べっかん

ヤマグチジロウの諸々の別館。

傾向とお笑い事務所のお話。【ワタナベエンターテインメント編】

 

お笑いが好きなのでバラエティが好きです。そのバラエティ好きをテレビ局ごとに傾向を表したこともありました*1

そしてお笑いが好きなのでお笑い芸人もそしてお笑い事務所も好きです。なので新たな軸としてお笑い事務所の傾向を表していきたいなと。なんかいつかそう言った気がするけど、言ったまんまダラダラとしているうちに某大きな事務所に大きな転機があったのでね、やっておこうねと。

 

という前置きではじめていきましょう。初回はワタナベエンターテインメントです。

今、一番勢いのある事務所と言ってもいいのではないでしょうか。ここ数年で厚切りジェイソンブルゾンちえみサンシャイン池崎、平野ノラなどのブレイク芸人を輩出し、ハナコ四千頭身などの若手実力派も抱え、さらにはにゃんこスターや完熟フレッシュのような賞レースを沸かせたフリー芸人の青田買いまでもしてしまう磐石さが光ります(にゃんこスターに関しては、キングオブコント主催であるよしもとが声をかけた時には既にワタナベとおおかたの話がついていた。というほど)。

 

そんなワタナベの勢力図はこんな感じ(2019年現在)

大御所 (芸歴35年以上) 中山秀征

ベテラン (芸歴25年以上) ホンジャマカ ネプチューン TIM

中堅 (芸歴15年以上) ふかわりょう ビビる大木 ザブングル ロッチ アンガールズ など

若手 (芸歴5年以上) サンシャイン池崎 ハライチ あばれる君 ハナコ Aマッソ など

新人 (芸歴5年未満) ブルゾンちえみ ブリリアン 四千頭身 など

むしろ、この勢力図を各事務所でやりたいがためにやり始めたフシさえありますね。楽しい。

とまあ最初に言った通り、メンツを見ただけでも上から下までなかなか磐石な体制ですよね。中山秀征、恵俊彰(ホンジャマカ)、ネプチューンなどゴールデン番組のMCをこなす層もいれば賞レースの決勝進出者も大勢。石塚英彦(ホンジャマカ)、ロッチ中岡、あばれる君などの外ロケを得意とする芸人も多数います。

 

ここまでを踏まえて、僕の考えるワタナベエンターテインメントという事務所の傾向はキャラと戦略の強みを持った事務所です。

先に挙げたここ数年のブレイク芸人を見ても、最初こそキャラをウリにしたネタで注目を浴びていたものの、時間を経るにつれて自分の得意ジャンル(サンシャイン池崎おはスタレギュラー、厚切りジェイソンEテレなど)を見つけていわゆる一発屋芸人にはならずに一時期ほどとはいかずともレギュラー番組を持つなどの露出をキープしている印象があります。

というのも、ワタナベの芸人は養成所時代からキャラやネタを事務所がチェックし、芸人によって売り出し方や戦略を一から話し合うという徹底ぶりらしく、多くのMC層を抱えバーターを起用できるという土壌と併せて早くからスターダムに押し上げる環境が整っていると言えるでしょう。

ここ数年に限らず、ふかわりょうやビビる大木など独自のルートで情報番組のMCを担当した芸人や、ロッチ中岡の人懐っこさやアンガールズ田中のお笑いを熱く語ったりのようにブレイク当時とはまた違った魅力で露出を増やしているのを見るとひとつのキャラクターにとどまらずに光るものをどんどん伸ばす姿勢がうかがえます。

 

また、このたび起きた反社会勢力との闇営業問題でも、ワタナベ所属であるザブングルに対しての処遇をいち早く、それも完璧とも言える文面で発表し、後手後手に回っていたよしもととの圧倒的な危機管理能力の差を見せつけたのは記憶に新しく、あらゆる面で徹底されているということが分かった一件でしたね。

 

そんなこんなで、今勢いがすごいというのもお分かりいただけたのではないでしょうかワタナベエンターテインメント。勢いがすごすぎるのとそのキャラクターも相まってEXITが出てきた時に「ワタナベ所属じゃないんだ」って思った程だからね。

そんなワタナベ所属芸人たちをこれから意識してみてはどうでしょう?

 

それでは。

 

 

*1:とりあえずTBS編を貼っときますね

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使いたい名言とかってに改蔵のお話。(第6巻)

 

毎日暑くったってかってに改蔵

第6巻。中・後期にかけて重宝された要素でもある羽美の壊れっぷりが顕著になってくる巻ですね。

今回も独断と偏見でビビっときたワードを連ねていきます。

 

その白黒の顔にだまされるな!

第1話「意外が好き物」より、パンダを異常にこわがる改蔵の言葉。見た目のかわいさにだまされるな、中国では毎年何人も野パンダに襲われているのだからと力説する。

普段はうさんくさいのにたまにちゃんと本当のことを言うのがかってに改蔵のチャームポイントでもある。

パンダが怖い時に使おう。

 

意外性を楽しんでいたのです

そんな意外な凶暴性を持つパンダをうっとりしながら眺めていたオッサン(三度の飯より意外性が好きなプロ野球チームヂャイアンツのヤバクラ捕手)の言葉。かつて意外な場面で打つことから「意外性の男」と呼ばれていた(「普段打たないからじゃないの?」と言われているが言っちゃいけない)ことから意外性の虜になったのだそう。もちろん、この意外性がこの回の核となる。

意外性を楽しんでいる時に使おう。

 

これは意外性依存症だ!!

意外性を求めすぎて周りに被害をもたらし始めたヤバクラを見た改蔵の言葉。極度に進行しては依存症漬けにするしか手は無いという。

そういう人がいたら使おう。

 

マケマケ様のご加護のもとに背中に6つの聖跡を!

ヤバクラに投与する意外性が羽美の手によって偏り過ぎた結果、かなりカルトな思考に陥ってしまった羽美、改蔵、地丹の三人。その中でも発端であり進行状態のひどかった羽美の言葉。羽美が本格的にぶっ壊れた最初はここであろう。このぶっ壊れっぷりを見たヤバクラは普通に生きていこうと改心した。

マケマケ様の加護を感じたら叫ぼう。

 

空が青いなぁ……

第2話「犠打犠打ハートの子守歌」より、人生の犠打(人が受けるはずだった犠牲を自分が被ることらしい)の世界記録保持者・かやいが、痴漢の犠牲を被り河原で空を眺めていた時の言葉。前回のヤバクラ(山倉)に続き、野球選手もじりのオッサン(川相)が続く。この言葉は被る必要のない犠牲になったかやいが海の中から空を眺めた時のオチにも繋がる。意外とこの回特出すべき名言が無い。

空が青い時に使おう。

 

うーん、やっぱ避暑は軽井沢にかぎりますな

第3話「避暑避暑話」より、学校行事のサマーキャンプで避暑地に来た科特部一行。目的地に着くなり発した改蔵の言葉。湘南、苗場に続いて今回も軽井沢ではないいったきり高原リゾートだと知るとこそこそ帰ろうとするお決まりのパターンである。

避暑に訪れた時に使おう。

 

軽井沢にのれんわけをしてもらったのだ

上記のお決まりのパターンから、たまたま避暑地にバイトに来ていた負浦海岸の若者(湘南の回に続く登場)たちにバッシングを受けてしまう改蔵。そんな若者たちに朗報と今日からここから軽井沢になると告げに来た雇い主の言葉。よく分からんが軽井沢夫人という避暑地の第一人者が軽井沢のフランチャイズ化を進めており、その一環とのこと。よく分からんが。

軽井沢にのれんわけをしてもらった時に使おう。

 

ごきげんいかがでひしょ?

避暑地化するために配置された避暑地っぽい人、通称・素肌にジャケットのガイの言葉。改蔵曰く、「避暑弁」なんだとか。

避暑地に染まりきったら使ってみよう。

 

ラヴ突然

そんな軽井沢を脅かし、世界チェーン化を目論むスイスの大会社の総帥・ヨーロレイッヒ伯爵が軽井沢夫人を一目見て発した言葉。次のページで朝チュン状態になっており、改蔵からも「さすが避暑地。2コマで恋に落ちるなんて」と絶賛であった。

突然ラヴをしたくなったら使おう。

 

知ってるぞ、その遊び"絶望"だろ?

第4話「廃線から愛をこめて」より、前回に引き続き避暑地を舞台に、近所で噂になっている廃線の幽霊列車に地丹が取り憑かれている疑惑を検証するために羽美、部長、山田さんが夜中にホテルを抜け出した地丹を追いかけていたところ、ロープで電車ごっこをしている男(幽霊)に遭遇。そこに割り入った改蔵がうきうきしながら言った言葉がこれ。"絶望"とはロープで囲んだ中央の人の将来を絶望する遊びらしい。なんという。

ロープで遊んでいる人がいたら使おう。

 

連結ごっこがしたいのです

男たちがこの世に未練を残した鉄道マニアだったことを知り、成仏のためによりリアルな電車ごっこに付き合っていた科特部+山田さん。充分ごっこに興じ、満足したと思われていた男たちの言葉。早い話が下ネタである。

連結したい時に使おう。

 

私が成仏させてあげるわ

「連結するんなら、連結器のガバー外したら?」という部長のド直球な発言に打ちひしがれる男たち。そこに途中気を失っていた羽美が現れ発した言葉。気を失っていた間、魂が高野山で除霊術を学んできたらしい。その除霊方法は怪しげな人形の股を裂いては投げるというもので、あまりの恐怖に男たちは成仏したのである。羽美の股裂き人形はここが初出だろうか。

魂が除霊術を学んできた時に使おう。

 

 

同じアホなら裂かねばソンソン♪

第5話「盆トゥビーワイルド」より、前回幽霊列車と共に天国に旅立った地丹がお盆に帰ってきて改蔵を驚かせようとして数多の人形に乗り移るも不発に終わり、かわいい女の子に可愛がられたいと女の子の人形に乗り移ったところ羽美に股を裂かれるという場面で羽美が口ずさんでいた歌。天才塾式の盆踊りでは踊るアホウと見るアホウを含め82種類のアホウがおり、羽美は裂くアホウだったということなのだ。なんじゃそりゃ。

何か裂く時に口ずさもう。

 

これは、いわばミッシングリンク

第6話「◇(ダイヤ)の6が出てこない!!」より、とらうま町で続きものの漫画やビデオの途中の巻が抜かれる事件が頻発し、誘惑に負けた羽美が漫画を1巻読み飛ばしたら展開がまったく変わってしまい落胆してしまったのを受けて言った部長の言葉。考古学における空白部分の名称をこんな事例に結びつけるあたりのセンスが抜群である。

ミッシングリンクが発生した時に使おう。

 

ああ、なんということかしら… まさかアレがあーなってこうなるなんて…

元天才塾考古学コースの教授・さくぢと共に、ミッシングリンクの穴を(適当に)埋めていく科特部一行。そんな中、「みんなー、ニュースニュース!」と山田さんがかけよって来たところにこの漫画にも2ページ分のミッシングリンクが発生。突如、荒廃した世界でぐったりした改蔵が山田さんに抱きかかえられているという展開になってしまった時の山田さんが発した言葉。

説明できない何かが起こった時に使おう。

 

思春期ですよ

第7話「今年の思春期…!?」より、新学期が始まった学校で「一学期と二学期の間にあるものはなんですか?」と騒いだ改蔵がふっと表情を作りながら言った言葉。曰く、一学期 思春期 二学期 反抗期 三学期 倦怠期 の順で毎年来るらしい。

思春期を迎えたら使おう。

 

あなたもギリギリに挑んでみませんか?

第8話「いつかギリギリする日…!?」より、ファーストフード店でトレーに乗せたやきそばパンセットを運んでいた山田さんが例の如く第一被害者になった際に、謎のギリギリに挑む男たちが発した言葉。ドリンクを表面張力でギリギリになるほど入れられ、こぼしてしまうように仕向けられた。

ギリギリに挑ませたい時に使おう。

 

余裕の笑み?

例によってギリギリ男たちが改蔵のかつての行動が生み出した変態だということが発覚。おかげでギリギリの素晴らしさに気付けたと笑う男に、改蔵が煽るような顔で言った言葉。めちゃくちゃ煽るような顔なのが面白い。

余裕の笑みを見せられたら同様の顔で使ってみよう。

 

月だって見られたくない時だってあるでしょうに!

第9話「人類、月になる!?」より、月見をしている科特部メンバーに向かって「失礼じゃないですか?」という改蔵の言葉。天才塾的には相互鑑賞として月に恥ずかしい姿を晒す行事があるとか。

月見の時に使おう。

 

江戸っ子だね

第10話「とらうま江戸っ子村」より、朝のダーツで朝風呂に入ることが決まり、銭湯で湯に浸かっていた改蔵が客のおじいさんに言われた言葉。この言葉に気を良くした改蔵が江戸っ子っぽくふるまうようになるお話。

江戸っ子がいたら使おう。

 

ナウ。

江戸っ子は気が短いということで名取羽美を略して呼んだ言葉。「死後っぽい」と羽美はめちゃくちゃ嫌がり、「あんたなんてカカじゃないの!」と子供みたいな喧嘩をしてしまう。

苗字がナから始まり名前がウから始まる人がいたら使おう。

 

格主要キャラの性格も出揃い、改蔵もまだそれに圧されてない絶妙なバランスを保っている巻ですかね。日常のあるあるを専門的な言葉でカテゴライズするかってに改蔵ならではのスタイルもここで完成されたように思えます。

7巻に続く。

 

スーパースターとテレビ千鳥のお話。

 

えー世の中いろいろありますが、そんな時でものうのうと深夜番組を語りたいんじゃ!

というね、アレですよ。そうです『テレビ千鳥』です。

 

かつては『アメトーーク』で「帰ろか・・・千鳥」という東京のバラエティに馴染めない様子をイジられる企画が放送されるほどに大阪と東京の笑いの違いに苦しんでいた千鳥だが、ノブの「癖が強い!」をはじめとしたツッコミが世間に大ハマりし、今や大人気の大漫才師(読みは「おおにんき-おおまんざいし」)になったのは記憶に新しいところであろう。

そうして人気者になった千鳥があの「帰ろか・・・千鳥」から5年、テレビ朝日冠番組を構えたのが『テレビ千鳥』。もう、かなりの鳴り物入りで始まった番組なのでご存知の方も多いことでしょう。

 

そんな『テレビ千鳥』を、もちろん僕も初回から毎回観ているわけなのですが、観ているうちにふつふつと感じ始めているのが大悟のスターっぷりですね。

ものすごく適当に作っているようで無駄な物を入れず白だしや和風だしにちゃんと頼って毎度ノブの舌を唸らせる「DAIGO'S キッチン」や、ノブがへっぴり腰ですぐに落水したサーフィンを10分以上乗りこなした「スポーツ千鳥」など常に大悟が活躍しているように思える。

特に「一番うめぇレモンサワーを作りたいんじゃ!!」での大暴れっぷりはかなりの衝撃で、録画を消さずに残しておいてふとした時に見返すほどに個人的にお気に入りの回になっています。

 

基本的に「大悟に振り回されるノブ」というスタイルを中心に番組が進行しているのでそう映ってるだけかも知れませんが、少なくとも近年のバラエティでの千鳥ではフォーカスされていなかった部分なのでより新鮮に感じられたわけです。

そういった意味ではノブに「"○○じゃあ~"っていうやつ面白いのに何でもっと使わないの?」とアドバイスをして、ノブのツッコミの核を作ったとも言える加地プロデューサー(『テレビ千鳥』でも総合演出・エグゼクティブプロデューサーを勤める)による、バラエティ番組での大悟の再評価と新たな千鳥の魅力を発掘している番組とも言えるのではないでしょうか。

 

もしかしたらここからスーパースター大悟が認知されて千鳥の人気が不動のものになるようなことがあるかも知れない。

志村けんと飲み仲間になるほどのお気に入りで、そのスターのエキスを存分に浴びている大悟なら、それもあり得る話ではないでしょうか。

それでは。

 

令和の怪物とうしろシティ金子のお話。

 

2019年7月12日の朝にビッグニュースが舞い込んだ。

うしろシティの金子が率いるGIGA BODY,METAL,from Japanがフィンランドで行われた「ヘヴィメタル編み物世界選手権」の初代優勝者に輝いたのだ。

natalie.mu

この記事では"リスナーから「令和の怪物」と呼ばれている"としか書かれていないが、うしろシティの金子がなぜそう呼ばれているのか、そしてこの「ヘヴィメタル編み物世界選手権」なんていうトンチキな大会に出場するに至ったのかという経緯に我らがアルコ&ピースが深く関わっているので偉大なるブラックサバンナ計画の時よろしく*1、ここに書き記すものである。僕はアルコ&ピースのフォロワーなので主にその目線から話を進めますね。

 

事の発端は2019年5月1日。平成から令和になったその日の0時00分、普段は録音放送の『アルコ&ピース D.C.GARAGE』も令和一発目、番組だけではなく局の一発目ということで特別に生放送で始まった。

テンション高く令和の一発目を盛り上げ、オープニングトークを進めていたアルピー。そのラジオブースの外から金子は仲間にして欲しそうにアルピーのトークを眺めており、2人はたまらず招き入れた。

最初こそ意気揚々と現れた金子だったが、生放送の空気感にやられたのか徐々にトーンダウン。あげく「何か(お題を)振ってみてよ、面白くないこと言うから」と訳の分からない開き直りをする始末。いつもの金子と様子の違いっぷりにアルピーの2人も責めあぐねていたところに「聴いてられない!」とその日ラジオ収録に来ていたハライチも乱入。乱入早々、岩井のプチ暴露に対しても微妙な返しをしてしまったり、リアクションの二択を間違うなど、その後も言動の一つ一つが裏目に出てしまう体たらく。

しかし、それまでの「平成のうしろシティ金子とは何かが違うぞ」という雰囲気を誰もが感じ取ったらしく、平子から「令和一発目の金子の脱皮っぷりがすごかった」酒井から「モンスターになるかも、令和の怪物」と締めくくり、ここで「金子=令和の怪物」という呼び名が誕生した。

さらにその翌日の『うしろシティ 星のギガボディ』では、先の『D.C.GARAGE』よりも前に録音されたものが放送され、そこで金子が「『D.C.GARAGE』の生放送に乱入して、革命を起こす」「平子に肩パン、酒井に高い時計を買わせる」などとかなり意気込んでいたことが発覚し、その後の体たらくと比べると改めてそのクレイジーな怪物っぷりが強固なものになった。

 

そしてもう一つの「ヘビメタ編み物世界選手権」への参加経緯。

こちらの発端も(上記の令和の怪物事変以前の)『D.C.GARAGE』内で、この大会が開かれることが取り上げられたことから始まる。恐らく、北欧の家具が好きだという平子に対して「出たらどうですか?」という軽い振りみたいなものだったのであろうが、第一回目の開催ということで大会自体がスベる可能性がある、何よりヘヴィメタ編み物ってどういう競技なんだ? ということで「金子あたりを送り込んで俺たちは様子を見よう」というところに着地をしてその話題の幕を下ろした。

しかしこの冗談半分で言った内容が同じ局内の『星のギガボディ』に伝わったらしく、「俺たちは二択を間違うから、これは出るべきではない。つまり、出たほうがいい」といった感じの軽い気持ちでとりあえずの予選参加を決意。するとあれよあれよと勝ち進み決勝に進出した。

そこからは最初の記事にもある通り、現地への旅費をクラウドファンディングで募ると予想を遥かに超える金額が集まり、その勢いに押されたかのように優勝したということです。ちなみに一応の発起人であるアルピーの2人はこのクラウドファンディングの話題に触れはしたものの、支援に関してはまごついておりました。

 

といった感じで令和の怪物という称号と共に世界一の称号までもを手に入れたうしろシティ金子。ここから何かしらのメディアへの露出が増えるのでしょうか。

とりあえずはアルピーの2人のリアクションと金子の優勝報告をラジオで聴けるのを待ちましょうかね。

 

それでは。

 

*1:偉大なるブラックサバンナ計画とは……

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デザインとハリウッドザコシショウのお話。

 

ゴォス! 肌寒みぃでございまさぁ~ね~。

いやぁ、以前R-1で優勝した時は*1語ることは野暮と言ったハリウッドザコシショウですが、それから時が経ったことと最近YouTubeでザコシと虹の黄昏の動画ばかり見てるという近況(完全にどうかしてることは薄々分かっている)が僕をここに向かわせたのですよ。そういうことです。よろしくお願いします。

 

そんなハリウッドザコシショウの経歴ですが、コンビ・G★MENSとして大阪で活動。1999年に吉本からのリストラを受け上京。2002年にコンビ解散によりピン芸人に。

その後『あらびき団』に最多出演し「キングオブあらびき」の称号を得ると、2016年のR-1ぐらんぷりで奇跡の優勝を果たし、地上波での露出を増やすと『ドキュメンタル』2度目の優勝をした今年、また少しテレビで見かける回数が増えたような気がする唯一無二のストロング系芸人です。

 

長い間地下芸人として過ごしてきた彼ですが、その芸風は一貫しておりG★MENSの頃から奇声・モノマネ・オーバーアクションという現在のザコシスタイルは完成していたと言えます。また芸人仲間からの評価も高く、「教科書にはないお笑い」を見るために袖に集まる芸人も多くいたとのこと。今でいうインポッシブル的な立ち位置ですかね。

なので、時代が彼に追いついたという言い方をしてしまえば簡単なのですが、そんな簡単では済まされないような苦労や工夫が昨今のブレイクには隠されているのです。

 

まず、ここに至るまでに何度も廃業を考え、そのたびに「漫画家になろうと複数の出版社に持ち込みをしたところ、行くところ行くところで全然違う評価が返ってきてめんどくさくなったから」という理由で持ち直したり、同じ事務所になったバイきんぐと出会い「こんなにお笑いに熱い人がいるなら俺ももう少し頑張ろう」と思って考えを改めたというその後の二組の躍進を考えると胸が熱くなるような理由もあったりと様々ですが、あのハチャメチャなネタの裏にもいろいろドラマがあることを考えるとなかなか面白いです。

そして、『あらびき団』のレギュラー放送が終了するタイミングで自分を見つめ直し、当時は『あらびき団』でも多々披露していた「アシュラマン漫談」や「古畑任三郎漫談」などのひとつのキャラで押し切るスタイルから、ライブで披露していたモノマネ○連発をブラッシュアップさせたものを勝負ネタに変更。フリップをつけてワンクッションを置いたり「誇張をした」を付けることで分かりやすくした。そのお陰もあってウケが増えるも、この年(優勝する前年)のR-1は3回戦で敗退。

ここからのプラスワンが個人的に大好きなんですが、後輩芸人の言葉を取り入れ、それまで白ブリーフ一丁だった衣装を黒パンツに変えたところ見た目の受け入れやすさが格段に上がり、そのままの勢いでR-1ぐらんぷり初の決勝進出、圧倒的な差をつけて優勝となったわけです。

 

こう見てみるとデビューから一貫したクレイジーな芸風とは裏腹に、意見やトレンドを柔軟に取り入れたり、その見せ方の工夫をしているのが分かる。

特に「誇張をした」を付けて分かりやすくしたり、衣装を変えて見た目をキャッチーにしたりといった部分が大当たりをしているので、現在のハリウッドザコシショウの隆盛は「誇張をした」をつけるコピーライティングと見た目を変えるパッケージデザインによるデザインの勝利だったと言えるのではないでしょうか!

 

とまあ、ぜってえ本人はそんなこと思ってもないでしょうが、僕の中でのハリウッドザコシショウはセルフデザインによってスターダムを勝ち取った芸人なんですよ。あやかっていきてぇですなぁ。ゴォス! どもぉあざぁっしたぁ!

 

それでは。