べっかん

ヤマグチジロウの諸々の別館。

オススメ漫画と2021年夏のお話。

 

 

個人的にいろいろあった2021年夏。今回もオススメしていきたいと思います。

というわけで、2021年7~9月に新刊が発売された作品の中からピックアップしてオススメしていきます。

毎度のことですが、面白い順とかではなくて打順みたいなものです。

 

ジャンボマックス

小田原で薬局を営み、美人の妻とその連れ子である娘と共に幸せな日常を送っていた主人公の曽根建男。しかしある日妻から妊娠を打ち明けられ、今まで一度も下半身が機能したことがないという秘密を抱えている建夫は妻の子は自分の子ではないと絶望してしまう。
そんな時、須磨岡という男から謎のED薬を貰い受け、衝動的にその薬を飲むと下半身に今までの人生にないような衝撃を受ける。建男は残り少ないこの薬を自分が再現し、自分と同じ境遇の人のために増産していくと宣言。それは建男の人生を大きく変える危険な日々の入り口だった……。

ラジオパーソナリティーが「主人公が自分に似てるし面白い」と取り上げていたことから手に取ったのですが、思った以上に似ている……。高橋ツトム作品は『スカイハイ』シリーズ以来(『ギターショップロージー』を先に紹介してしまいましたが……)なので「そうそうこんな感じ」と楽しんでいます。他作品を知ってるからこそ、とんでもないところに転がっていってしまうのではとワクワク半分ハラハラ半分で読み進めてしまいますね。既にもう一段階転がり始めてるし。あ、アメトーークでも大々的に取り上げられましたね。

 
JUMBO MAX (1) (ビッグコミックス)

 

アイテルシー

主人公の女性刑事・相生りさはある事件をきっかけに、犯罪者に対して恋愛感情を抱くようになってしまう。そんな愛し犯人のためならどんな危険な、時には犯罪的行為をも厭わずに接近し事件を解決していく……。

なんで僕が少年誌作品を手に取るとすぐに終わってしまうんだろう……。愛で事件を解決というあらすじだけ聞くと某氏の忌まわしき某作に似てるように思えますが、こちらの相生りさはかなりオフェンス系の愛で攻めてるのが面白いですね。犯人のキャラも過去の因縁なんかも垣間見えてたのでもう少し見てみたい作品でした。

 

アイテルシー 1 (ジャンプコミックス)


炎上ヒーローアコ

ストーカー、パワハラ、やらせ、パクリ、裏アカ……大炎上時代の世の中で、世を騒がす不届き者たちを罰する配信者"炎上ヒーローアコ"。彼女の洞察力やリスナーの協力で様々なケースの悪者を"炎上"させていく……。

勧善懲悪、とは少し違いますかね。毒を持って毒を〜って感じで、いわゆるメシウマな逆転劇を現代的な方法で展開していくストーリー。鼻持ちならない感じもありつつ、なにか裏もある描写もあって続きの気になる作品ですね。

 
炎上ヒーローアコ 1 (ヤングジャンプコミックス)


いいからしばらく黙ってろ

婚約者も、就職先も、住む場所さえなくなった主人公・富士。卒業直後の飲み会で見かけたチラシに誘われるように彼女がたどり着いたのはオンボロ劇場。開演間もなく起きたトラブルがきっかけで、社会のはみ出し者が集う小さな劇団"バーバリアン・スキル"と運命を変える関わりを持ってしまう。

いつぞや紹介した「まくむすび」が終わってしまって演劇モノの漫画を求めて彷徨った先がここでした。もう一つあるのでそれはまたいつか。演劇メインではなく裏側メインって感じですかね。そもそも崩壊寸前で舞台どころではないので。それでも原作の小説的な心情描写も含めてのめり込んでしまう作品です。

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いいからしばらく黙ってろ! 1 (BRIDGE COMICS)

 

地図にない場所

中1にして「人生終わった」と絶望する少年・土屋悠人。留守気味だった隣人の天才バレリーナ・宮本琥珀が怪我で引退、母親も亡くしたばかりで天涯孤独の帰国というニュースに「俺より終わってそうなやつが見たい」と回覧板を口実に訪ねる。思ったよりも絶望感はなく、むしろ天才バレリーナの影のない天然っぷりでバレエ以外はてんでダメ。生活のあれこれを手伝ってるうちに懐かれてしまい……。

こちらものめり込み度ではかなりのもの。何かを失ってしまった二人が何物でもないものを探しに行くという掴みどころのないものですが、それでも面白いのは漫画的表現や心情描写が綺麗だからなんだと思いますね。


地図にない場所 (1) (ビッグコミックス)

 

以上です。なんか縦軸探してみたら人生どん底の人だったり、どん底に落としたり、どん底に落ちていく人だったりの、別にそういうのが好みっていう意識はないんですがそうなっちゃいましたね。心象風景? いやいやそんなそんな。

最近眠れない時間を利用して積まれていた漫画をどっさり読むみたいな、いいのやら悪いのやらっていう感じでいろいろ読んでいるのでまだまだ面白いものに出会ってオススメすることができそうですね。

それでは。