがこのアルバム全編通して潔い曲が多いなっていうのを感じた。潔いアルバムというか。今星野源という人間ができることを全部惜しげもなく出してて。このアルバムだけがすごいんじゃなくて、この次に続いていくシングル曲たちがこことはまったく違う次元にあって、それを踏まえて現段階、今日までの星野源の一番はこれにせざるを得ない。

こばやん星野源は2人選んでるけど、黎明期より最近のやつって感じなんだね。

きょろ:ベスト30決めた時も言ったけど、面白いをどんどん更新していく人。他のバンドもだけど面白いをどんどん更新してる人を今もずっと変わらず聴いてることが多くて、星野源はその中でも筆頭。いつも思いもせんかった角度から殴られるというかね。

 

こばやん(妻) 10~6位

10位 卒業アルバム/ガガガSP

こば妻:めっちゃ聴いてました(笑)。

きょろ:どういうこと?ってなってる。

にっしー:今日出ないと思ってた名前やから。

こば妻サンボマスターとか意外と暑苦しいのが大好きなんで。

 

9位 5人のエンターテイナー/東京カランコロン

こばやん:このアルバムは俺も好き。

こば妻:けっこうラジオとかでも流れてたから。

 

8位 君によく似た人がいる/関取花

こば妻関取花ちゃんもすっごいもう、泣けます。

こばやん:『もしも僕に』はいい歌だよね。アラサーとかに刺さるよね。

 

7位 醒めない/スピッツ

こば妻:初めてスピッツのライブに行った時のアルバムで。

こばやん:まだ付き合う前でね。結婚式でも思い出のCD3選みたいなのに選んでて。

 

6位 光/andymori

こば妻:私は『光』を選びました。すごく印象的なツアーだったので。

 

さとるんキッズ 10~6位

10位 REAL/L'Arc~en~Ciel

さとるん:僕、実は兄弟の影響で小学校6年生までL'Arc~en~Cielしか聴いてませんでした。初めて買ったアルバムも『ark』『ray』でL'Arc~en~Ciel一本漬けみたいな感じで。

それまでの『ark』とか『ray』では浮世離れじゃないですけど、そんな曲が多くて。『REAL』になると現実味を帯びた曲っちゅうか、そんな曲が増えてきたかなっていうターニングポイントで。『STAY AWAY』とか『NEO UNIVERSE』とかありますけど、その他の曲でも現実味を帯びたいい曲も多かったんで影響大きかったと思います。

 

9位 NITRO MICROPHONE UNDERGROUNDNITRO MICROPHONE UNDERGROUND

さとるん:これは僕がズブズブのヒップホップというか、アンダーグラウンドのラップ漬けになる影響を受けた一枚です。今のR-指定とか般若とかありますけど、その中でも影響が大きかったのはNITROですねぇ。

8人組MCなんて今まで聴いたことなくて、さらにアンダーグラウンドのコアのコアで。これ以上ねえなっていうくらい。ナイキとコラボしてたりもあったけど、やっぱり最初のアルバムが影響大きくて。今1人抜けちゃったんで、やっぱ今後残すとなるとこのアルバムは残したいかなということで。

 

8位 分離派の夏/小袋成彬

さとるん80KIDZの絡みで小袋さんと知り合って、面識はちょっとあるんですけど。フューチャリング宇多田ヒカルの曲があって。ファーストアルバムで1曲目と途中の曲が小袋さんの知り合いのインタビューが入ってるんです。それを売り物にするってすげえなーって思ってて。その途中のインタビューの曲が多分みんなに刺さるんですよ。社員証SUICA代わりピッとかざすとお茶とかの飲み物が出てくるみたいな。それって「自分を浪費してお茶を飲んでるんじゃないか」って。それが刺さるんですよ。それを曲というか、曲の間に挟むっちゅうのはすげえなって。

フジロックの配信で小袋さんのライブ観て、やっぱボーカリストとしてもすげえなと思ってこの順位に入れました。

 

7位 AINOU/中村佳穂

さとるん:まあ、歌上手いよねーって。

にっしー:入れたくなるよねーこれは。

さとるん:グルーヴっていうんですかね、悲しい曲とか重たい曲でもノれちゃうっていうのは上手いよねっていうのと。最後のほうに「生きとし命ゴーゴー」みたいな「みんないけいけ!」みたいな曲があったり、AppleのCM曲にもなった『アイアム主人公』もあったりしてアルバム通して聴くと元気出たり、いろいろ思ったりする曲も多いので7位。

 

6位 POP VIRUS/星野源

さとるん:ジャケットが心臓の形してるっていうのも含めて、さっきにっしーの言ったように前作で完結しててこれからどうなるんだろうってところでNHKの朝ドラの主題歌になったりとか、紅白の曲でもいろんなアーティストとかスタッフとかをいろいろひっくるめて出したり。『アイデア』はPV含めて、この人の頭の中に入ってんだろうなっていうのがあって。

こばやんも言ったけど病気を通して怖いもの無しちゅうか、バンドも解散して一人になって、病気もやって、それでもやっていくっていうすごい強い意志っちゅうのを感じる。日本のポップスはいろいろあるけど、結局トップを走ってるのは星野源なのかなと思っちゃう。

みんなも観てると思うけど「サケノサカナ」で源さんと山口さんの配信を観てて、この二人すげえなーって思ってた一人なので、このアルバムはすごいですよね。『YELLOW DANCER』もすごいけど、その上を行くんだなあと。ウィルスって言っちゃってるんだよね、蔓延るっていうかねえ。

にっしー:感染力は高いよねえ。日本中に行き渡ったなっていうのはこのアルバム。

 

のすけ 10~6位

10位 イキルサイノウ/THE BACK HORN

のすけ:これはアルバムとして聴かなきゃいけないですね。こんなネクラなゴミみたいな中高生は聴かなきゃいけなくて、ほんとに9曲目までボロクソ言うてて「世界の代弁者なんかな」っていうとこまでいってるんですけど、10曲目ラストの曲『未来』で全部ひっくり返すんですよね。全部光で包み込んじゃうっていう。僕このアルバムで「カタルシス」っていう言葉を覚えたんですよね。

きょろ:そういうのあるよな(笑)

のすけ:これはほんとにどうか、どうか世界中の僕みたいな暗いドブみたいな生活をしてる中高生に、最初から最後までちゃんと聴いてほしい。Wikipediaのあらすじを見て漫画とか映画を観た気になるんじゃなくて最初から最後まで全部聴いてほしい。もっと上に挙げたかったんですけどこの順位になりました。全部最後に持っていくっていう意味では強いアルバムだと思ってます。

 

9位 sakanaction/サカナクション

のすけサカナクションはここで自分たちがやりたいことと、自分たちがシーンの代表として、日本の音楽の頂上としてやらなきゃいけないっていうことを両方高次元で納めたっていうすごいアルバムだなと思ってます。

前回僕は1位『ミュージック』を挙げたんですけど、そういう曲しかり『Aoi』とか『夜の踊り子』とか。そういうのをゴリゴリのテクノミュージックで世に送り出すっていう。やっぱりそういうところがサカナクションらしいし、ほんとに高次元なことをやってるなっていう、やっぱりセルフタイトルを付けてるだけあるなって。力入ってる素晴らしいアルバムだなと思ってます。

 

8位 GAME/Perfume

のすけ:まだPerfumeがアーティストかつアイドルだった時代のアルバム。その両方が、さっきのサカナクションにも通ずるんですけどアイドルっていう一面とアーティストっていう一面それぞれの良いところを高いレベルでちゃんと交わらせたのがすごいなと思ってます。『ポリリズム』とか『チョコレイト・ディスコ』みたいな後世に残るような曲もありつつ『GAME』とかでアーティステックな一面を残してるんで。最後の『Puppy love』なんかはゴリゴリのアイドルソングなんですよね。これをみんなで「上下上上!」ってできる日を待ち望んでるなって。

こばやん:俺のすけとサマソニPerfume観たとき初めてかっこいいと思った。

 

7位 HELP EVER HURT NEVER/藤井風

のすけ:藤井風って僕らからしたら王道の人って見えるんですけど、多分今のシーンでこれって王道じゃないんですよね。ボカロ系とか歌い手とかが人気ある中で実は特異な存在なのかなって思いつつも、やっぱり地肩が強いというか本当に岡山の奇跡だなって思ってて。

曲聴くまでは色モノかなと思ってたんですけど、曲を聴いたら頭ブン殴られたような感じを受けましたし、全然日本の枠を超えてるなと個人的には思ってて。日本のポップシーンでいうと星野源とかが日本中に伝わる音楽をやってるし、米津玄師も素晴らしいアーティストだと思うんですけど、海外でタイマンでブン殴れるのは藤井風かなと思ってます。

この一枚で飽きられずシングルもクオリティ高いのをガンガン出してますし、2枚目3枚目といいアルバムを出していってほしいなと。日本の音楽界の希望かなと思ってます。

にっしー:メロディがね。美しいメロディ工場長よね。

のすけ:そうですね。それでたまに「そんなコード使う?」みたいなのもありますからね。岡山の田舎からどうしてこんなのが出てくる、同じテレビ観てるはずやのになって思います。

 

6位 HIGHVISION/SUPERCAR

のすけ:みなさん忘れてませんか、スーパーカー。今聴いて「今年出たアルバムです」って言われてもなんの遜色もないサウンドなんですよね。サウンドの面で言ってもかっこいいんですけど、ここに乗っかってくるいしわたり淳治の歌詞が素晴らしい。そういう才能が溢れてるのがこのアルバムなんですよね。

テクノというかエレクトロのサウンドになってきてもそれにすごくマッチするんですよ。『STORYWRITTER』とか本当にそういう曲だし、タイアップ付いてる『YUMEGIWA LAST BOY』とか『STROBOLIGHTS』とか乗っかってくるのが凄まじくて、なんか喋れば喋るほどバカらしくなるみたいな。今聴いても素晴らしいアルバムで、ベスト5には入れられなかったですけどここに入れたと。

こばやんスーパーカーはリアルタイムじゃないっていうのがなぁ。

きょろ:ミッシェルとかと同じパターン。

 

ぴろ 10~6位

10位 ODYSSEY/平原綾香

「Jupiter」が有名ですね。3拍子の原曲を歌謡曲として馴染みやすい4拍子にして、素晴らしい詞をつけられていてあっぱれ!平原さんの包容力のある豊かな歌声がとてもよく合っています。「明日」「Precious Time」「あなたの腕の中で」「Skool for AH」「mama」も好きです。

 

9位 ether [エーテル]/レミオロメン

レミオロメンはやっぱり『ether』ですね!『HORIZON』もいいけど『ether』がよすぎる。w 「3月9日」「南風」はもちろん、どの曲もいいです!

 

8位 醒めない/スピッツ

スピッツは、『ハヤブサ』から『みっけ』までどのアルバムも良くて迷いまくったんですけど、やはり1曲目「醒めない」で衝撃を受けたのと、未来への希望をくれる1枚ということで。「醒めない」からの「みなと」はヤバいですよねw 「みなと」も"もう一度会うための歌"という希望を感じます。

 

7位 ファンファーレと熱狂/andymori

andymoriと言ったらこれ。「1984」を聴いた瞬間、andymoriのファンになってましたw 「16」「グロリアス軽トラ」も好き。

 

6位 RADWIMPS 4 ~おかずのごはん~/RADWIMPS

アルトコロニーの定理』や『人間開花』と迷いましたが、RADと出会ったこの1枚に。高校生の頃、友達に貸してもらいハマりました。RADらしいと言うか、実験をしているような曲がいっぱい。曲のタイトルを見ても面白いものが多いですね。

 

がちゃぴん 10~6位

10位  diorama/米津玄師

ボカロ系音楽が「普通に音楽シーンにいる」いま、かつもう広く一般に「米津玄師っぽさ(㱠ハチっぽさ)」がわりと浸透するなかで、dioramaの醸す米津とハチのカオス感がまるで平成から令和の橋渡しをした遺跡みたいな1枚。

 

9位  DEEP RIVER宇多田ヒカル

1枚のアルバムにSAKURAドロップス・Letters・travelingFINAL DISTANCE・光が入ってるって何事だろうな。宇多田ヒカル10代最後のアルバム、なんだけれど、なんというか天才が歴史に遺した「人類が10代でできる最高のこと」のひとつだと思う。

 

8位 Catch The Wave/Def Tech

「でふてっくはMy Wayとめざましテレビのやつしか分かんない...アレは割と好き...」って人にはぜひ聴いてほしい...ルーツ的にハワイアンミュージックがベースのものはもちろんだけれど、その他の曲もとにかく音の流れと言葉の流れが気持ちいい。リード曲(タイトル曲)に応じて夏色強め。

 

7位  教育/東京事変

あの紅い折り鶴を何度見たことか。まず「りんごのうた」で物語が始まる時点で格好良いのに、バンドマン椎名林檎を見せ付けられたうえで「夢のあと」でまるで60~70年代ショーパブのラスト曲を聴かされて圧倒的完全世界に居たことを知らされる。

 

6位  空創クリップ/スキマスイッチ

言わずと知れたスキマスイッチの代表曲「全力少年」が入っているものの、「飲みに来ないか」と「キレイだ」はもっともっともっと大々的に評価されて超超超有名曲になってほしい。キレイだは元々w-inds.への提供曲のセルフカバーだけど、どっちも完成されてて凄い...!

 

 

 

こばやん 5~4位

5位 THE PIER/くるり

こばやん:このアルバムはくるりの最高傑作だと個人的に思っていて。アルバムを通して『THE PIER』は桟橋って意味で、航海みたいなことがテーマになっているのかなと。『日本海』から始まって、ハネムーンに行ってみたりだとか『Liberty & Gravity』でエスニックな楽曲が入っていたりだとか、『遥かなるリスボン』があったりだとか、『Remember me』で郷愁みたいなものを感じさせてみたりだとか、あとはクリスマスっていう世界共通のお祝い事の曲があったりとか。っていうのを経て、最後『There is (always light)』で航海から戻ってきて最後のセレモニーみたいな感じ。ほんとに一枚を通して音楽の航海をさせてくれているっていうのがこのアルバムなのかなと。

くるりの特徴って音楽性がその時期によって変わっていくっていうのがあると思うんだけど、このアルバムがくるりをすべて象徴しているというか表してるんじゃないかと思ってこのアルバムにしました。

 

4位 EXPO EXPO/m-flo

こばやん:こっちが意外性があるかと思ったんだけども。アルバム一枚を通してのコンセプトって考えたら10年後、2001年(発売)だから2011年頃の万博、EXPOをテーマにしてるんだけど。正門とか東門とか南門とかっていう途中途中に「万博へようこそ!」みたいな、異世界へ誘うような楽曲というか間奏のようなものが入っていて、かつ『prism』とかもちろん『come again』とかが有名な曲、『orbit-3』も『How You Like Me Now?』も全部シングルだけどそれがすごく活きているというか一枚のアルバムを通して見世物になっているっていうのが評価の高い4位につけた理由です。

『come again』はiPhoneとかに入ってない人はYouTubeとかで是非聴いてもらいたいんだけど、今聴いても全然新しい。っていうのもツーステップってJ-POPの中で消化しきれてないジャンルなんじゃないかなって思っていて、『come again』とか平井堅の『Kiss of Life』とかCHEMISTRYの『FLOATIN'』とかしか無くて。90年代ってJ-POPとカラオケとの相性が良くて、カラオケで熱唱できる楽曲っていうのが90年代はモロに受けていた。

小室哲也、globeなんかがm-floとは同じ編成なんだけど、そことは一線を画してるというか、VERBALのラップなんか誰も真似できないし、☆Takuの作る楽曲のトラックも今聴いても新しいし、LISAの歌い方が特にこの『come again』はカラオケで歌うとすごく難しいんだよね。あのスタッカート、歌唱法がJ-POP界では違和感があったんだろうけど、タイアップがついたこともあってあれだけ売れ線になった。

っていうのが今聴いても新しいし、ツーステップっていうジャンルに挑んでいたm-floっていうのはすごかったんだなっていうのが今聴いても思うし、これが(今から)10年後の万博っていうテーマになってるって言われても納得するというか。それだけ20年前のアルバムとは思えないなっていうのがこの『EXPO EXPO』なのかなと思って4位に入れました。

のすけ:『come again』は泣きながら踊れる曲のはしりだし、m-floってこういうコンセプトアルバム作らせるとホントすごいんですよね。この後の『ASTROMANTIC』とかもまさにそうだし。

にっしー:最近やっとツーステップ再評価みたいになっててね、Sexy Zoneが挑戦したりとか。

こばやん:J-POPとの相性が悪いんだと思うのよ、サビの文化だから。J-POPってどうしても。これはかっこいいので聴いてもらいたい。

これを選ぶにあたって、みんなもしたと思うんだけど、ベストアルバムランキングとか○○が評価するアルバムランキングとか見たけどあんまり、ほとんど見かけなかったんで意外と評価されてないのかなって。これが出たときは当時中坊だったけど「なにこれ?すごいもんが世の中に降ってきたな」っていう感覚があったから。

のすけ:多分m-floってジャンルとして定義しにくいんですよね。ヒップホップ畑の人たちにはヒップポップだと思われてないし、ポップとしても異質なんですよね。だからそういうジャンルのエキスパートの人には選ばれないんですけど、高次元のポップなんですよね。絶対。

こばやん:これが20年前に起きてたっていうのがすごいよなぁ。

きょろ:『come again』20年前か。それはエグいな。今でも聴くもんな。

さとるん:そう考えるとすごいね。

 

ジロウ 5~4位

5位 JUNCTION/Hysteric Blue

ジロウ:これは長くなってしまいそうだけど、まずラストアルバムなんですよ。活動休止をすることがアルバム発表された時から決まっていて、僕らもそういう気持ちで聴いてたんだけど。『春~spring~』とか『なぜ・・・』とかのたくや作詞曲が12曲中11曲占めてるからみんなの思うHysteric Blue感っていうのは一番濃いアルバムなのかな。

そういう中で一番最後の曲が『LOVE』っていう「まだ言葉ができる前から愛はあったんだよ」っていう曲。で締められて終わっていく、これで活動休止に入っていくんだな……って思ってたんだけど、最後のアウトロで「人のことを陥れて自分だけを可愛がって文句ばかりばかりばかり」って言って終わっていったんですよ。聴いてる側からしたら「なんてことを言うんだ」っていう、ファンとしては「こんなんで活動休止しちゃうの?」っていう気持ちになっちゃう。

で、最終的にその活動休止期間中にギターのメンバーが逮捕されてしまって、そのまま解散。CDもすべて回収。っていうことになってほぼ1年くらいしか出回ってないアルバムなんだけど、そういう最後の後味の悪い感じを味あわせて消えていった、印象にはめちゃくちゃ残ってるアルバムなんですよ。

いろんな憶測はあるんだけど、しかもその「人のことを~」っていう歌詞は歌詞カードに書いてない。だから余計勘ぐってしまうというか、その後味の悪い感じを。今後再発されることもないだろうし、後世に残したいって言われたら、これは残して「あげてほしい」という気持ちが強くて5位にしました。

こばやん:そのエピソードはめちゃくちゃ強いわ。ちなみにヒスブルって今聴く手段ってあるの?

ジロウ:ギターを抜いた2人で組んだSabãoっていうバンドで『春~spring~』とかのたくや作曲の代表曲はセルフカバーしてるから曲としては聴けるけどヒスブルとしては無し。

こばやん:じゃあこのアルバムはツタヤでレンタルとか残ってないと聴く術はないってこと?

ジロウ:あとは中古ショップとかにあればって感じかな。今手元にあるんで欲しい人いたらお貸ししますよ。

のすけ:これは聴きたいっすよ(笑)

こばやん:もう今のエピソードだけでめっちゃ聴きたいんだけど。ヒスブルってやっぱりその2曲のイメージが強いからさ。気づいたら逮捕されてたみたいな。

ジロウ:実はこんな終わり方してたっていうね。

のすけ:逮捕されて活動休止かと思ってたけど違うんですね。やばい幻のアルバムだ、残さなきゃこれは。

ジロウ:後世に残したいアルバムっていうのを意識したらどんどん順位が上がっていったよね。

 

4位 シンシロ/サカナクション

ジロウ:僕は前に言った通り、サカナクションは1枚目のアルバムを発売日に買ったことを自慢できるバンドではあるんで、その時からずっと聴いてて。本当は『NIGHT FISHING』の一曲目の『ワード』で結構くらったんですよ。『ワード』のあのイントロの間の使い方を、まだアルバム2枚目のぺーぺーって言ったらアレだけどそういうバンドが、こんな間を使ったかっこいい曲をやるんだなと思ってちょっと気になるバンドっていう位置づけだったのがこの『シンシロ』でもう飛び立って行っちゃったなっていうのを感じたアルバムだなと。

『セントレイ』とか完全にポップを意識した、サカナクションのやりたいことの片鱗が見えてきたなっていう感じがして、ここでサカナクションできあがったなと思っていたらここからどんどんとんでもないとこまで行ってしまった。その先駆けみたいな感じで忘れられないアルバムですね。

こばやん:『セントレイ』『ネイティブダンサー』で十分って言う感じだったもんね。

ジロウ:そうなんだよね。ああすごいバンドだなっていうのは分かったけど、そこからがすごかったからね。

にっしー:この時のツアーで600人規模とかやったけど、全然そんな規模じゃないもんね。表現しようとしていることが。1万人規模を見据えてやってた感じがすごい印象に残ってる。

さとるん:自分たちで自腹を切ってまでレーザーとか借りてやってたってのは聞いた。

きょろサカナクションもやっぱり綺麗に階段を駆け上がった感じがあるよね。

ジロウ:他のアルバムとかに比べてポップ過ぎるっていう見方もあるんだけど、サカナクションにはこれくらいの振れ幅を見せるっていう意味でも必要な一枚だったんじゃないかなと。

こばやん:明らかに2枚目までと違ったよね。

 

にっしー 5~4位

5位 マンパワー/□□□

にっしー:曲構成からいくと、8曲入りなんやけど2曲目と7曲目。最後から2番目の曲が、14分54秒と13分51秒っていう曲構成で。全体が45分くらいかな。そんな長くないアルバムなんやけど、これは東京を舞台にしたひとつのミュージカルなんですよね。『合唱曲 スカイツリー』っていう2曲目の14分54秒の曲が2012年の、震災後の東京の不安感と、なんかどうしようもない空気と、完成する前のスカイツリーがぼーっと立ってる感じ、東京オリンピックを前にした今とちょっと似たような感じというか。空虚な感じがすごい、あの東京っていうのが僕の中で第一印象で。その空気感、不安感をそのまま音楽にしたのがこの『合唱曲 スカイツリー』っていう曲かなって思ってて。

で、最後から2番目の『いつかどこかで』っていう13分51秒のほうの曲。こっちは2012年Twitterはもう流行りだしてたけど「いろんな人たちのつぶやきを音楽にしたらこうなりました」みたいな。いろんな人の合唱で成り立ってる曲なんやけど。そのつぶやきのヒップホップ化っていうのが大成功した13分51秒の曲。これは是非聴いてほしいし、この前30曲に入れなかったのを後悔した1曲です。『いつかどこかで』、これだけでいいから試しに聴いてみてほしいなっていうところですね。

 

4位 ソルファ/ASIAN KUNG-FU GENERATION

にっしー:2004年のあの当時のドラムとは何か、ロックドラムとは何かっていうのを教えてくれたのは伊地知潔さんかなっていうところですね。シンバルをどう使えばオシャレになるか、スネアをどう使えば人が動くか、かっこいいと思うかっていうところは『Re:Re:』は特に。あと『リライト』かな。この2曲は大きい。

『君の街まで』もそうやけど、色気があるというか。その色気が2016年版になっても、ゴッチの歌い方とかは進化したんやけど良くも悪くも第一作目の時点で潔のドラムは完成しきってるというか、あの当時からすごかったんやねっていう感覚があって。この15年くらいのロックドラムの基盤というか、丁寧かつ大胆なところっていうのはそこかなって。またちょっとドラムマガジンっぽくなってしまったけど(笑)。潔の恩恵を感じてきたし、これからもまだまだ進化していくだろうなっていうところですね。

 

きょろ 5~4位

5位 834.194/サカナクション

きょろ:通称「闇夜行くよ」ですね。これをね、どれほど待ちわびたかという話。6年以上、待ってたものが形になって、それが2枚組だと。ちょっと今回の趣旨からすると禁じ手というかズルいかも知れんけど、2枚組のアルバムでそれぞれ単体で聴いてもまとまりがあるし、一番好きな曲は『「聴きたかったダンスミュージック、リキッドルームに」』。好きなアルバムだなと思うのは2枚目のディスクで。

すごくうまいことなってるアルバムだなって感じる。2枚とも『セプテンバー』っていう曲終わらしてて、1枚ずつ形にして、1枚ずつどっちもグッとくる曲が入ってて。6年待った甲斐があったなと。

6年待ってかつ(当初の)発売日よりも3ヶ月延期したんかな、一郎が「『忘れられないの』の歌詞をやっぱ変えたい」って言って、なんなら(書き換える前の曲を)ライブで一回披露してるよね確か。それを変えたいって言ったらメンバーにガチで怒られるっていう。ぐらいのことをしてまでも書き換えた一曲目の『忘れられないの』。曲に集中したらPV入ってけえへんし、PVに集中したら曲が入ってけえへんでお馴染みのあの曲。でもあの『忘れられないの』の中にもすごい技術が詰まってるというか。世間に晒されるタイアップもたくさんあって、今のサカナクションっていう面白さが詰まったアルバムかなと。

 

4位 Our Secret Spot/the HIATUS

きょろ:このたび、この20枚を決めるにあたって「細美武士勝戦」をしまして、細美武士を選びすぎてしまうとMONOEYES、HIATUS、ELLEGARDEN、LOW-ATUSも含めるとややこしくなるなと。一回全員まとめて決勝戦しようやないかいとなった時の1位がこれです。一番最近出たHIATUSのアルバムですね。

これをできる細美武士。これでいこうって言える細身武士。これがリリースされる時にPVを初公開しますみたいな、メンバー5人が集まってだらだら話すみたいな生配信があって。その中でウエノさんが言ってたんやけど「1フレーズ1フレーズに意味がある」無駄な音が1個も無い。でも音数もそんなに多くない。なんか、今の洗練しきったHIATUSというか、さっきのすけくんが言ったように、さっきのアルバムでエレクトロにガッツリ入ってどんどん形づいていったっていうのも分かるし、HIATUSはアルバムごとにどんどん色が変わっていくんやけど、これももちろん(これまでと)色が全然違うし、その中でもいらん音をめちゃめちゃ排除しきって、めっちゃシンプルな音。かつ、それの立役者となってるのは多分伊澤一葉と柏倉(隆史)さん。この二人がいないと多分これは成り立ってない。細美武士とその二人が出会って、やっていこうと思ってこれができたんだろうなっていう。やっぱりこれが一番、今の細美武士の中では一番すごいものだろうなと思って4位を付けさせていただきました。

にっしー細美武士勝戦はどれが闘ったん?

きょろ:HIATUSのサード(『A World Of Pandemonium』)、アコースティックにガッといった時のやつ。と、『ELEVEN FIRE CRACKERS』(ELLEGARDEN)。その3枚で最終決戦。俺は細美武士の中では一番HIATUSが面白いと思って聴いてるから。

のすけ:完全に同意っすね。

 

こばやん(妻) 5~4位

5位 C3/BaseBallBear

こば妻:これはきょろさんと一緒で、一番好きなアーティストが毎回新しいを更新してくるんで、もう……大好きです(笑)。

こばやん:これはさっきも言ったけど発売した時のミート&グリートでメンバーに会ったときに泣いたってっていう思い出もね。

きょろ:そりゃ泣くわな。

 

4位 CHRONICLE/フジファブリック

こば妻:これは……(隣にいるこばやんへ)お願い!

こばやん:えっ? ……俺も『CHRONICLE』は選びたかったよ。選びたかったけど、まあこのアルバムからもう12年経つんだなと思うと感慨深いね。

のすけ:こうなると1~3位何だ?

こばやん:俺も当然ベボベは1位だと思ってたから。初期のやつかなとか、一番好きって言ってた『新呼吸』かなって思ってたからビックリした。

 

さとるんキッズ 5~4位

5位 First Album/tofubeats

さとるん:参加メンバーが豪華過ぎます。森高千里さん、藤井隆さん、あとはokadadaさんとかリリスクとか、の子とか。あとは『朝が来るまで終わる事の無いダンスを』。(前作の)『水星』とかもいいし、次のアルバムではDREAMのAmiちゃんとかKREVAとかとコラボしてますけど、やっぱり『First Album』かなと。『ディスコの神様』と『Don't Stop The Music』が印象深いですかね。なんで5位。

のすけ:みんな聴いてたもんなぁ~って感じですもんね。この時ね。

さとるん:みんな聴いてたでしょ。2014年でこういうダンス系で聴いてると絶対tofubeats聴いてたでしょうと。

 

4位 Obscure Ride/cero

さとるん:『My Lost City』と悩んだんですけど、この『Obscure Ride』でガラッと世界観変わったかなっていうのがあって、『Summer Soul』、『Orphans』とか。で、最後にボーナストラックというか、タワレコとかでアルバム買った時の特典として『街の報せ』っていう曲がCDで付いてきたんですけど、シングルアウトもしてるんですけど、その曲がとっても強くてですね。『街の報せ』で一気に現実に戻ってこさせるような世界観が『Obscure Ride』は強いかなと思って。ceroはバンドとしても大好きなんで第4位となってます。

にっしーceroは1位2位あたりかなと思ってたら。

さとるん:いやーいろいろあってね。

のすけ:さとさんも2位3位なんだろう。1位はまあね分かるんですけど(笑)。

さとるん:決め打ちはよくないぞ~。

 

のすけ 5~4位

5位 TITLE/ストレイテナー

のすけ:ホントにアルバムとして理想的。一枚が最初から最後まで完璧なアルバムかなと思ってます。

ストレイテナーって何回も進化してるんですよね。2人から3人になった時、3人から4人になった時、4人になって今。っていうところ、何度も何度も進化している中のこの一つ的な作品で。今まで疾走感あふれるゴリゴリのサウンドみたいなところで走ってきたストレイテナーが引き算みたいなものを覚えた結果、ミディアムナンバーでも名曲があふれ出てる。

今このメンバー4人でやってるライブを観ると、今まで3人でやってた頃のCDの音源とは全然違ったりして、一粒で二度おいしいみたいなことがあったりして。このアルバムを2020年に再現ライブやっちゃうっていうぐらいバンドとしても大事な一枚だし、ファンとしても愛されてる一枚。僕の人生の中でもこの一枚は本当に欠かせないアルバムなので第5位に選ばせていただきました。

 

4位 déraciné/GRAPEVINE

のすけGRAPEVINEのアルバムを一枚選んでくださいが僕にとっては酷なんですね。Twitterでやってたオールタイムベストアルバムを決めるみたいなのに200人くらいが参加した企画の中で、アーティスト別で見たアルバムの作品数のランキングでいうと、くるりも超えたしスピッツも超えたしエレカシも超えた山下達郎も超えたでGRAPEVINEが一番作品が多く入っていたっていうぐらい、ファンにとってはGRAPEVINEのアルバムを一枚選ぶのって酷なんですよ。

多分「こういうアルバムを一枚選んでください」に対しての答えが全部違ってくる。ですけど今回の「後世に残したい」っていうところだったのでGRAPEVINEのエッセンスが全部詰まってる『déraciné』を選びました。

ポップさも孕んでるし、狂気を孕んでるみたいなところもあったりするので、そういう一面も持ってるし、ロック的要素とかを持ってる曲も入ってるし、最後の曲とかはつじあやのとやってるっていう。アルバム一枚でいろんな世界が楽しめるっていう意味では後世に残すのはこっちかなと思ってます。もうすぐアルバムが出ますのでそれもまた何をしでかしてくるのかなというのがあって、ホントになにを聴いても面白いのがGRAPEVINEです。

こばやんGRAPEVINEは『イデアの水槽』しか聴いたことがないから、他も聴いてみようと思います。

のすけ:『イデアの水槽』はロック好きに聴いてほしいアルバムですね。

 

ぴろ 5~4位

5位 生命力/チャットモンチー

私の中でチャットモンチーと言えばこの1枚。「親知らず」「Make Up! Make Up!」は、大阪で一人暮らしを始め、お化粧もするようになった頃にすごく刺さりました。

 

4位 orbital period/BUMP OF CHICKEN

BUMPも迷いました! 初めて聴いたのは『ユグドラシル』、思い入れが強い『FLAME VEIN+1』と『COSMONAUT』など。『orbital period』は「Voyager」で始まり「Flyby」でまた戻ってくる周回してる感じがよく出ている点が高評価で、この1枚に。 バンプはよく隠しボーナス・トラックを入れてきますが、"オレ おまえ Believe"好きですw

 

がちゃぴん 5~4位

5位 Magic Number/go!go!vanillas

吉田拓郎ビートルズを愛する田舎育ちの青年が作った珠玉のアルバム」以外のなにものでもない。こういうシンプルな音に乗せる言葉ってシンプルで真っ直ぐだからこそしっかり音に絡みついて景色を浮かべて聴けるんだなといつも教えてくれるアルバム。

 

4位  Mr.S/SMAP

近年の殆どのSMAPアルバムに共通して言えることだけれど、錚々たる面々による楽曲提供、だからこそ曲者揃いな楽曲たち、だけどその全てがきちんと「○○が作ったSMAPの曲」に完璧に仕上がってるところ、それがSMAPのアルバムの本当に面白いところ。2014年にTK(凛として時雨)や津野米咲がジャニーズアイドルの曲を作るなんていう一見突拍子もない制作が完全に完璧にハマってて最高で最強。

 

 

 

こばやん 3~2位

3位 愛のひみつ/ハンバート ハンバート

こばやん:この『愛のひみつ』ってアルバムはすっごくいいんですよ。『恋は綱渡り』っていうインストのカントリーミュージックから始まるんだけど、それ以降の『レンタカー』から『ねる子よ育て』までの11曲は一つひとつがいろんな愛の形を歌っていて、これって夫婦デュオにしかできないんだろうなって思う。

もちろん他にもいいアルバムはいっぱいあって、代表曲の『おなじ話』のある『11のみじかい話』とか、結婚式の時にマイベストで挙げた『むかしぼくはみじめだった』とか。いろんないいアルバムがあるんだけど、この最新作の『愛のひみつ』っていうアルバムがすごくよかったので第3位に挙げました。

いろんな愛の形があるって話をしたけど、2曲目-実質1曲目の『レンタカー』は不倫をしている男女の曲だったりして、「いきなりそんなとこから入るんだ」みたいな。そこから始まって『ぼくらの魔法』、魔法とは何かっていうと「言葉」なんだと。人間として生まれてきて他の動物と唯一違うところは言葉が喋れることなんだと。その愛の形っていうものはちゃんと言葉にして伝えなきゃいけないよねっていうのをただただ歌ってる曲ではあるんだけど、この歳になって自分も結婚したりして家族が増えたりすると言葉の大切さとかって当たり前だけど気付かないし、当然だよねってことなんだけど魔法をかけられるとしたら言葉で伝えることでしかないよねっていうのが前面に出ていて、これが愛の究極の形なんだなって思うのがこの『ぼくらの魔法』っていう曲で。これはミュージックビデオもあるんで是非聴いてほしいなと。

あともう一曲、『それでもともに歩いていく』っていう曲がすごく好きで。これに関しては郷愁を感じる。元々はアニメの主題歌に提供した曲のセルフカバーなんだけど、子供の頃にみんなで秘密基地を作ったりテレビとかを観てそういうのの真似事をしたけど、それはテレビのようにうまくはいかなかったりしたけどあの頃って楽しかったよね。みたいな曲なんだけど、聴いていて子供の頃に戻ったかのような気持ちにさせられる曲で。ホントにハンバート ハンバートの佐野遊穂さんの声は、よく言われる透き通った声っていうのを体言してるのはこの人なんだろうなって言えるくらい歌が上手くて。それを聴いていると異世界に連れて行かれた感じがしてすごく好きな人たちだなと。この中だとあんまり聴いている人いないと思うんで是非聴いてもらいたい。

にっしー:これ、最初に通しで聴いても全然大丈夫?ハンバート初めてでも。

こばやん:全然大丈夫だと思う。むしろ入り口としていいと思う。この前も言ったけど、短編小説、ショートショートを読んでる感じだから一つひとつに物語があって。俺の中では星新一を読んでる感覚と一緒。例えば『試作品第12号』って曲は世界観で言うとフジファブリックの『ロボローグ』に近い。ロボットが意識を持ってしまって人に恋をしてしまう、それがバグとして捉えられていっていう曲なんだけど、これもあったかい感じでいいよね。

 

2位 ユグドラシルBUMP OF CHICKEN

こばやん:これは自分のコンセプトがしっかりしてるというか、物語が筋として通ってるっていうのが完全に上位にくるかなと。

びっくりしたのがシングルで出した順番が『スノースマイル』~『ロストマンsailing day』~『オンリーロンリーグローリー』ってなるんだけど、アルバムで聴いた時に一番最初に『オンリーロンリーグローリー』がきて、『sailing day』があって。ここから順を追ってひとつの物語になってるんだよね。それをシングルで先に切ってるにも関わらず順番をシャッフルしてもひとつの物語として繋がるというか。一人の主人公が旅に出て、別れを経験して、『太陽』で決心をつけて、『ロストマン』で迷ったりしても一歩踏み出そうみたいな。一人の主人公の成長過程を描いてるような、ひとつの物語として捉えられたのが個人的にびっくりしたというか、今までの伏線を回収していったみたいなのをアルバムを聴いて思ったのが衝撃だった。

あと、この頃って俺洋楽ばっかり聴いていんだけど、バンプが出てきてこの辺の曲を聴いた時に「日本の曲も捨てたもんじゃないな」って思った。自分の中で再評価したっていうので順位を高く付けたって感じ。

のすけ:ここにきて『ユグドラシル』がアルバム1位に躍り出ましたよ。

 

ジロウ 3~2位

3位 CHRONICLE/フジファブリック

ジロウ:もちろん『TEENAGER』が名盤だってことは分かってるんですよ。だけど、僕がフジファブリックを1枚目2枚目って聴いてきて『TEENAGER』で「ああ、フジファブリックはこういう方向性で行くんだろうなぁ」っていうイメージがなんとなく付いていて。だけどその次に出したこの『CHRONICLE』がとんでもないゴリゴリの歪んだギターでやってるの聴いて、繰り返し聴かざるを得ないぐらいの衝撃を受けたアルバムなんですよね。

こばやん:ここでエモに行くとは思わんかったよね。

ジロウ:うんうん、『TEENAGER』である意味完成したなと思っていたのに、まだこんなことができるんだっていうのを見せ付けられて、これからどうなるんだっていうワクワクも感じてね。そこからの未来は無くなってしまったわけだけど、それも含めて可能性をめちゃくちゃ残したアルバムっていうのは『CRONICLE』なんだろうなって思った。

個人的なことなんだけど、発売日の5月20日が僕の誕生日なんで、誕生日プレゼントだよね。そういう意味でも上位にきちゃうアルバムですね。

 

2位 ROCK/STAn

ジロウ:多分、僕が選ばなきゃいけないなと思ったので2位まで上がってきましたね。

さとるん:いやぁ、ジロウくんSTAnのイメージ強いわ。

ジロウ:まず西井鏡悟は天才です。そう声を挙げて言いたい。歌詞的には投げやりな感じで、ボーカルも気だるげでそういう歌詞には合ってて、そういう感じが惹きつけられるんだけど。そんな中でたまにめちゃくちゃ核心的なことを放り込んでくる。「間違えても構わないんだということを 間違いなく君に伝えたいよ」みたいな言葉遊びも交えながらっていう核心的な歌詞を不意にやってくる。そういう、歌詞の使い方みたいなところも心に刺さっているバンドで。

本当だったらこの『ROCK』よりも、この後にベストアルバムを出すんだけど、そのベストアルバムがただのベストアルバムじゃなくて。ライブで一旦テイクを撮ってそれにスタジオでアレンジを加えて再録っていう形のベストアルバムを作ってて。ライブの臨場感みたいなものも出しつつ、選曲は間違いない。ベストアルバムってやっぱり安定性とか間違いないみたいなのを求めがちだけど、そこでそういう攻めたことをやってくるバンドってあまりいないだろうなと思って。そういう前のめりで散っていったバンドっていうとアレだけど、いろんなことをやって解散してしまったっていう苦悩の末のバンドっていうのをやっぱり後世に残したい。

残したいんだけどねぇ、STAnもサブスクとかに残ってないんで、困ったもんなんですけど。そういう意味でも聴いてほしいバンド、アルバム。

のすけ:そうなんだ、サブスクないんだ。

こばやん:うちの大学の同期の子がSTAn狂いだったわ。

のすけ:高校のとき組んでたバンドのドラマーが大学の時にめっちゃSTAn聴いてましたね。中毒性はえげつないくらい高いんですよね。

ジロウ:クセになるからね。一度ハマると離れられない。この音楽性は。インストにも耐えうる演奏もいいのよねぇ。

 

にっしー 3~2位

3位 世界各国の夜/VIDEOTAPEMUSIC

にっしー:まず一人でやってるんやけど、名前読んで字のごとくVHS、ビデオテープをリサイクルショップとか古いレンタルショップから収集して、チョップして、サンプリングして新しい曲にするっていうまさに後世に語り継ぐじゃないけど(笑)、自分でリメイクして新しい未来に繋げるっていうその活動がそもそも好きで。

最初に聴いたのは、フジロック小沢健二のアクトの直前に5分くらい真っ暗闇の瞬間があって、暗転の中数千人、数万人が大雨の中待つっていう時に流れてきたのがこのアルバムの一曲目の『世界各国の夜』。その時になんか、知らない街のラジオを傍受したような、受信したような感動があって。真っ暗闇の中、その数千人が同じ空間にいて同じ宇宙船に乗って旅をしてるような、ロマンティックな言い方するとそんな感じで。その時にアーティストは知らなかったんだけど「なにこれ?」っていう感動があってすぐに調べて買いに行ったのがこの1枚。

去年やっぱり外出自粛とかあって、旅行ができないだとかっていう時にまた新たに聴き直して、やっぱり楽しいなと。音楽旅行ができるっていうか。1枚で温泉旅行にも行けるし、香港にも行けるし、ワイキキビーチにも行けるし、ロイヤルホストにも行けるっていう。いろんな各地の夜のことを音楽にしてる人やねんけど、その地球儀ぐるぐる回してる感じがホントに楽しくて。夜に「何か1枚聴こうかな」って時にここ最近、ここ2~3年ぐるぐる回してるのがこの1枚。今回、夜がキーワードやなって思ったのはこの1枚が大きい。

 

2位 KikUUiki/サカナクション

にっしー:夜繋がりでいうと『KikUUiki』。これは……非の打ち所がないというか、ロックありテクノありポップスありフォークあり。っていうのがサカナクションの良さなんだろうけど、全方位にバランスよくというか。内政的な、文学的な歌詞もいいんだけども、音楽的な新しさがすごい出てるのが『KikUUiki』なのかなと。

あとは『目が明く藍色』かな、この曲ができたことでサカナクションのステータスというかステージがもう一段階上がったのかなってところかな。ホントにQueenに勝るとも劣らないというと大きすぎるかも知れんけど。この『壁』から『目が明く藍色』って一郎さんの遺書というか、(他のメンバーの)4人をよろしくって言ってるくらい「これが最後の1枚でいいです」って言ってるくらいの覚悟があったんじゃないかなっていう思いはあるんやけど、ホントに長生きしてほしいなっていう(笑)ところですね。『アルクアラウンド』の比較動画とかがYouTubeに上がってるけど、どんどん声が伸びやかになってる、楽しんでいってるんやろなっていうのが最近見て取れて。その楽しさにまだまだ乗っかって行きたいし、一緒に泳いでいきたいなっていうのが『KikUUiki』ですね。

こばやん:俺もサカナクション選ぶとしたら『KikUUiki』かな。『壁』聴いた時は俺も参ってた時だったからリピートして聴いてたわ。

 

きょろ 3~2位

3位 ソルファ/ASIAN KUNG-FU GENERATION

きょろ:これはもう、お二方が語っておられたので。やっぱりジャパニーズロックバンド、ASIAN KUNG-FU GENERATION、代表曲、これ。っていうだけの話。それしか言うことがない。あとは中村佑介さん、代表作、これ。どちらの代表作もこれ。それだけやね。ホントに完成しきってる。

にっしー:中村さんのサイン会行って「『ソルファ』好きですー」って言ったら「みんなパンツ好きやなー」って言われたね。

 

2位 ASPARAGUSASPARAGUS

きょろ:ここで俺が言わないと触れる者のいない一枚かなと思うんです。これはASPARAGUSの中でも日本語で歌われてる曲が多数入ってて、これを知るきっかけになったのが『小さな一歩』っていう曲。これはホントに落ち込んだ時とか(に聴く)すごいポジティブな曲で、このアルバムも全編通してポジティブな内容になってて。アルバムとしての流れが気持ちいいっていうのもあって、最後の『gn8』っていう曲は、生きてたら嫌なこともあるし辛いこともいっぱいあるけど、そういう時は単純にバカみたいなこと言うけど寝て忘れちまおう。寝て忘れたら次の日朝日が昇って次の一日が始まってみたいな曲。

このフロントマン渡邊忍という人の実力を知ってほしい。いや、この人の作った曲をみんな間違いなく聴いてるはず。それが木村カエラのCMにもなった『Ring a Ding Dong』。木村カエラにガンガン曲提供してる人で。

 

こばやん(妻) 3~2位

3位 家族行進曲/ハンバート ハンバート

こばやん:これ完全にやらせなしなんで。さっきの『愛のひみつは』愛について歌ってるアルバムだけど、こっちは家族についてで。

こば妻:1曲目が、親が離婚して子供がお母さんに会いに行くっていう(曲)。

こばやん:この『Ame No Machi』っていう曲。片親ってだいたいお母さん側についてくイメージが今まであって。よくよく考えてみたらお父さん、シングルファーザーの子供って絶対世の中にはいるはずで。そのシングルファーザーについてる子供が雨が強く降ってる中、お母さんに買ってもらったランドセルを背負って「この姿をお母さんに見せに行くんだ」っていう楽曲。雨だろうがなんだろうが会いに行くんだっていう曲なんだけど、これって誰もが共感できることじゃないんだけども、きっとこれが刺さる、「これって私の曲だ」って思う人が絶対に世の中にいるだろうなと思うし、そこがやっぱり短編小説って俺がずっと言ってることのひとつだと思っていたり。

あとは俺が2017年の1位に選んだ『Hikari』っていう曲も、練炭自殺を試みたけども失敗してしまって植物人間になってしまった人が、意識だけはあるけど手足は動かないっていう人の曲なんだけど、もしかしたらこの曲を聴いて「救われたな」って思う人もいるかも知れないってこの曲を聴いたときにすごく思ったのね。もしかしたら植物人間で動かない人にこれを聴くかせたらすごく共感してるかも知れないし。僕らはそれを共感できないけれども、結果家族の温かさのようなものを感じることができる曲なんだよね。

こば妻:なんか、他の人があんまり取り上げないような人たちの話があるので。

こばやん:一つひとつに主人公がいるから。一番ポップな『Ganbare Niichan』とかね。これ俺が喋ってていいのかな(笑)。

 

2位 A GOOD TIME/never young beach

こば妻:これは「夏!やったー!」って感じです(笑)。夏、待ってましたっていう感じがとっても好きなとこです。フェスで聴くとすっごい気持ちいい。

 

さとるんキッズ 3~2位

3位 TEENAGER/フジファブリック

さとるん:まあ出会いのアルバムでもあるんですけど、『CHRONICLE』でも『バームクーヘン』とか『Anthem』とか刺さります。『MUSIC』聴いても総くんの歌が入ってて「総くんの曲でもいけるんだな」ってのがあって。『STAR』聴いても総くん(がボーカル)で再スタートしていくんだなっていうのも感じるんですけど、『TEENAGER』を聴いてカウントダウンジャパンの09-10に行こうとした瞬間に志村さんの……そういうことを聞いて、冗談じゃねえのかっていう思いの中幕張に行ってやっぱりいない。誰もいないステージの中で『星降る夜になったら』を、楽器だけがライティングされるライブというか視唱会みたいなものを観て、すごい印象が強くて、(ベスト30の1位)『ペダル』もありましたけど『TEENAGER』は外せない1枚だなって思います。

 

2位 WEEKEND WARRIOR/80KIDZ

さとるん:2枚目のアルバムで、3人組だった80KIDZが1人抜けて2人組になって発表された1枚で。『Nautilas』だったり『Red Star』だったり大好きな曲がいっぱい詰まってるアルバムで。『Weekend Warrior』っていう曲がかかるとみんな、界隈にいるとハッピーになれる。そういう曲がいっぱい入ってるので第2位に。

最近発売された『ANGLE』とかAAAMYYYちゃんがとか入って、にっしーからも「聴きやすい」って反応があったり等々ありますけど、やっぱり掘り返していくと『WEEKEND WARRRIOR』がいいかなと思います。

のすけ:1位じゃないんすねぇ。絶対1位だと思った。

 

のすけ 3~2位

3位 ユグドラシルBUMP OF CHICKEN

のすけ:さっきこばやんさんが言ってた通りで、コンセプトアルバムとして冒険譚みたいになってるんですよね。それの最後を『ロストマン』っていう、回りまわってすべて無くした旅路の果てにそれでももう一歩動き出そうっていうのが彼ららしいなっていうのと。

2004年、17年前からずっと聴いてますけど、今になって大人になってから聴くと曲の鳴り方が違って聴こえるんですよね。本人たちが意図したかは別なんですけど、ある種の時限爆弾をしかけられてるような魔法にかけられたような1枚なんですよね。すっげー面白い漫画読んでるような、50何分ずっとそれが続いてて。ホントにえげつない、ずっと人生の最後まで聴いてたいなっていう1枚なので。

こばやん:これを10代に聴けて今があるってのはでかいよね。

のすけ:これをちゃんと聴けたってのもでかいですよね。またこれを今聴いてる10代の子とかもいるでしょうし。

 

2位 equal/ACIDMAN

のすけ:ホントに、これからACIDMANみたいなバンドって現れないですよ。現れたところでこんなにちゃんと人々に受け入れられるようなバンドには絶対ならないなって思ってます。

ラストの曲が10分あるんですよね。『廻る,巡る,その核へ』。ずっと輪廻転生っていうのをギターノイズでブァーっとやりながら鳴らしてるっていう、このアルバムは完全に1曲目から12曲目までで僕の人生を変えちゃったんですね。あらゆる生命は一つひとつ分解していくと原子という単位になっていて、そこで見るとみんなすべてイコールなんだよっていうアルバム。これだけ何言っちゃってんのって感じなんですよね。それをすごい音で鳴らしてるので、こんなアルバムは二度と出てこないだろうなっていう風に思ってます。

こばやん:1位じゃねえんだACIDMAN

のすけ:僕も、さとさんにあんだけ言っておきながらACIDMANは2位(笑)。

 

ぴろ 3~2位

3位 マジックディスク/ASIAN KUNG-FU GENERATION

アジカンも好きなの多くて迷いました〜『ソルファ』が名盤なのは分かりきってるんですけど、個人的に思い入れのある『マジックディスク』にさせていただきました。「新世紀のラブソング」の新鮮さ。管楽器を入れてる「迷子犬と雨のビート」大好きです。アジカンはどのアルバムもそうですが、次の曲へ繋がるような曲順なのかイントロ・アウトロの作り方なのかがうまいなって思います。※『サーフ ブンガク カマクラ』は江ノ電の各駅に曲を作るという、面白いコンセプトの1枚ですね!

 

2位 TEENAGER/フジファブリック

私の中でフジファブリックNo.1はこれです。「ペダル」から「TEENAGER」まで駆け抜けていくような心地よさ。ずっと聴いていられる......。志村さんが亡くなったのはとても残念ですが、そのことで歌詞の意味を深く考えるようになったりして、より魅力を増した曲も多いんじゃないかと思います。魔法がかかったような1枚です。

 

がちゃぴん 3~2位

3位 Hands of Gravit/the HIATUS

全員が全部上手くて凄えのよ。全部全員全凄。過去にinsomnia(不眠症)を歌い上げてたバンドが、前を向くことを教えてくれる1枚。だけど、過去にボロボロな気持ちを抱えた日々を奏でていたバンドだからこそ、無闇に背を押すんじゃなく、薄暗い気持ちを抱えたまま歩くことも肯定してくれるような構成。

 

2位 勝訴ストリップ椎名林檎

関ジャムでだいたい全部言ってた。わたしはプロフに「好きな人や物が多すぎて見放されてしまいそうだ」って書いたことがあるタイプの大人。

 

 

こばやん 1位

1位 TEENAGER/フジファブリック

こばやん:やっぱり思い出補正には勝てねえよ。今までの人生で一番聴いてるアルバムだし、これからも聴いていくアルバムだと思うし。この中では『若者のすべて』が世間的にひとつ飛びぬけて有名なのかも知れないけど、『若者のすべて』っていう曲がこの中で浮いてないというか本当にいろんな種類の楽曲があってその中のひとつというか。

『TEENAGER』、10代っていう多感な時期というものに、たった一人のちっぽけな自分の10代を総括してもいろんなことがあった。その中の1曲として『若者のすべて』っていうのがあるだけであって、全部トータルして『TEENAGER』やなっていうのがこのアルバムのすごさ。

めちゃくちゃな曲もいっぱいあって、『Chocolate Panic』だとか『Surfer King』だとかっていうのもあるんだけど、その中で俺の中でなかなか触れられないなっていう曲で1曲だけ触れたいのが『まばたき』。この曲の歌詞の中に「今日も昼と夜がずっと 晴れたままで冬が終わる」ってのがあって、やっぱり10代の頃って冬に期待することって雪が降ってほしいとか、そういう期待感があって。その期待が、さっき初恋は実らないみたいな話をしたけどその期待感ってなかなか思い通りにならない。それが10代のみんなが持ってる悶々としたものなのかなって、この一言に表されてるような気がして。

これって作詞は志村正彦なんだけど、曲を作ったのは山内くんなんだよね。それが今後の活動に繋がっているというか、フジファブリックがああいうことになってしまった後も続いているっていうのはこの『TEENAGER』っていうアルバムがあったからだろうなって思うし。このアルバムが無かったら、志村正彦の作詞作曲だけだったら今も活動はしてないだろうなと思うから、これってすごくターニングポイントになってるよねっていうのが『TEENAGER』。まあ、思い出補正が強いんだけども。そういう意味でも自分のベストに入れるとしたら1位になる。

 

ジロウ 1位

1位 ユグドラシルBUMP OF CHICKEN

ジロウ:これは僕の中でもこれを選ばなかったら、当時部活サボってこのアルバムを買って帰って聴いてる自分が許さないだろうなっていう大名盤。(ジロウの選定の軸である)攻めてるっていうのも、『jupiter』とかに比べて『乗車権』、『ギルド』とか藤原基央の内心の吐露みたいなものをバリバリに出してるアルバムだと思う。そういうのを受け取るのも初めてだったと思うし、歌詞の暴力性みたいなものを初めて感じたバンドのアルバムだなと。『fire sign』のシンガロング感とか、今までのバンプには無かったものもふんだんに取り入れられていてそういうとこもポイントが高い。みんなが納得する後世に残したいアルバムっていったら『ユグドラシル』しかないでしょう。

これまでにみんなが言ってないことで言うと、僕が本気で選ぶとしたらこの『ユグドラシル』の中で一番好きなのは『O-TO-GA-MEはーと』なんですよ。曲が終わって、ずっと待ってたらふざけたアイドルソングみたいなこの曲が始まると。壮絶なアルバム本編を存分に楽しんだ最後に何も考えなくていいご褒美が待ってたみたいなのが思い出として残ってるから、いろいろ入れ替えたけど1位はずっと『ユグドラシル』だったなと。

こばやん:CDケースの黒いとこを多分みんな剥がしたよね(笑)。

 

にっしー 1位

1位 Q/Mr.Children

にっしー:これも決勝戦はしたんやけど、もう『Q』になりましたって感じで。2000年のアルバムで、唯一っていうと語弊があるかも知れんけど唯一Mr.Childrenのアルバム史上売れようとしてないアルバムやと僕は思ってて、「あなたたちそれ本気で売ろうとしてますか?」っていうくらい音で遊んでて、暴力的で、やんちゃな。遊び心満載の1枚がこれかな。

有名な話でいうとダーツで曲のテンポを決めただとか、酒飲みながらレコーディングしただとかっていうような。それがロックだとは思わないけど、当時すごいアイドル視されてた大衆的なMr.Childrenを本人たちが壊そうとしてるのがすごい好きだなっていうところと。ホントにすごい桜井さんの自我、エゴが丸出しの剥き出しの1枚になってるというところですね。

1曲目の『CENTER OF UNIVERSE』の最後が「僕こそが中心です」で終わるんやけど、それを最近は「君こそが中心です」に変えてたりするのは心境の変化なんかなと。1曲だけ詞の話をすると『ロードムービー』っていう曲があって、僕バイク乗らないから分からないけど「街灯が2秒後の未来を照らしオートバイが走る」っていうところがあって、これを「等間隔で置かれた闇を越える快楽」って表現してるんやけど、多分人生そのものを言うてるんやろうなと思ってて。それがすごく写真じゃなくて映像的に、その2~3行で浮かぶっていうのが作詞センスとしてズバ抜けてるなっていうのがこの1曲に詰まってて『ロードムービー』だけでも是非聴いてほしいところで、もちろんアルバム通してでも20年後30年後でも聴けるなというところですね。

のすけ:今考えると『NOT FOUND』を月9のタイアップに持ってくるってえげつないですよね。

 

きょろ 1位

1位 jupiter/BUMP OF CHICKEN

きょろ:『ユグドラシル』、分かるよ。みんなの言うこと全部分かるけど、やっぱりこれなんです。これはほっといても後世に残っていく気はするんやけど、100%残るかって言うとトップ10の中の12位とか11位のトップ10に入れないぐらいの位置にいてるアルバムだと思ってて。

ユグドラシル』と違うところは、個々が物語になっている部分。『ユグドラシル』は地続きだけど、こっちは個々でお話がどんどん連なっていって1枚が構成されてるんやけど、まとまりもあって。

お手本というか。2000年以降のバンドのお手本にするべきぐらいの、エレキギターでイケイケの曲があったり、聴かせる曲があったり、アコギに近い曲しっとり聴かせたり。というのが詰まっている綺麗なお手本になる1枚だと思ってます。

ちなみにこのアルバムのジャケットを手がけた方。当時この4人組は何者でもなかった、まあ『天体観測』がちょっと売れてたけど、その4人のジャケットを手がけたのは当時何者でもなかった蜷川実花さん。っていうところもありつつ、周年ライブか何かで蜷川さんと一緒に映像をやってくれませんか。っていうのをどっちもが売れきった状態でまた再会するっていうのもあったり。

これは、思い出補正もあったりするけど『ダイアモンド』は落ち込んだ時とかにはずっと聴いてたし。これは外せへん1枚です。

 

 

こばやん(妻) 1位

1位 ether/レミオロメン

こば妻:もう、にっしーさんの言う通り(笑)。言うことないです私は。

こばやん:こういう傾向が好きということです。

こば妻:けっこうバラバラかも知れませんが。ありがとうございます(笑)。

 

さとるんキッズ 1位

1位 サーフ ブンガク カマクラ

さとるん:『ワールドワールドワールド』も好きです。ただ、アルバム自体になると構成、曲数、アルバム全体の長さ32分弱で聴けるっていうのと、『或る街の群青』と『アフターダーク』と『転がる岩、君に朝が降る』のカップリングが全部入ってるっていう。

これはまあ、江ノ電乗りながら聴くよねっていう。これに決まるまで『ワールドワールドワールド』が入ってたんですけど、やっぱ『サーフ ブンガク カマクラ』だよねってなって。アルバムのコンセプトとかまとまり、曲数とか考えると1位になっちゃうね。一発撮りで演奏の能力もすごい。アジカンだし。『ソルファ』とかもあるけど、結局これだよねってなって1位に。今藤沢に住んでるんで『藤沢ルーザー』を聴きながらね、思い入れもあったりしますけど。これを越えるコンセプトアルバムは無いんじゃないかなって。

こばやん:「海辺のファーストキッチン」(『七里ヶ浜スカイウォーク』)はもう潰れてしまいましたね。

さとるん:それもまあ後世に残したい、こういうのもあったよっていうのもあるしね。

 

のすけ 1位

1位 SHINE LIKE A BILLION SUNS/BOOM BOOM SATELLITES

のすけ:今回の後世に残したいっていうコンセプト、さっきからちょいちょい出てきてますけど光に満ち溢れたみたいなのがホントに好きなんだなって思って第1位はこのアルバムにしました。事実上のラストアルバムなんですけど、この1個前のアルバムとも最後までめっちゃ迷って。悩んで悩んだんですけど、ブンブンはどっちにしろ1位にしたいなって思って1位にしました。

フェスとかでもガンガンに音を流してみんなで踊り狂ってっていうイメージがあると思うんですけど、このアルバムは優しい音に満ち溢れてて。すごいいいアルバムなんですよね。このバンドに関してはバックグラウンドとかもあったりしますけど、そういうのを抜きにしてもホントにいいアルバムだなと思ってて、2015年くらいに聴き倒してたアルバムですね。

ホントにみなさんに聴いてほしいなっていうのと、やっぱりBOOM BOOM SATELLITESっていうバンドを忘れないでほしいなっていう。日本語のWikipediaより英語版のWikipediaのほうが充実してるバンドなんてなかなか出てこないと思うんで、世界に通用する人たちがいたんだなっていうのは絶対に残したい強い想いで1位に選びました。

 

ぴろ 1位

1位 POP VIRUS/星野源

源ちゃんは初期の曲も好きなんですが、色々経て1つの集大成が『POP VIRUS』だなって思ったので。それにしても「POP VIRUS」でつかんでからの「恋」「Get a feel」、後半「アイデア」「Family Song」は強すぎですね!! 勝てないw 最後に「Continues」かと思いきや「Hello Song」で締めくくるところも憎いですね〜 "いつか...未来...笑顔で会いましょう"とは。 1つの舞台のような作品。※源ちゃんのアルバムと言えるか分かりませんが、大好きなのが『YELLOW DISC 2020』。バナナマンの日村さんへ贈ったバースデーソング集。ネタとしても音楽としても大好きです!!w

 

がちゃぴん 1位

1位 BRING YOUR BOARD!!/ELLEGARDEN

クラスの大人しめな女の子がある日急に「ロックが好きなら...」とこれを貸してくれたのがわたしの全ての始まり。タイトル通りの勢いある曲で始まるくせ、後半に向けてはまるで泳ぎ疲れて眠るようにゆったりと〆られるのが、逆説的にこのタイトルの勢いを表してるようで最高に好き。

 

 

 

 

というわけでお疲れ様でした。ものすごく濃い7時間半でした。

個人的な感想を言いますと、やっぱりアルバムは思い出補正が強いなというのと。手前味噌ですが、ヒスブルの『JUNCTION』のようにサブスク全盛の時代でも、だからこそ、何らかの事情があった時に現物は持っておいたほうがいいということですかね。

それでは最後に今回の会議中ずっと書記と集計してくれていたのすけ氏によるアルバム・アーティスト別の総合順位と総評をもってこの記事を締めたいと思います(書き起こしの時にもかなり役立ちました)。

それでは。

 

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収録時に3人がベスト3以上に挙げるなど、唯一4人が名前を挙げたBUMPの名盤が1位となりました。

フジファブリックは2枚TOP10にランクイン。25pt※を獲得しても10位に入らない激戦となりました。

全体的にセールスが好調だったアルバムがそのままこのランキングにも反映されてると言えます。

※1位=30pt 2位=29pt …

 

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ユグドラシルの好調そのままに BUMPがフジファブリックを僅かに凌ぎこちらもトップに。

9人中7人が名前を挙げるという、まさに2000年以降最高のバンドと言えるでしょう。

サカナクションについては、4枚全て違うアルバムがランクイン。

ハイエイタスやミスチルも、アルバムはランクインしていないものの、第9位にランクインしてまいりました。

 

 

【前半】2000~2021年僕らの邦楽アルバムベスト20のお話。

前回の2006~2015年の名曲ミーティング(2006~2015年と自分たちの名曲ベスト30のお話。 - べっかん)の興奮冷め止まぬ5月某日。さらに新たなメンバーを迎えて2000年以降のアルバムを苦しみに苦しみぬいて20枚にしぼったものを持ち寄り、7時間半にも及ぶミーティング(またの名を楽しいzoom飲み会)が行われた。

今回もまたその様子を書き起こしたものである。

 

☆以下レギュレーション☆

・2000年以降に発売された邦楽オリジナルアルバムに限定。

・ベストアルバム、トリビュートアルバム、カバーアルバム、サントラなどは除外。

・同一アーティストは1枚まで。

・後世に残したいアルバム。

・メンバーはこばやんヤマグチジロウにっしーきょろこばやん(妻)さとるんキッズのすけぴろ(当日欠席)、がちゃぴん(当日欠席)の9人(発表順)。

ウェーバー制の廃止

・今回は欠席組にもコメントをいただいています。

・新メンバーもいることなので改めて各々の好きなアーティストを載せておきます。参考にしてみてください。

こばやん フジファブリック、ハンバート ハンバート、スピッツ

ジロウ POLYSICSスピッツ、ビレッジマンズストア

にっしー Mr.ChildrenSMAPサカナクション

きょろ BUMP OF CHICKENASIAN KUNG-FU GENERATION星野源

こば妻 BaseBallBearフジファブリックスピッツ

さとるん 80KIDZceroフジファブリック

のすけ ACIDMANストレイテナーTHE BACK HORN

ぴろ スピッツ星野源ASIAN KUNG-FU GENERATION

がちゃぴん SMAP細美武士、AAA

☆以上レギュレーション☆

 

 

さっそく書き起こしをはじめたいところなのですが、録音ミスで20~16位がまるまる録れていなかったのでコメントにて代用させていただきます。多分、アレを2回押したのがまずかったのかなとは思っています。日々勉強です。

 

こばやん20位~16位

20位 EXIT/トクマルシューゴ

"おもちゃ箱をひっくり返したような"という表現はよく使うけれど、"おもちゃの世界に入り込んだような"と感じるのは彼の音楽性でしか表現できない。実際に楽器だけでなく、玩具を音として使用しているというのもポイント。  

 

19位 fam fam/never young beach

『明るい未来』は"絶対に結婚式で使ってくれよな!"って言われてるようだったから仰せの通り使いましたよ!一枚通しての聴きやすさが圧倒的だし、夏の晴れた休日に聴きたい一枚。  

 

18位 ハイファイ新書/相対性理論

本当は『シフォン主義』を入れたかったが…(ミニアルバムを外すというコンセプトを課した自分を後悔)。でも、こっちも名盤であることに変わりはない。大事なファーストフルアルバムの大事な大事な一曲目のタイトルが『テレ東』って…!違和感アンテナをくすぐりすぎィ!

 

17位 ファンファーレと熱狂/andymori

この時代にジャパニーズロックを聴いていた人は避けて通れなかったであろう一枚。順位が少し低めなのは『1984』と『CITY LIGHTS』が曲として強すぎるから。裏を返せば他が弱く聴こえてしまうほど、この2曲は名曲。もちろん『16』『SAWASDEECLAP YOUR HANDS』など、他の曲も大好き。  

 

16位 ネオ/KIRINJI

バンド体制のKIRINJIはちゃんと評価されていない気がして選出。一曲目の『The Great Journey』はRHYMSTERとのコラボで最強に格好良いし、『絶対に晴れてほしい日』のトロピカルでコミカルな楽曲など、デュオ時代には表れなかった振れ幅が魅力の一枚。

 

ジロウ 20位~16位

20位 Nice Beat/キンモクセイ

昨今のシティポップ隆盛、山下達郎大瀧詠一の再評価に乗してもっと名前が挙がってほしいバンド。『メロディ』が一番好きというのもあるが、『兄ちゃんの唐揚げ』や『太郎のおかたずけ』などのキンモクセイ特有の不可解で意味深なアルバム曲もあり、ボーナスディスクでは『夢で逢えたら』、『踊ろよ、フィッシュ』のカバーもあり、最新から不思議曲からルーツに至るまでがギュッと詰まった一枚。

 

19位 We/SOPHIA

SOPHIAは青が似合う。前々作も青いジャケットだったので余計にそれを感じる。このアルバムはSOPHIAのアルバムの中でもアップテンポな曲が多く、当時の僕の心を刺激したのを覚えている。特に『エンドロール』は同じくアップテンポなポップロック好きの友人に「絶対気に入るから聴いて!」と学校の昇降口の自販機前のベンチで聴かせたのを鮮明に覚えている。思い出枠。

 

18位 Tommy february6Tommy february6

今回のベスト20を組むにあたっていろいろと振り返ったら、もしかしたらエレクトロ好きの入り口はここからだったのかもと気づかされた。当時お小遣いを握り締めてアルバムを買って帰って聴いていたら父親も同じのを買っていて「先に言ってよぉ」というエピソードも印象に残っている要因のひとつ。

 

17位 風味堂風味堂

『眠れぬ夜のひとりごと』をCDTVのオープニングで聴いて以来、1ヶ月ほどずっと1曲リピートで聴き続けていたほどドハマりしたバンド。続く『ナキムシのうた』、『楽園をめざして』の幅広いシングル3部作はもちろん、ギターレスでこんなに激しい曲もできるんだとさらに衝撃を受けた底知れなさは今でも色あせない。

 

16位 THE MILLENNIUM PARADE/the millennium parade

常田大希に「参りました」の一枚。King Gnuの”もはやオペラ”な『三文小説』の時点でかなりクラクラきていたが、さらにこんなものを出されては降伏せざるを得ない。もはやオペラのあちらとは違ってこちらはレトロな映画音楽っぽい音色で構成されていて一貫して「劇場感」みたいなものを感じる(そういえばあちらの最新アルバムもセレモニーだったね)。劇場的に言えば幕間のような1分前後の曲も挿入されていて2021年にアルバムを通して聴いてもらう前提の造りなのはこだわりを感じる。

 

にっしー 20位~16位

20位 Obscure Ride/cero

あの世への入り口のBGMのように神秘的で、何度聴いても没入感が圧倒的。歌詞の隅々に漂う不穏さとブラック・ミュージックとの相性が高く、祝祭のような次作の『POLY LIFE MULTI SOUL』とあわせてオススメ。  

 

19位 MODERN TIMES/PUNPEE

2057年、年老いたPUNPEEが過去を振り返り、タイタニックのように物語は始まる。ヒップホップの多面性と奥深さを教えてくれた、>SF娯楽ムービー的な大傑作。自分の音楽が古くなることをどこか楽しむような『Oldies』のリリックが彼らしい。

 

18位 ハイファイ新書/相対性理論

“歪ませないロック”に衝撃を受けた、語り継ぎたいロックの名盤。永井聖一の極上のクリーントーンが光る『さわやか会社員』のギターソロと、やくしまるえつこの「脱力感あるハ行」の魅力が詰まった『ふしぎデカルト』『学級崩壊』に注目。

 

17位 初恋/宇多田ヒカル

名盤『First Love』を超えようという苦悩やプレッシャーを感じさせないほど、歌声も視点も悠然としていてふわっと軽やか。『Play A Love Song』の「友達の心配や生い立ちのトラウマは まだ続く僕たちの歴史のほんの注釈」はタトゥーにしたい名文。

 

16位 ナマで踊ろう/坂本慎太郎

廃れたテーマパークのような暗さと明るさに包まれた、ギリ合法な“飛ぶ”ための危険アルバム。彼のやり場のない怒りと毒と諦観が、生々しさと虚しさを増してコロナ禍の現在に響く。『ナマで踊ろう』の「ろう(Raw?)」の声の艶かしさが好き。  

 

きょろ 20~16位

20位 Message/モンゴル800

当時インディーズバンドという文化を世に知らしめ、無名ながらも驚異的な売り上げを叩き出し、自分たちの世代において無視することのできない一枚。『あなたに』『小さな恋のうた』はモンパチファンでなくても誰もが歌える名曲。とてもハッピーな一枚。

 

19位 野口久津川で爆死/モーモールルギャバン

ゲイリービッチェの叩くドラムはもはやパフォーマンス、ダンスのようなドラミングで、この曲たちを叩きながら歌うのは単純にすごいと思える。 テンションだけで突っ走っていく曲も多い中、最後のサイケな恋人では最初ちゃんと聴かせながらもラストに向かって爆発していく構成がたまらない。

 

18位 Behind The Scene/ストレイテナー

ライブMCで「自他共に認める良いアルバムです」と公言しており、その言葉通りのアルバム。 ライブ映えする曲が多く、ギターの大山純が輝いてるなぁと思えるアルバム。

 

17位 Japana-rhythm/BENNIE K

このアルバムは四季というコンセプトで曲順が並んでいる。先行リリースされたシングルもうまくそれぞれの季節に当てはまっていて、最後の『4 Seasons』できちんと着地する綺麗な流れも面白い。後にも先にもシンガーとラッパーの女性デュオというメンバー構成は珍しいのではないかなと思う。  

 

16位 the pillows/MY FOOT

同世代のバンドに比べ知名度は低いと思う。でも、このアルバムはロックバンドとして聞き応えがあり、影響を受けたバンドも多いはず。どうしてもこのランキングには入れたかった一枚。

 

こばやん(妻) 20~16位

 

20位 VISION/ねごと

見た目はかわいくてほわ~んとしているけれど、ライブではかっこいい彼女たち! 『VISION』は宇宙旅行のようなアルバム。いろんな星に着陸して、いろんな生物と遭遇するような感覚です。

 

19位 ニューレコード/D.W.ニコルズ

毎日いろいろあるけれど、生きててえらい! と思わせてくれるのがニコルズだと思っています(笑)『あの街この街』はきっと誰もが感じたことのある気持ちが詰まっているはずです!

 

18位 ジャスタジイ/DJみそしるとMCごはん

ライジングで子供たちに囲まれたおみそはんを目撃! これが最初の出会いでした。食にまつわるあれこれを、楽しく歌ってくれるお料理ラッパーです。聴いたらお料理が楽しくなること間違いなし(?)です!

 

17位 魚磔/GO!GO!7188

学生の時に聴きこんでいたアルバムのひとつ! 1曲目から止まらぬスピード感が刺激的で大好きでした。今はその体力は残っておりませんが……。できることなら解散前にライブに行ってみたかった……。

 

16位 LSC/ラブリーサマーちゃん

「なんだこのかわいい声の女の子は!」と思ったのがラブサマちゃん。『魚の目シンパシー』は魚の目をきっかけに恋心を抱く……という曲で、今までにない目のつけどころの曲が盛りだくさんで面白いです~。

 

さとるん 20~16位

20位 CHAMBERS/Steady & Co.

2000年代、リップ、キック、ケツメを聞いていた人なら聞いていたであろうSteady & Co.。メンツも良し、曲(『春夏秋冬』、『Only Holy Story』等)も良し。

 

19位 Beatbox Only "SPROUT"/SHOW-GO

最近気になってるヒューマンビートボクサーSNSで動画を見て、ビートボックスでこんな音出るの?とどハマり。Somehowは聞いて欲しい曲。
ヒカキンきっかけで独学に技術を身につけて2017年に日本1位、アジア大会3位、2018年に世界ベスト8になったすごい人でした。

 

18位 BUFFALO SOULa flood of circle

僕の中でギターロックバンドはこのバンド。1〜4曲の怒濤ギターロックバンドサウンドに痺れた。


17位 paviliontemudy on the 昨晩

te'に始まりいろいろインストを聞いてきたが、結局はmudyに戻ってしまうそんなバンド。『pavilion』は耳コピしたり、譜面見て練習したことのある曲が入っているアルバムでランクイン。

 

16位 Juice/iri

神奈川県逗子市在住のシンガーiriさんの2枚目。低音域も出せているシンガーでCMのタイアップにもなるよなぁってつくづく思う。

 

のすけ 20~16位

20位 メジャー/SANABAGUN

バンド編成でヒップホップジャズを奏でるという、長らくシーンに現れてこなかった音楽の形態を平成生まれが路上から繋いだことが素晴らしい。個人的には高岩遼という偉大な才能がこのまま埋もれていってしまう事は避けたい。いい作品に巡り合えればなぁ、というのを強く願う。

 

19位 密/柴咲コウ

”若手女優がCDを出してみました”のクオリティーを逸脱してしまった作品。アルバムとしては次作『ひとりあそび』の方が名作だと思う。作詞家・柴咲コウの底力が爆発している。ただ1stも今のシーンで戦える普遍的な曲ばかり。シングルも多く、最初の一枚として入るにはぴったり。後世に残すべき一枚としてはこちらで。 中でも『深愛』はアーティストとしての方向性を決定付けた名曲。

 

18位 THE BOOK/YOASOBI

J-POPのアルバムとしては強すぎる。賛否両論ある気はするけど、この一枚を選ばないのは嘘だなと思った。全体は30分と短い構成の中で、1曲1曲に情景が浮かび良質なオムニバスドラマを見ている感覚に陥る。これでもかと言うくらいのポップネスを注ぎ込んだある意味暴力的な一枚。

 

17位 amp-reflection/School Food Punishment

何度でも言う。10年早かった。サウンドは今のシーンにこそ刺さると思うし、フォロワーが現れるような存在になれたと思う。これだけの音を再現できるような実力を持っていた奇跡のようなバンド。前作までのミニアルバムも後世に残せる作品だが、ポップの観点から見ればバンドとして一気に進化した今作を選択。何杯でも白飯が食べられる一枚。

 

16位 ソルファ/ASIAN KUNF-FU GENERATION

”はいはい、みんな好きでしょ?”って感じ。自分も大好き。今日、唯一説明を全部割愛できる一枚。きっと世間的には『リライト』がアンセムなんだろうけど、個人的なアンセムは『海岸通り』です。

 

ぴろ 20~16位

20位 桜の木の下/aiko

私の中ではaikoと言えばこのアルバムですね!『花火』『桜の時』『カブトムシ』たくさん聴いたなぁ♪

 

19位 musiQORANGE RANGE

『NATURAL』とほぼ1位タイなんですが、アルバム全体の雰囲気でわずかに上回りました。『ロコローション』『以心伝心』『ミチシルベ ~a road home~』『花』。『NATURAL』の『キズナ』『ラヴ・パレード』も大好きだなぁ!懐かしいなぁ!


18位 ACTION!/ROCK'A'TRENCH

ロッカは活動期間が短かったのですが、このアルバムはよく聴きました。『My SunShine』『JUMP STAR』はもちろん、老化が早く進行する難病を患いながらも明るく生きるアシュリーのことを歌った『Every Sunday Afternoon』いいです♡


17位 ロマンチスト・エゴイスト/ポルノグラフィティ

ポルノは1stにしました!『ヒトリノ夜』『マシンガントーク』『アポロ』など、中学生の頃を思い出すなぁ~

 

16位 Fantome/宇多田ヒカル

ひっきーは名曲たくさんありますが、アルバムで言うとこれがいちばん好きです♪ 活動再開して、大人になった雰囲気が大好き。『道』『花束を君に』『二時間だけのバカンス』『ともだち』『桜流し』良いです。

 

がちゃぴん 20~16位

20位 (WHAT IS THE) LOVE & POP?/Base Ball Bear

ベボベが刺さる人間ほど「レモンスカッシュ感覚」を感じられなかった青春ゾンビ(諸説あります)。夢を駆け抜けるみたいに始まってラブ&ポップの〆で現実と向き合う感覚が好き。

 

19位 パレード/Galileo Galilei

本編全てを通して、ずーっと透明感のあるアルバム。さわやかな訳でもなく、むしろ捻くれてて、だけど毎日の背伸びに疲れた脚を素直に投げ出して良い気持ちになるような、繊細で軽やかで透明感のあるアルバム。

 

18位 Butterflies/BUMP OF CHICKEN

俺らの知ってるBUMPは俺らの知ってるBUMPのままだし、だけどBUMPは知らない間にもっと煌めいてたし、だけど俺らの知ってるBUMPだからお前らの中にも煌めきがあるの見えてっから生きてみようぜって言ってくれるんだよな......。

 

17位 musiQORANGE RANGE

全員聴いてた。中坊の目が届く世界ではひとり残らず聴いてた。ゆずや19やBUMP OF CHICKENにのめり込んでいた青春に、「歌詞に意味を求めなくても良い」のパンチで花火
を打ち上げてくれた1枚。

 

16位  幸せが溢れたら/indigo la End

気持ちいいコーラスと、良い意味でぞわっとするベースで、どこかの知らないふたりたちの幸せがあふれてこぼれるまでをずっとぼうっと見つめてるようなアルバム。

 

 

 

~~~ここから録音開始です~~~

 

こばやん 15~11位

15位 (WHAT IS THE)LOVE & POP?/BaseBallBear

こばやん:これは青春だね。青春と言えばこのアルバムでしょ。この前(名曲ベスト30)は『PERFECT BLUE』なんだけど、アルバム単体で聴くんだったらやっぱりこっちがBaseBallBear感が出てるし、ベストアルバムと言ってもおかしくないよねっていう。初期のベボベ感が出てるのはこのアルバムかなと思ってこれにしました。思い出補正もあるかも知れないけど、自分が一番青春をしてた時代にこのアルバムを出されたらやっぱり脳裏にこびりついちゃうよねってところかな。

個人的には結婚式の新郎新婦入場で『BREEEEZE GIRL』を使ったのは良かったんじゃないかなと。

こば妻:「テンション高いですね」って言われて。

こばやん:そう、そのことを(こば妻)がベボベのミート&グリードみたいなとこで話したら「テンション高いですね!」って言われたっていう思いでもある。

のすけ:「ありがとう」とかじゃなくて「テンション高いですね」だったんですね(笑)

 

14位 音タイム/ハナレグミ

こばやん:これは名盤だよと。いろいろ見てて思うのが9曲10曲くらいのアルバムが聴きやすいのかもしれないなと自分の中で思っていて。これも何回もリピできちゃうから。

『家族の風景』が一番ハナレグミの中では代表作かなと思うんだけど、この世界観ってこの曲だけじゃなくて、全体的に聞いていて家族感が出てるというかホッとするっていうかね。家に帰ってきた瞬間みたいなのが詰まってる。家に帰って玄関を開けた瞬間が一日の中で一番ホッとすると思うんだけど、これを聴いてるとその「ホッとする」っていうのがずっと続いてるみたいな。それが体言できてる。

にっしー:『あいのわ』とかとは迷わず?

こばやん:いや、完全にハナレグミは『音タイム』だなって。名盤って言ったらこっちだよねって。

のすけ:こばやんさんのハナレグミはもうちょい上だと思ってました。

こばやん:『音タイム』はもっと上、5位くらいにいたのよ。でもいろいろ挿し込んでいった結果ここまで落ちちゃった。

 

13位 Delayed/Syrup16g

こばやん:意外って言われてたけど俺シロップすげー好きなのよ。鬱ロックみたいなくくりで当時めっちゃ言われてて、Twitterが我々の中で浸透したのが2010年くらいだと思うんだけど、○○16gっていうのをIDに入れてる人めっちゃ多かったと思うんだよね。っていうくらい狂信的なファンが多かったのかなと思っていて。このアルバムはシロップの中でもキャッチーなほうかな、有名なのだと『センチメンタル』とか、Bank Bandがカバーした『Reborn』とか。あと『水色の風』にバンプの藤くんがコーラスで参加してたりっていうのもあったりして。鬱だなんだとか揶揄されがちだけど、精神安定剤になるっていうか落ち込んでるときに聴くと「まぁいいじゃんそれで」っていう気持ちになるから。僕らが直撃したのはリーマンショックで就活がいきなり買い手市場になったりした時に聴いて元気もらってた記憶があるね。

 

12位 初恋に捧ぐ/初恋の嵐

こばやん初恋の嵐はみんな知ってるのかな?

ジロウスピッツのカバーで知ったくらい。

にっしー:アルバム通しでは聴いてないかな。

こばやん初恋の嵐はデビュー前、このファーストアルバムを出す前にボーカルの西山達郎が亡くなってしまってっていうバンドで。『初恋に捧ぐ』がスピッツにカバーされて世間的には一番有名な曲なのかなと思うんだけど、この会でみんなに絶対聴いてほしいなと思ってピックアップしたかったのが2曲目の『真夏の夜の事』っていう曲で。

ミュージックビデオに山本太郎緒川たまきが出てて、すごくいいビデオで。この『真夏の夜の事』っていう曲ってストリングスが最後のほうに入ってきたりしてめっちゃ壮大な曲に仕上がってるんだけど、ほんとに一歩も動いてないのよね。自分の中でいろいろ思いを巡らせて「あんなことがあったよね」「こんなことがあったよね」っていう風に悶々としてるっていう曲なんだけど、その悶々とした感じって誰もが経験したことある、そういう夜って絶対にあると思うんだよね。恋で悩んだり、人間関係で悩んだり。そういう夜があったよねっていうのを思い出す曲になっていて、ずっと歌い継がれていったらいいなと思っている。

あと、初恋って実らないじゃん。それと同じで西山さんが亡くなってしまって残された音源を残されたメンバーでなんとか作り上げたアルバムだから、未完成っていう部分もすごくドラマチックなのかなと。

ジロウ:(スピッツの)マサムネさんが「本当は『真夏の夜の事』がよかったけど恐れ多かった」ってラジオで言っててこの曲をかけてたから印象には残ってる。

こばやん:いい曲なんだよ。スピッツの『初恋に捧ぐ』もほぼ原曲に忠実だからすごくリスペクトを感じるなって思ったね。

 

11位 Chaos in Apple髭(HiGE)

こばやん:髭はこのアルバムが一番好きで。前回も曲では選ばなかったんだけど「髭ってアルバムきいてナンボのバンドでしょ」っていうのがあって、このアルバムはずっと強い、ずっとロック。ガレージを2000年代にずっとやってたっていうのがすごいと思うし、これより前の『PEANUTS FOREVER』はちょっとポップ寄りになっちゃうから、これくらいガレージガレージしてるほうが「髭我が道を行く」みたいなところで『Chaos in Apple』は外せなかったかな。これは後々のバンドマンにも影響を与えてるような気がしていて。

あと髭に関してだと、今はもう編成違うけど、ライブを見たときのパッと見の印象が「なんだこれ?」って思ったんだよね。ツインドラムで下手に変なグラサンをかけたボーカルがいてっていうこの編成はなんだ、違和感しかないよねっていうのがね。

 

ジロウ 15~11位

15位 Apollon/1000say

ジロウ:1000sayは、これがフルとしてはファーストアルバムなんだけどこれまでにミニアルバムを3枚出してて。その頃はもっとエレクトロ強めで、でも「もうちょっと物足りないな」っていう印象だったんだけど、ここでいきなり覚醒というか、ジャケットにも出てる宇宙っぽいコスモみたいなのがすごく似合ってて「一皮向けたな」っていうのをすごく感じてて、2011年当時はかなり聴いてた思い出がある一枚ですね。

のすけ:バンドなんすね初めて知った。

さとるん:最近復活してね。

ジロウ:そう、ちょっと長くやってなくてね。

 

14位 META/METAFIVE

ジロウ:これはもう「神々の集い」みたいな感じで(笑)。高橋幸宏小山田圭吾砂原良徳、テイトウワ、ゴンドウトモヒコ、LEO今井。これだけの人がぶつかってこんなにまとまりがあるのかっていうのがさらに衝撃的で。全部いい曲だし、渋いのよね。エレクトロなのに渋いっていうのを出せるのはこれくらい集まってやっとできることなのかなと感じるアルバム。

にっしー:なんか誰っていうわけでもないのよね。メンバーそれぞれの良さもありつつ。

 

13位 Hi-Fi POPS/ORESAMA

ジロウ:これがね、どこまで伝えられるか分からないけど、ものすごいポップユニットで。さっきのTommy february6はbrilliant greenのアンニュイ感のあるメロディだからそれがいいというのもあるんだけど、このORESAMAはどポップを貫いたっていう感じのあるユニットで。80年代のアゲアゲのダンスミュージック、だけど音は最新っていうのに度肝を抜かれたアルバムになってます。

アニメのタイアップにもなってて、それにも良く合っててね。

 

12位 シフォン主義/相対性理論

ジロウ:僕は『シフォン主義』でいかせていただきました。やっぱりファーストインパクトがすごかったっていうのでここまできてて。まずこれをCDショップで手にとってまずどんなバンドか分からない、裏返して曲名を見てもどんな曲か分からない、それでCDを入れて聴いてみたら最初は『スマトラ警備隊』のダダダダッダッダ♪っていうギターで「激しめなのかな」って思ってたらやくしまるえつこのアンニュイなボーカルが入ってきて「思ってたんと違う」っていう感じが5曲ずっと続いて「もう一回聴きたいな」ってなってしまった。

何かの番組で誰が言ったかは覚えてないんだけど「いい曲は誰にでも作れるけど、心に残る名曲は違和感を入れなきゃいけない」みたいな話を聞いたことがあって、それで考えると違和感しかないアルバムだなというのでこの位置にきました。

こばやん:誰がサビで「コントレックス箱買い」なんて歌詞を書くんだよ、だよな。

ジロウ:今でも分からんよな。

きょろ:オカンが箱買いしとったわ。

一同:(笑)

 

11位 up to you/19

こばやん:19入るんだ。90年代のイメージだったわ。

ジロウ:そう、ギリ入る。で、このアルバムは最後のアルバムなんだけど「もう解散することは決まってたんだろうな」って感じで、曲によって健治とケイゴのどっちが作った曲っていうのが丸分かりで、ボーカルもほぼメインでBメロにちょっと相方が入ってるみたいな曲ばかりのほぼ別撮りみたいな感じ。もうバラバラになるんだなっていうのが予感されていたアルバムで、それが逆に清々しいというか、ブルーハーツの『PAN』みたいな感じで。19という儚いユニットの最後がこれって聴くと「やっぱりそうなのかなぁ」って思うアルバム。

こばやん:『水・陸・そら無限大』がシドニーオリンピックだからそうか。2000年だ。これはイメージがある。

ジロウ:そういうのをやった次の年にはもう解散だからね。19は当時バンドでコピーしたり、今でもそれぞれのソロを聴いたり思い出深いね。

 

にっしー 15~11位

15位 三日月ロック/スピッツ

にっしー:これは王道のような邪道のような。スピッツに関しては、入り口が『三日月ロック』なんですよ。『夜を駆ける』のイントロでスピッツの門を叩いてしまったからには「スピッツはポップじゃないよね、ロックバンドだよね」っていう印象がここで一気に入ってしまった。『けもの道』のラストの高揚感というか「いつまで若手バンドやねん」という気持ちが今もずっと続いてる。っていうのと『ババロア』の今に近いというか、ダンサブルな曲にも挑戦してるっていう「勝手なことしてるバンドやなぁ」っていう、今聴いても一番遊んでるっていうのが『三日月ロック』の印象でした。

こばやんスピッツ入れてる人はアルバム絶対迷ってると思うんだけど、それは一番最初に聴いたからっていうのもあるのかな。

にっしー:最後は『スーベニア』と迷ったところはある。誰か選んでたらなぁ。

スピッツファンたち:『スーベニア』ねぇ~。

こばやん:アルバムとしての纏まりはすごくいいからね。

 

14位 ether/レミオロメン

にっしー:ポップじゃなくてロックバンド然としてるっていう点ではレミオロメンも。実はちゃんとロックバンドなんだよっていうことをアルバム全体を通して主張しているのが好きなのかなと。結果として売れたし、ポップなんやけど、やってることはめちゃくちゃ捻くれてて。『春景色』とかはもっともっと『粉雪』とかじゃないこういう部分がレミオロメンにはあるんですよってっていうのを。ファーストの『朝顔』と迷ったんですけど、『粉雪』『3月9日』だけじゃないっていうのをフィーチャーしたかったのと、藤巻さんのギターボーカルとしての上手さ。あれだけ複雑な指の動きをまったく顔に出さずに弾ききる歌いきる力ってあんまりフィーチャーされてないよなってずっと思ってて。

こばやん:俺レミオロメンをほとんど通ってなくて、『ether』も全然聴いたことなくて、ある日Twitterで「レミオロメンってあんまり聴いたこと無い」みたいなこと言ったらにっしーに「『ether』は聴いたほうがいいよ」みたいなリプライが来て、それからずーっと聴いてるわ。

なんか山梨に行ったときに、フジファブリックレミオロメンって山梨じゃない。甲府のほうに行くとすごく荒々してるのよ。盆地だからずーっと山が見えてて、その風景で育ってるとこういう曲ができるんだなってめっちゃ思った。

にっしー:『南風』とかもそうやけど、曲の中に温度感というか湿度があって。それはフジファブリックもそうなんやけど。1曲目の『春夏秋冬』っていうところから、これ発売が2005年の3月9日なんだけど、春過ぎの暑いんだか寒いんだかよく分からん空気がイントロからずーっと漂わせるっていうのは上手いなと。それは小林武史の力もあるんやろうけど。

ジロウ:僕もこれは「誰か入れててくれー」って思って外したアルバム。ありがてぇ。

きょろ:俺も正味、にっしーとジロウさんに託した。

 

13位 アンテナ/くるり

にっしー:季節感で言うと『アンテナ』は、さっきも言ったけど温度感、湿り気をちゃんとちゃんと帯びた。京都の暑苦しさというのかな。っていうところと、くるりといえばドラムの入れかわり立ちかわり問題もあるけど、クリストファー・マグワイアのドラムだけを音源にして聴きたいくらい相性が良すぎた。もっくんのドラムも湿り気あるんやけど、そこに渇きがあるというか。ホンマに難しいんやけど(笑)。

のすけ:ドラマーとして強いですよね、クリストファー・マグワイアは。

にっしー:強い。だからこそ『ロックンロール』が”ロックンロール”として生気を帯びたものになってるというか。

こばやん:『アンテナ』に関してはにっしーに託してたから。

ジロウ:めっちゃ託されてる(笑)

にっしー:アルバム再現ツアーに行くくらいちゃんと聴かないといけないとなと思ってたし、夜行バスで新宿向かうときは『グッドモーニング』聴くし、『How To Go』でちゃんと「Here we go Rock'n'roll」って言うし。ってとこかな。

 

12位 生命力/チャットモンチー

にっしー:これは全員聴いてるでしょうと。名盤ってこういうことなんですよ、チャットモンチーで言うと。前も高橋久美子作詞の良さを言ったけど、この人は生活感があるなと。ちゃんと生活してる。ミュージシャンとしてじゃなく人間として、旅して、歩いて。じゃないと『親知らず』をテーマに歌詞は書けないでしょう。それがロックとして成立してる。

こばやん:フロントマンが作詞してないっていうのが大きいんかね。

にっしー:うーん。で、その歌詞をもらってえっちゃんがいいメロディを書けるっていうのもあるし。

で、『真夜中遊園地』からB面、第2章が始まるみたいなアルバム全体の構成も緩急があってすごい好きで。今でも聴いてるなってところですかね。

 

11位 YELLOW DANCER/星野源

にっしー:源さんは迷いに迷って『YELLOW DANCER』。『ばかのうた』と最後まで迷って。ずっと高揚感があるんだけど落とすとこは落としてっていう緩急と。『Week End』が、これ『恋』の出る前の年、2015年のアルバムなんやけど『Week End』の時点で「今を生きるすべての人に捧ぐ」って歌っちゃってるんですよこの人は。ってことはこの時点で国民的になろうとしてるんですよ。ニッチな存在にだけでもいいけど、ドームツアーとか見据えて虎視眈々と準備してたんじゃないかなっていうのが見えてきてて。それが『POP VIRUS』のツアーで完成したのを見てると『YELLOW DANCER』の時点で5万人のドームを見据えてたんじゃないかなと。あとは『Friend Ship』って曲が単純に大好きですね。今もラジオのエンディングテーマになってますけど。

こばやん:その後にも『Hello Song』で「何処の誰か知らないが出会う前の君に捧ぐ」って全国民だけじゃなくて後世の人にも歌っちゃってるもんね。あれはメッセージ性というか物語を感じるわ。

にっしー:「電波を世間を未来を踊ろう」っていう『Week End』があってそこからその『Hello Song』。なんか「かっこいいことするな」っていうね。

こばやん:2回病気してるから怖いものなしなんだろうなって思うわ。

にっしー:『Stranger』あたりのもがき苦しんでる感じも好きといえば好きだけど、そこから開き直って『地獄でなぜ悪い』とかハッピーオーラに振り切った感じが『YELLOW DANCER』にはあるね。

きょろ:ビックリ箱がパァンと開いたみたいなね。わかります。

 

きょろ 15~11位

15位 K.AND HIS BIKE/the band apart

きょろ:bad apartというバンドですね、個人的にはもっと世に評価されてもいいんじゃないかなっていうバンドのひとるなんです。すごく全員の演奏力が高くて、これをコピーできる人はすごいと思うことが多くて。で、このアルバムに初めて出会った時にオシャレなロックバンドというか。ちょっとキラキラしてる雰囲気もあるし、でもガツッと落とすとこも持ってるし。

で、このバンドの変なとこはライブの編成がスリーピースの立ち位置でやっるけどセンターがマイクも使わんリードギターが頭ブンブン振りながら自分たちの出してる音に酔いながらギターを着実に確実に弾くっていうあの姿がすごくかっこいいバンドで。ドラムも「立ってドラム叩いてんのか」ってくらいイスが高いというところでお馴染みのということをやりながらすごい細やかな演奏力が高く、ベースに至っては指弾きできませんっていいながら「ピックでそんなことようやるわ」みたいな。またこのベースが極悪な音をしてるというか、人相がそのまま音に出てるというか(笑)。ベースラインとかも聴いててすごく心地がいいことをさらっとやっている。ボーカルに至っては常人じゃできない弾きながらこれを歌うのはこの人じゃなきゃ不可能なことをやってる。なんならリードギターよりも難しいことをやってんちゃう?っていう。というところに惚れたバンドですね。

のすけ:原さん2回くらいライブでウンコ漏らしてますもんね。

きょろ:それは言わないお約束(笑)

のすけ:あれ?誰もピンときてない?

きょろ:という、玄人ウケするバンドなのかなと。演者側から見てというか。そんなファーストコンタクトだったのがこのアルバムですね。

 

14位 僕がCDを出したら/KANA-BOON

きょろ:この位置にしたのはやっぱり思い入れがあって、嫁と出会って……

こばやん:お?またのろけですかぁ?

きょろ:(笑)これは半分嫁の力なんやけど、嫁がめちゃくちゃ小さいハコ、キャパ150人とか300人MAXとかのハコにちょこちょこ行くような趣味な人で。「KANA-BOONっていうバンドおんねんけど聴いて」って言われて聴いたら「結構良い曲やねー」、「今度ライブあるけど一緒に行けへん?」って言って。その時大阪の堺にある三国ヶ丘FUZZっていう(KANA-BOONの)ホームタウン、実家みたいなところで違うバンドが企画したやつにKANA-BOONが乗っかってくると。っていう時点から泉大津フェニックスで1万5000人のワンマンやるまでのあの流れを見てしまうと、これは入れないと自分の中で辻褄が合わない。ちゃんと1からバンドのサクセスストーリーを見たっていう。すごい速度で、正攻法で駆け上がって行く人たちを見た、っていうのがすごく痛快で。

その当時KANA-BOONがあみ出した裏打ちに乗せたギターポップな曲の原点なのかなって感じもするし。その発明というかパイオニア感というか。そういう感じが見えて、根っこの部分から底上げしたいいバンドだなと思います。

 

13位 ソングライン/くるり

きょろ:迷ったよ、ああ迷ったさ。でもこれは自分の想いと思い出補正で成り立ってるチョイスです。これは京都音博っていうくるりのフェスが毎年あって、そこでみんなでシートゾーンで夕暮れ、ビール飲みながらビールの歌歌うバンド観て。その年はほぼほぼこのアルバムからのラインナップで。前のバンドも良かったしっていういろんなことが巡ってくる。

で、現段階でわたくし、くるりの中で一番好きな曲が『その線は水平線』なんです。それまでの一番は『ハイウェイ』やったんです。でもそれを軽々ヒュイッと抜いていったのが『その線は水平線』。歌詞、曲の流れ、すべてを取って「くるりくさいな」って「くるり臭がすぎる」って。アルバムを通して聴いてもまとまっているように思えて、くるりの一番好きなアルバムということで選びました。

こばやん:音博に関して言うと2010年からずーっと行ってて、個人的にどんどん人が増えてるのが楽しくて。俺が唯一毎年同じ場所で写真撮ってるのってあの場所だけなのね。だからまた続いてってほしいなって思うし。

にっしー:もはやあれはフェスとは思ってない、同窓会みたいな。

 

12位 超克/BRAHMAN

きょろ:これはあの忌まわしき東日本大震災が無ければこうはなってなかったんだろうと思う。一曲だけカバー曲が入ってるけど、全曲日本語詞で。

このアルバムのちょっと前、みんなが自分のいる場所が震源地だと思ってたあの日からこのバンドのボーカルは変わりまして。ステージの上、客前でもずっと何十年も喋ってこなかった。半泣きになりながらでも服がぼろぼろになりながらでも最後「ありがとう」も言わずにそのままよたよた帰っていくっていうスタイルをずっと貫いてた人が、このアルバムのちょっと前からすごく喋るようになって。この人が言ってることは横暴な部分もあるなとは思うけど、正しいことは多くて、MCの中で「人は死ぬ。地震で、火事で、寿命で、事故で死ぬ。その一分一秒を前のめりで行って死ぬってことを恐れてはならない」みたいなことを毎回言って最後に「本日、晴天の」って言ってこのアルバムの『霹靂』にかけてライブを締めるのが多くて。

このアルバムを出すことによっていろんな活動をして細美武士と仲良くなり、今や兄弟と言えるような交友をするようなバンドになって。前からちょいちょい聴いてたけど、このアルバムで「この人たちは信用できる」というか、心強いお兄さん的な存在だなって。この人たちがいるからしばらくは安心だなって。これは刺さることが多い一枚ですね。

のすけ:日本語詞になって変わったって印象ありますけど、根底の部分では変わってないんですよね。BRAHMANって名前がそもそも仏教用語だし、生命とか輪廻転生みたいなテーマって奥深くにあったから。そういう変わってない中で一歩進んだっていうのが『超克』ですよね。

 

11位 耳鳴り/チャットモンチー

きょろ:こばやんがさっき「ベボベの時に青春が~」って言ってたけど、これが俺の中ではそうかなと。FM802ヘビーローテーションになった時に知った『ハナノユメ』。『一等星になれなかった君へ』がすごく好き。『恋の煙』、『恋愛スピリッツ』……シングル曲がちょっと落ち着き目なのかな。で、『プラズマ』、『メッセージ』、『ひとりだけ』で終わるけど、この『ひとりだけ』の時の歌詞にちょっとやられてるとこが強くて「夕日色のギターを何度もかき鳴らして」ってああ、あのギターのことかって情景が浮かぶ、あのテレキャスのことだろうなって。俺はその歌詞でえっちゃんに憧れてテレキャスを買うくらいチャットモンチーがすごく好きになったし、このアルバムがチャットモンチーの中ですごく好きやし、どうしてもチャットモンチー聴きたくなった時は最初これを聴く。その後流れでさっきのにっしーの『生命力』、その後『告白』に流れていくっていう。

にっしー:3部作的なところあるよね。

きょろ:そう、それなのよね。『ウィークエンドのまぼろし』なんかもすごい曲やし。なんかガールズバンドっていう枠を超えた、今の軸を作った人たちではないかなって思うのがすごくでかいです。

 

こばやん(妻) 15~11位

15位 女優姉妹/吉澤嘉代子

こば妻:忘れてた若いときの女心を(笑)、そんな気持ちもあったな~って。

ジロウ:これは僕も迷った。

 

14位 きみのためにつよくなりたいサンボマスター

こば妻:日本語の歌がめっちゃ好きですね。元気になりますね。今ライブに行って元気をもらいたいナンバーワンのバンドですね。

こばやん:定期的に会いたくなる親戚の兄ちゃんって感じだよね、サンボマスター

 

13位 THE PIER/くるり

こば妻:さっきにっしーさんが悩まれてたから。

こばやん:誰かしら入れるってことだね。

にっしー:すごく挑戦的なことしてますよね『THE PIER』は。『Liberty & Gravity』とか。

こば妻:うん、そのミュージックビデオも好きですねぇ。最後の曲(『There is (always light)』)のも。

 

12位 バラード/ザ・なつやすみバンド

11位 生命力/チャットモンチー

こばやん:ここはチャットモンチーゾーンかな?

のすけ:4人連続チャットモンチーなるか?

 

さとるんキッズ 15~11位

15位 SCIENCE ROCK/avengers in sci-fi

さとるん:もう宇宙ですよね。これを聴いて宇宙しか思い浮かばない。スリーピースでこの音を出すのかっていうくらい、最初に聴いたのが『Homosapiens Experience~』なんで。それの印象が強くてそのままアルバム一枚聴けちゃうような。宇宙がコンセプトのバンドであり、そのままアルバムでも通じるかなってところで15位。

 

14位 理想的なボクの世界/plenty

さとるん:ミニアルバムなんですけど、ベスト30*1にも曲が入ってますけど。plentyの曲はしんみりした時によく聴いてたなって印象強くて、この『理想的なボクの世界』は最初から最後までずっとリピートして聴いてるっていうのは強いですね。

 

13位 DANCE FLOOR MONSTERS/the telephones

さとるん:「the telephonesですよね!」っていう(笑)。『We love telephones』かで言ったらまあこっちでしょうと。

 

12位 リトルメロディ/七尾旅人

さとるん:前作の『billion vices』の『Rollin' Rollin'』から聴いて、「こんないい感じの曲を作るんだろうな~」と思って、このアルバムの『圏内の歌』を聴いたときにやられました。これはもうズルいというか。1曲目30秒くらいの曲が流れて、2曲目『圏内の歌』で3.11のことがあって、アルバムができて、「子供たちをどうにか遠くに行かせなきゃ、でも私たちはここにいますよ」みたいな曲が出てきた瞬間に「これを2曲目にするかね」と。『サーカスナイト』も『アブラカタブラ』もあるけど2曲目の印象が強すぎてどうしてもこれは後世に残したいなという印象も強くてこの順位。

こばやん:『リトルメロディ』を選んでくれる人がいてくれてよかった。『圏内の歌』はね、ホント反則的。

 

11位 Vivid/The Brixton Academy

さとるん:前回のことも踏まえて一番印象強い曲もあるのでこの順位となっております。

にっしーThe Brixton Academyは(さとるんのベスト30で聴いて)曲単体でしか聴いてないけど良かった。アルバムも通して聴くわ。

 

のすけ 15~11位

15位 OZ/100s

こばやん:ありがとう入れてくれて。

のすけ:これを選んでて好みが見えてきたなって。”光”みたいなものを感じる曲っていうのが自分は好きなんだなぁと。言葉遊びとかアルバム全体でストーリー、縦軸一本入ってるみたいな。そういうのが好きなんだろうなというのを今回ひしひしと感じたっていう感じで。

それが『OZ』はドンピシャ。中村一義の言葉遊びも炸裂してるし、いいアルバムだなぁと思います。個人的にこれは聴くたびに暖かい光の温情を感じるみたいなすごい一枚やなぁと思います。

 

14位 eyes/milet

のすけ:縦軸一本入ってるって言いましたけど、miletは違うんですよ。デビューしてからアルバム出すまでが長かったので、ベストアルバムみたいな感じになっちゃってるんでっていう意味でこの順位にしたんですけど。

デビューから追いかけてましたけど、やっぱりmiletはすごいんですよね。サウンド自体は王道なんですけど、よく聴いたら歌声がちょっとクセあるんですよ。そういうところが違和感。さっきの名作は作れるけど違和感を~みたいな。それが彼女の歌声っていうのはそうかなと思ってて。それが僕も心を掴まれたし、リスナーも心掴まれた。その結果が去年一気にブレイクして紅白まで行っちゃったっていうのは本当にすごいなって思いますね。こっから先が楽しみでしょうがないですね。

こばやん:あんまり今までの日本人でこんな歌い方する人いなかったよね。

のすけ:いなかったですね。2018、19年ってめちゃくちゃ女性シンガー出てきたんですよ。そこからやっぱ残ったなぁっていうのはいわゆる唯一無二なのかなと。

にっしーあいみょんにスポットライト当たりすぎてmiletとかiriとかにももっともっと陽が当たればなって気はするよね。

 

13位 Pepperoni Quattro/ELLEGARDEN

のすけ:これはもう語らずもがなかなぁと思いますね。普遍性みたいなのすごいなって。多分この『Pepperoni Quattro』が出たときって、こんなモンスターバンドになる一歩手前で。でもこれ聴いたら「まあまあそうなるわな」っていう一枚かなって感じですね。日本を代表するバンドになる必然性みたいなものを感じる。

 

12位 マニフェストRHYMESTER

のすけ:ヒップホップ2010年代聴いた一番はこれだったかな。やっぱり2000年代前半にヒップホップのブームみたいなのが一発ドーンと来て、それがちょっとずつ下火になってまたアングラに戻り始めたところで。どうしてもRHYMESTERの作品ってアングラ臭がしてたかなと個人的には思うんですけど、この作品でシーンを引っ張っていくっていうようなことを明確に表したんだろうなって。一番最初(『ONCE AGAIN』)にDさんが「RHYMESTER is back here」っていう風に高らかに宣言したみたいなところもあるから。

なによりこのアルバムは今でも語られることが多い、某ヒップポップデュオのラジオなんかでも頻繁に出てくるくらい、それだけ後世に影響を残してるアルバムなんだなってこの時代を一緒に生きてきてリアルタイムで聴けたのは本当に嬉しく思うんで。やっぱり日本のヒップホップっていう意味では僕はこれを残すべきなんじゃないかなって思って『マニフェスト』を入れました。

ちなみに世界のジャケットがダサいベスト10みたいなのにも選ばれてましたね。

こばやん:そっちで有名ってのもあるよね。

のすけ:そうなんですよね。でもRHYMESTERでチャートとしても一番売れてるんですよね。『ONCE AGAIN』で始まって『ラストヴァース』で終わるっていう綺麗な一枚だなと思ってます。

にっしー風とロック芋煮会っていうイベントで『ONCE AGAIN』を高らかに歌ってたのがかっこよかった。名曲ですねぇ。

 

11位 Keeper Of The Flame/the HIATUS

のすけ細美武士連続なんですけど、ホントにアルバムごとに違う一面を出していて今回もエレクトロニカをガーンと出してきて「また新しいことやっとるで」とそれがめちゃくちゃかっこいいっていうところもある。作品として素晴らしいっていうのは言わずもがなですね。

この中の一曲『Something Ever After』っていう曲を前回ベスト30にも入れてるんで、ホントに作品として素晴らしいってのもあるんですけど。ここで細美武士がバンドマンというところからアーティスト、ボーカリストになったと思うんですね。この辺からライブでギター置いてマイク1本でするようになったのが衝撃でしたね。多分2000年から2030年くらいまでに区切った時にターニングポイントになると思ってますね。日本の音楽史、ロック史の中で実は語られるくらいのアルバムなんじゃないかなっていう意味でこの順位に置きました。

 

ぴろ 15~11位

15位 そうかな/小田和正

レジェンドの愛すべき1枚!さわやかであたたかい言葉とメロディに包まれます。小田さんの音楽は本当に"風のよう"ですね!「大好きな君に」「Re」「たしかなこと」「明日」「風のようにうたが流れていた」好きだなぁ。

 

14位 言葉にならない、笑顔を見せてくれよ/くるり

くるりは、『NIKKI』『魂のゆくえ』も好きで迷いましたが、『言葉にならない、笑顔を見せてくれよ』の「無題」で始まるところがポイント高くて選びました。一気にくるりの世界に惹き込まれます。「魔法のじゅうたん」からの「シャツを洗えば」は、ありがとう!!って感じです!w

 

13位 ケツノポリス3/ケツメイシ

「涙」が入ってる『4』と迷いましたが、アルバムを通してなら『3』です!(バテバテ)でダラダラと何かやってるなと思ってたら「はじまりの合図」でシャキッとするのがいいです。「夏の思い出」「幸せをありがとう」「花鳥風月」は言わずもがな、「門限やぶり」もよく聴いたなぁ〜

 

12位 夕風ブレンドスキマスイッチ

『夏雲ノイズ』『空創クリップ』と並ぶ三大スキマスイッチの1つであり最高傑作だと思います。「ガラナ」「ボクノート」「アカツキの詩」はもちろんですが、「スフィアの羽根」「惑星タイマー」「月見ヶ丘」の流れも大好きです。

 

11位 瞬間的シックスセンスあいみょん

若い勢いのある『青春のエキサイトメント』と、名曲揃いの『おいしいパスタがあると聞いて』と迷いました。けど「満月の夜なら」「マリーゴールド」「今夜このまま」「GOOD NIGHT BABY」は安定の強さ。あいみょんの作品は今っぽさも懐かしさも感じられ、独特な世界観や攻めた表現もあって、これからもとても楽しみ♪

 

がちゃぴん 15~11位

15位 Creepy Nuts/クリープ・ショー

初っ端から通してショーを観てるような音と言葉の起承転結が気持ち良い、そしてラストにリード曲(のようなポジションの曲)「スポットライト」で「とっくに幕はあがってんぜ」はメタ視点的に気持ち良すぎる。

 

14位 ゆず/トビラ

ゆずだって病む、いやゆずってそもそも捻くれてる、だってフォークってそうだもん、あっけらかんと笑って見せるだけじゃない、ギターが何より哀愁と相性がいい楽器だと思い出せる、そして大人になって聴いて病む。

 

13位 藤井風/HELP EVER HURT NEVER

令和にこの曲調に回帰したうえ、「地方からでも音楽を発信できる」なんてもんじゃない、それをアドバンテージにずぶずぶの地方出身者にしか作れないノスタルジーを生み出す天才ド天才。

 

12位 ズーカラデル/ズーカラデル

アーティストが使える必殺技その1がセルフタイトルだとどこかの壁に書いてありました。一度しか使えないから。なんというか、どんな時代にも、ほんとうになかなかいなくて、だけど必ず居てくれる、全世代にとって「僕ら」の歌になりうる、その「僕ら」の安心感をぎゅっと担ってくれる1枚。

 

11位 RIP SLYME/MASTERPIECE

アーティストが使える必殺技その1がセルフタイトル、その2が「masterpiece」と言い切ることだとどこかの壁に書いてありました。キックかリップかケツメ、の時代を生きたと思うんですけど、リップはやっぱり絶妙な緩さが大人になった今一層気持ちいい。

 

 

……といったところで折り返し。人数増えたしコメントもたんまりいただいたので前回以上の文字数になってしまうこと必至なので前後編に分けることにしました。

しかし、下位といえど被ったのが『ハイファイ新書』のみ。それぞれが信頼し合ってる場面もあったのでこのまま被らずにいくのかそれとも反動でジャンジャン被っていくのか、想いの乗っかり過ぎた後半という名ののトップ10はこちら!

colapoly.hatenablog.jp

 

*1:さとるんにもこの少し前にベスト30を選んでもらっていました。その内容がこちら。

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