べっかん

ヤマグチジロウの諸々の別館。長文を書きたいお年頃。

掘りがいと未勝利スポーツ漫画のお話。

 

やあ、ヤマグチジロウだよ。

 

世の中にはたくさんのスポーツ漫画があるよね。例えば僕が今読んでるのもで言えば今はジャイキリとか、あれ意外と無いな。昔々でいえばH2とかストッパー毒島とか。まあ昔から野球が好きだから野球が多いのだけど。

そんなスポーツ漫画の中で、連載が終わるまで未勝利のものをピックアップしてみたいと思いましてね。

だってジャンプ漫画の三大要素が「友情・努力・勝利」というのはよく聞く話だけれども、ジャンプ漫画だけではないとはいえ、そのうちのひとつである「勝利」を得られていない漫画。しかも勝利が大きな物を言うスポーツを扱った漫画を集めてみたら面白いじゃない? だって4巻以降全然アイスホッケーやってない『行け!!南国アイスホッケー部』(※1)だってそれなりに勝ってたのに! って思ったものでね。以前(※2)漫画カテゴリーの有効活用を掲げたついでにやってみようじゃないかと、そう思ったわけですね。そんな感じでお願いします。

あ、薄々感づいてる方もいるかと思いますが、未勝利で終わるってことはいわゆる打ち切り作品の色もあり、さらにサンプル数も少なく何年も前の作品もピックアップしているのもあって、今現在手に入りにくいものばかりなのですね。そういった中でもKindleで配信されている作品があったりするので、気になったらそっちのほうでチェックしてみてください。

 

Sweep!!

それではひとつめ『Sweep!!』。

タイトル、そして表紙を見れば分かる人もいることでしょう。カーリングの漫画です。

1998年の長野五輪でオリンピックの正式種目に選ばれて以降、知名度も上がりつつある競技ですがまだまだマイナーな競技です。そうなるとメジャーなスポーツと比べるとルールを説明しなくてはいけないというある意味での制約が生まれてしまう。それも相まってメジャースポーツよりも展開が遅くなってしまうという印象も多いです。

とはいえ、ちゃんとルールを説明してくれるのは確かなのでこれを読めばカーリングのルールはだいたい分かります。特に今オリンピックシーズンでカーリングを見る機会も増える時期に読んでみてはいかがでしょうか(なんでもうちょっと早くおすすめできなかったのかとは言わないでおくれ)!

ちなみに全3巻。ラストに主人公とその仲間たちが日本代表として試合に挑んでいる描写がありますが、明確に「勝った」というところがないので、未勝利とさせていただいております(そうしないとサンプル数が少ないもので……)。

(2月25日追記:なんとまあ平昌オリンピックで女子チームが銅メダル! 割と昔からカーリングが好きで、それもあってこの漫画も手にしたところがあるのでとても嬉しいですね! そだねー)


Sweep!! 1 (バーズコミックス) コミックス

 

RING

続いては『RING』。

あの『世紀末リーダー伝たけし!』を描いた島袋光年先生が例の事件からの復帰後初めて描いた作品です。『トリコ』が復帰作だと思ってる方も多いでしょうが、実はこちらのほうが先で、『トリコ』は少年ジャンプでの復帰作にあたるのです。

そしてこの作品の最も特出されるべきは、この作品で扱うスポーツがこの漫画を描くために作られたオリジナルのスポーツだという点です。

そうなるとメジャー、マイナーどころか、この世に存在してないスポーツなわけですから上記の通り、むしろもっと事細かにルールの説明が必要になってくるというところが、まあ敗因といったところでしょうか(どんなスポーツか、ざっくりと言えば輪投げとサッカーとバスケを混ぜたようなスポーツです)。

奇しくも『Sweep!』と同じく全3巻。その中でも主人公が参加せずにピッチの外でルール説明を受けている紅白戦と、作中での最終戦である練習試合の2試合だけの作品となっております。一応、第一部の終わりとなっておりますが、『トリコ』のほうが大当たりしてしまった現在、第二部以降は未定と言ってもいいでしょう。


Ring 1 (ジャンプコミックスデラックス) 

 

かっちぇる♪

3つ目は『かっちぇる♪』。

こちらはようやくメジャーなスポーツ、バレーの漫画です。

球技大会で偶然見事なトスを決めたことに気を良くした主人公が、部員0・廃部寸前のバレー部を建て直すという、設定としては王道なものです。

しかし主人公をはじめとする登場人物には、スポーツ漫画にありがちないわゆる特殊能力を持っている人物もおらず(途中経験者が入部する程度)、その内容の重きは彼女たちのまったりとした青春にスポットが当てられていると言ってもいいでしょう。全6巻と前出の2作品に比べては多い巻数からもそのまったり感がうかがえます。

ちなみにこの作品の舞台は長崎県で、この作品と『スケッチブック』という作品によって少年期の僕は九州の言葉を身に付けたのです。お陰で同じく長崎が舞台の漫画作品『ばらかもん』や現在大河ドラマで放送されている『西郷どん!』なんかの方言も違和感なく受け入れられております。

 
かっちぇる 1 (月刊マガジンコミックス) 

 

白球少女

ラストは『白球少女』。

未勝利スポーツ漫画というジャンルを思い浮かべて、真っ先に浮かんだ作品がこれです。なぜなら他の作品は何だかんだいっても「もしかしたら勝ってたかも……」という己の記憶への迷いがあったのに比べて、この作品は勝利どころか一試合もしていないからです。

先に述べた通りマイナースポーツならルール説明も必要でしょう。短期打ち切りなら構成上仕方ない部分もあるでしょう。しかしこの作品は野球というどメジャーなスポーツでそこそこな5巻まで出しておきながら一試合もしていない、逆に清清しい作品なのです。

とはいえ、個人的に大好きな作品なんです。一試合もしてない代わりにハイテンションなギャグや、随所に散りばめられた小ネタなどが爽快で、野球をしてない野球漫画では一番好きな作品です(そんなの他に例がないですが)。

特に最終話目前で仲間の部員が裏切って加入した他の高校との練習試合が組まれたにも関わらず見事にすっぽかしたというところで「そうこなくっちゃ!」と心が沸いたものです。

 
白球少女(1) (フレックスコミックス)

 

さてさて、いかがだったでしょうか。如何せんスポーツ漫画というのは守備範囲の際の際なので、この他にも未勝利のスポーツ漫画があったら教えてください。基本的に他人から薦められたものはよっぽど刺さらない限りは手に取らないのですが、この新たな(?)ジャンルは掘りがいがありそうです(巻数も少なそうだしね)。

そんな感じで、一見するとガッカリな作品群のように思えますが、一勝もしてない代わりにそれぞれに面白い部分があるので興味があったら手にとってみてください。

 

それでは。

 

(※1)『行け!!南国アイスホッケー部』は、後に『かってに改蔵』や『さよなら絶望先生』を描く久米田康治先生の連載デビュー作。全23巻。本人曰く、「あだち充作品のような青春スポーツ漫画を描きたかった」はずが、それとは全く逆の下ネタ漫画と化してしまった、ある意味彼の作風を決定付ける作品。

 

(※2)かねてより漫画大好き少年だったにも関わらず、漫画カテゴリーの記事が少ないということで書いた記事。これを書いて以降、買った漫画を意識してみれば半年に1回とは言わず1クールに1回紹介記事書けるんじゃないかと思っている今現在。

colapoly.hatenablog.jp